2017年に発表された組閣後の岡部チームAの初公演は『目撃者』でした。2018年6月12日初日に先立ち関係者向けゲネプロが行われましたので公演の様子とともに、終演後の囲み会見をレポートします。(2018年6月11日 東京都千代田区 AKB48劇場)
後列左から下尾みう、宮崎美穂、前田彩佳、田口愛佳、長久玲奈、西川怜、千葉恵里、篠崎彩奈
前列左から後藤萌咲、加藤玲奈、横山由依、岡部麟、小栗有以、向井地美音、鈴木くるみ、谷川聖
初日セットリスト
初日公演 2018年6月12日
影アナ:岡部麟
ミニスカートの妖精(前座ガールズ:庄司なぎさ、本田そら、道枝咲)
M01 目撃者
M02 前人未到
M03 いびつな真珠
M04 憧れのポップスター
自己紹介(1列目左から。紹介は右から)
篠崎彩奈、小栗有以、岡部麟、加藤玲奈、西川怜
宮崎美穂、下尾みう、向井地美音、横山由依、後藤萌咲、田口愛佳
前田彩佳、鈴木くるみ、谷川聖、千葉恵里、長久玲奈
M05 腕を組んで(加藤玲奈、西川怜、篠崎彩奈)
M06 炎上路線(小栗有以、向井地美音)
M07 愛しさのアクセル(後藤萌咲、下尾みう)
M08 ☆の向こう側(横山由依、岡部麟、宮崎美穂、田口愛佳)
M09 サボテンとゴールドラッシュ(鈴木くるみ、谷川聖、前田彩佳、長久玲奈、千葉恵里)
―― MC ――(篠崎彩奈、西川怜、横山由依、下尾みう、宮崎美穂)
M10 美しき者
M11 アイヲクレ
M12 摩天楼の距離
―― MC ――
前半:田口愛佳、谷川聖、後藤萌咲、向井地美音、岡部麟、前田彩佳、篠崎彩奈、宮崎美穂
後半:加藤玲奈、千葉恵里、長久玲奈、小栗有以、横山由依、下尾みう、鈴木くるみ、西川怜
M13 命の意味
―― アンコール ――
E1 I'm crying
E2 ずっと ずっと
E3 Pioneer
E4 ロマンティック準備中
セットリストが決まった経緯
――今回のセットリストを選んだ理由と、このチームでどのように初日に向けて作り上げてきたのか聞かせてください。
岡部麟「まず『目撃者』公演を選んだのは、正直、このチームが何の公演をやっていったらいいのか正直わからなかったんですね。なので、横山(由依)さんやみーおん(向井地美音)さんにいろいろ相談して、どういう風に岡部チームAというものを“A感”を出していこうかなというのを聞いて、アルバム曲でやっていこうかという話もあったんですけど、やっぱり流れのある、昔の前田(敦子)さんや篠田(麻里子)さんら先輩方もやっていた公演なので……」
横山由依「チームAらしさみたいなのを残したいというか、劇場公演の良さみたいなものはずっと残していきたいなっていう思いがあったので、今まで先輩たちがやってきた公演の中で何か選ぼうって話をしたときに、たとえば『ただいま 恋愛中』公演だったりとか『恋愛禁止条例』公演はほかのチームのときにリバイバルをしたことがあったので、『目撃者』公演だけはこの劇場でリバイバルをやったことがなかったので、今のチームで新しいものをお見せできるんじゃないかなっていう思いから、この『目撃者』公演に麟ちゃんを中心に、私やみーおんや多くのメンバーの意見だったりマネージャーさんの意見を聞いて決めさせていただきました」
岡部麟「早速、助けてもらいました」
チームをまとめていくうえで
――チームをどのようにまとめていこうとしていましたか?
岡部麟「やっぱりみゃお(宮崎美穂)さん、れなっち(加藤玲奈)さん、横山さんもいらっしゃるので、結構甘えさせてもらってます。自分から声をかけたりや、みんなのリーダー像とはまた違って、陰からというか、自分で言うのもあれですけど、縁の下からというか、目立ったまとめ方ではなく、姿勢とかそういうところで、先輩も後輩もいるこのチームAを引っ張っていけたらいいなと思っています」
――横山由依さんはそれを近くで見てどう感じていますか?
横山由依「私はいろんなキャプテンのことを見てきました。総監督のたかみな(高橋みなみ)さんもそうですし、秋元才加さんだったり、さや姉(山本彩)のキャプテンも見てきましたし、その中でキャプテンというのは形にとらわれなくていいっていうのは自分の中で思っているので、麟ちゃんは本人も言ってましたけど、何かを今のところはバッと言うことはないんですけど、そういうことによって後輩メンバーが振り付けを『ここはこうなんじゃないですか?』って早速教えてくれたりとか、もちろんみゃおだったり、先輩のメンバーがサポートしてくれるところもあったりで、それはすごく麟ちゃんらしいキャプテンがすでに出来上がっているんじゃないかなと思っているので、全員で一からチームを作るっていうのはすごく面白いんだというのを今回思いましたし、私も総監督として、キャプテンも今までやっていたので、今、キャプテンじゃなくなって、サポートする側に回れるのがすごく楽しみです」
小栗有以「今、出せる自分を」
向井地美音「AKB48の中で一番好きな公演」
――小栗有以さんは前田敦子さんがやっていたポジション、向井地美音さんは高橋みなみさんのポジションを担当していました。それぞれやってみて、自分なりに「ここはこういう風にやってみよう」とか、前田さんやたかみなさんを意識したのかどうか聞かせてください。
小栗有以「今回、前田さんのポジションを任せていただけてすごく光栄ですし、その分、前田さんや偉大な先輩方が公演してきた『目撃者』公演というのは私も映像で見たりして本当にすごく格好良かったですし、すごいなって思ったんですけど、私自身は、それを真似るとか越えるというよりかは、自分ができる自分らしさだったり、今、出せる今の自分をこの公演で新しく、前田さんとはまた違うような感じでお見せできたらいいなって思ってます」
向井地美音「今回高橋みなみさんのポジションをやらせていただいてるんですけども、もともとこの『目撃者』公演は、私がAKB48のセットリストの中でも一番好きな公演で、ずっと昔からやってみたかったあこがれはあったんですけど、本当に偉大な先輩方がやっていたので、今の自分がやっていいものになるのかなっていうプレッシャーもちょっとあって、でも、AKBらしさが一番詰まってるのがこの公演なんじゃないかなって私もファンのときから『AKBといえば目撃者公演!』ていうイメージが結構あったので、今回ゲネプロをやって、『Pioneer』を踊ってるときに、『あ、私すごい、AKBやってるな』っていう実感がわいて本当に楽しかったですし、もちろん、MCでも言ったんですけど、たかみなさんの映像をすごく見させていただいて勉強したので、自分らしさも出しつつ、たとえば『美しき者』のセリフのたかみなさんの、ちょっとドヤってるところは真似しつつ、頑張っていきたいなと思ってます」
――2人でやる『炎上路線』についてはどうでしょう。
向井地美音「結構ゆいゆいは『振り合わせを一緒にやりましょ』って積極的に言ってくれる後輩なので、それがうれしくて、私たちは炎上してないですけど、恋の炎上の曲なので」
小栗有以「オリジナルは高城(亜樹)さんと指原さんで、これも私たちだからこそのものを作れたらいいなって私は思ってます」
16期生の鈴木くるみ、10期生の加藤玲奈、5期生の宮崎美穂に質問
――鈴木くるみさんにお聞きしますけど、『目撃者』公演は2010年から2012年に行われましたが、最年少としては6年ほど前にAKB48に対して何か知ってることはありましたか?
鈴木くるみ「本当にそのぐらいのときからちょうど好きになって、『目撃者』公演のことは知らなかったんですけど、テレビの前では前田さんとかを見て踊ってたりしてました。そのときから入りたいなと思ってて、今、こうやってこの公演に出ることができて本当にうれしいです」
――実際に難しく、大人っぽくやらなきゃいけないと言われている『目撃者』公演を最年少の鈴木くるみさんがやることについてはどう思いますか?
鈴木くるみ「大人っぽい曲を16期生のときからあんまりやってなかったんですよ。元気な感じ(の曲)だったので、全体的に大人っぽい曲が多いのは、自分的に『どうやったらできるんだろう?』って考えたときに『映像倉庫』を見たんですけど、10回ぐらい見ました。それを見ながら、この曲はこうしたほうがいいかなっていうのを学んだりとか、自分で『ここはこういうのがいいな』って思って、最初はちょっと笑ってたんですけど、今では本当にできて良かったと思ってもらえたらなと思ってます」
鈴木くるみ
宮崎美穂
――宮崎さんは目撃者公演をやっていたときは別のチームでしたが、今、やってみてどうですか?
宮崎美穂「私も初めてこの公演をやらせてもらって、レッスン始めたときは、本当に難しくて、『本当にこれを小嶋陽菜が踊っていたのか!?』ってすごく疑問だったんですけど、やっぱり練習時間も短かったので、合わせるところも大変でしたけど、でも逆に難しいからこそ達成感があって、今日はすごくいいゲネプロだったんじゃないかなと思います」
――加藤玲奈さんはいかがでしたか?
加藤玲奈「私は研究生のときにアンダーでたかみなさんのポジションに出させていただいてて、本当その当時、『板(ステージ)から降りろ!』って言われるぐらい踊れなかったので、こうやって無事に踊れて、安心しております」
――横山さんは『目撃者』の初日の公演に初めて出るわけですけど。
横山由依「そうですね、私も当時研究生で、このレッスンの期間はずっとチームAの先輩方と一緒に過ごしていて、大変な姿を見ていたので、今のメンバーは振り覚えが速かったりとか、年齢は若いけど大人っぽい表現をやっていたりとかするのがすごいなと思って、それが今のAKB48なんだなと思うとすごくうれしくなりましたし、当時は先輩たちとしかステージに立っていなかったステージに後輩だらけと『目撃者』に出てるときに、感慨深いというか、AKB48って歴史があるんだなって、自分なんかも思ったので、これからもこの劇場っていうのを、さらに大事にして、このチームでここをもう一度盛り上げていけたらいいなってすごく思いました」
「愛しさのアクセル」は2人で新しい振り付けで
――高橋みなみさんが一人でやっていた『愛しさのアクセル』を2人でやるにあたって、意気込みや見どころの紹介をお願いします。
下尾みう「私はこの曲を後藤萌咲さんと一緒にやらせていただいたんですけど、振り合わせもすごくしました。細かいところまで、表現とか、(ここを)強く出そうとか、深いところまでできたので、もえきゅんさんとできて良かったなって思ってます」
後藤萌咲「『愛しさのアクセル』は今まで1人でやっていたから、『誰がやるんだろうな、みーおんかな?』って思ってて、普通だとライトセーバーを持つじゃないですか。あれに身長制限があって、身長が高いメンバーが照明に当たっちゃうという理由でできないんですよ。そういうルールを知って、なんで私と下尾みうちゃんが選ばれたんだろうな、って思って。そうしたら『野蛮な求愛』を振り付けてくださった先生が今回振り付けてくださって、本当に大変で、膝にあざができるぐらい大変だったんですけど、でも2人で、同じ年なので言えるところはたくさん言い合って映像を見ながらお互いに『ストーリー的に、相手を(恋の)ライバルのように意識しながらやって』って言われたので、フリーの(振り付けの)ときはケンカしながら、みたいなのは意識してやりました」
――ほかに変更された部分はどんな部分でしょう。
横山由依「オープニング映像だったり、ユニットであったり、衣装だったり、リニューアルしてる部分があるので、そこは当時を見てくださった方も新しい気持ちで目撃していただきたいな、ってことで一新している部分はあります」
岡部麟、キャプテンの重圧に思わず…
――岡部麟さんに、どんなチームにしていきたいかという抱負を。
岡部麟「ほかのチームも同じことを思ってはいると思ってるんですけど、やはり、チームAがAKB48を引っ張っていかなくちゃならないエース感と王道感の2つを大事にして、第一線としてチームAがやっていかないといけないっていう、そういうチームでなくてはならないっていう意識を持っています。そういう風なチームに……でもやっぱり歴史のあるチームなので、最初はいろんなインタビューで、『キャプテンとしてどう?』って聞かれて『大丈夫、大丈夫』と思ってたけど、やっぱりプレッシャーが……(涙)、すごいタイトな中でレッスンをみんないろんなお仕事があって、来れなかったりしたし、私が一番出られなくて、自分でこうしたいっていうキャプテン像があったんですけど、それもやっぱりできていなかったので、やっぱりAのキャプテンて大変だなと思ったし、8から兼任としてチームAのキャプテンをやらせてもらっているので、たくさん頑張らないといけないんだなと思って、やっぱり大変でした」
――総監督からアドバイスは?
横山由依「チームAに対する麟ちゃんの理想は、みんながすごく一人一人の個人の活躍もして、グループを一人一人が引っ張ってチームAがエースがいっぱいいて『AKBってチームAだよね』って言われるようになりたいってことだと思うので、個人個人の夢をしっかりと追いつつやっていけたらなといいなと思いますし、あとは、全然大丈夫だよ。本当に。(麟ちゃんはちゃんと)キャプテンですよ。記者会見をチームでやらせていただくことも初めてだったので、それで緊張していて、本当にたぶんチーム8でもキャプテンではなかったと思うので大変だと思うんですけど、大丈夫ですよ」
向井地美音「そう。こういう一面を今まであんまり麟ちゃんはたぶん見せてこなかったから、でも今こういう、(プレッシャーが)かかってたんだなっていう一面を見ててみんなでもっと支えていきたいなってすごく思ったし、麟ちゃん中心に、支え合いながらチームAまとまっていけたらいいなって思ってます」
横山由依「初日前に麟ちゃんの気持ちが分かったことが、このゲネプロでの得たものだと思うので、明日は麟ちゃんをみんなでサポートして、いいステージが作れたらいいなと思います」
向井地美音「チームAは円陣がまだ決まってないんです」
横山由依「チームみんなで作っていくから大丈夫」
前田敦子、高橋みなみコンビが小栗有以、向井地美音コンビとなって新時代を予感させる公演となりました。(撮影・取材 岡田)
篠崎彩奈
加藤玲奈
前田彩佳
田口愛佳