2020年4月2日に横浜アリーナでAKB48峯岸みなみさんの卒業コンサート開催が発表されていましたが、新型コロナウィルス感染症拡大の影響によって、開催が延期されることとなりました(3月18日発表)。なぜ峯岸みなみさんが禁酒をしているのかについて、ご存知ない方もたくさんおられるようでしたので、昨年2019年12月8日に行われたAKB48劇場14周年特別記念公演で最後の1期生・峯岸みなみさんが卒業発表をしたときの全文と、禁酒宣言をしたときの囲み会見の様子を今、ここで振り返ってレポートします。
卒業発表後、「桜の花びらたち」を歌う峯岸みなみ(中央)(c)AKS
卒業発表
AKB48劇場14周年特別記念公演 (2019年12月8日 AKB48劇場)
向井地美音「個人的になんですが、総監督として初めて周年公演を迎えさせていただいて、今まで14年前の今日からたくさんの先輩たちが在籍してきて、その先輩たち一人一人が紡いできてくださった歴史があるからこそ、今、私たちはこのステージに14年後に立てているんだなとすごく感じていますし、だからファンの方だけではなく、先輩たちにもすごく感謝をしています。この中でも唯一14年を過ごしているみぃちゃん、どうですか」
峯岸みなみ「本当に今日、この日を迎えられてすごくファンのみなさんには感謝していますし、みーおんが言ってくれたように、AKBの後輩たちはいつも先輩が先輩がと、私たちを立ててくれるところはあるんですけど、今、こうしてAKBが14周年を迎えられたのは、間違いなくここのステージに立っているみんなのおかげだと思っているので、今のAKBに胸を張って誇りを持ってこれからも頑張っていってほしいなという風に思っています。
個人的には(小嶋)陽菜が辞めて同期のメンバーがいなくなって3度目の周年公演で、去年、一昨年は心細いような寂しいような、どこかそんな気持ちもあったんですけど、今年はメンバーと一緒に活動している中でたくさんコミュニケーションを取れて、今、すごく前向きな気持ちで、AKBが大好きだという気持ちでこのステージに立てたことをすごくうれしく思っています。そんな私から発表があります。
私、峯岸みなみはAKB48を卒業します。
止まっちゃうの? なんか言ってほしかったけど。
(客「えーーー?」)ありがとうございます。いつなのかなってたぶんみなさんも思ってただろうし、いつ卒業してもおかしくないタイミングではあったんですけど、ずっと悩んでいて、今までにも卒業したほうがいいんじゃないか、卒業したいなって思うタイミングがなかったわけではないんですけど、何よりもすごくAKBを好きでいる自分でいられるときに卒業をしたいなと思いました。
今、こうしてステージにみんなで立ってる時間が幸せで大好きな今が、AKBを卒業するタイミングなんじゃないかなと自分で思って、こうしてみんなに見守ってもらえる場所を卒業発表の場所に選ばせてもらいました。
具体的な卒業の時期なんですが、なんと、4月2日にAKB48が横浜アリーナでコンサートをさせていただきます。そこが私の最後のコンサートになると思います。
いろいろ言うことを考えていたんですが、実際にこうなってみると頭が真っ白で、何を言いたかったかすごく悩むんですけども、本当にAKBに甘えていた部分もありますし、たくさん素敵な景色を見せてもらったので、その分、ここからは自分の力で頑張って努力して今まで見てた景色を自分の力で一から見たり歩んだりしたいなと思っていますので、これからも、卒業してからも見守っていただければ幸いです。そしてこれからもAKB48の応援をよろしくお願いします。(拍手)」
向井地美音「なんか寂しすぎて、私は聞いてはいたんですけど、みぃちゃんがいなくなるっていうのが現実味が(なく)この話を聞いても浮かばないくらい、AKBにずっといてくれた存在だから、すごく寂しいですし、AKBの歴史を全部知ってくれている唯一の存在であるみぃちゃんがいなくなってこれからのAKBはまたどう変わっていくんだろうっていう不安もすごくあって、涙というよりも心臓がバクバクしてて」
峯岸みなみ「私も。こんな感じなんだって思った。でもとにかく横浜アリーナでのコンサートがこのメンバーで立てるということで、一緒にいろいろ楽しんで、感じて、新しいAKBにバトンを渡せるようなコンサートになったらいいなと思うので、ぜひみなさん、今から予定を空けて足を運んでもらえたらうれしいです」
向井地美音「盛大にみんなで見送りたいなと思います」
峯岸みなみ「このメンバーももちろんですし、今まで支えてくれた大好きな人たちに囲まれて卒業できたらなという風にも思っているので、まだ具体的に話はできてないんですけど、最後にわがままをたくさん聞いてもらうコンサートにしたいなと思っています」
AKB48全国ツアー2019チームK千秋楽
(2019年12月10日 TOKYO DOME CITY HALL)
2019年7月7日に始まった全国ツアーのツアーファイナルのチームKコンサートの最後に感想を聞かれたときの峯岸みなみの発言。
峯岸みなみ「このチームKのツアーはすごく楽しくて、振り返ればAKBに入った当初は『まだ人を楽しませる力がないのに自分たちが楽しむな』って言われていて、私たちがステージを楽しむのはまだ早いんだなと思いながらずっとステージに立っていました。
でも長くAKBにいさせてもらって、素敵なチームに巡り合えて、今までもずっといいチームだったんですけど、このチームKは絆が深いチームになって、メンバーと一緒にこのステージに立つことがこんなに楽しいんだ、って、そして楽しいって言っていいんだな、って思えるところまで来たなと自分で感じて、すごく感慨深くなりました。
これからまだまだ先が長いメンバーたちにとって、ステージを楽しく感じられなくなる瞬間とか、本当は笑顔でいられない瞬間とか、そんなときがたくさんありながらも、みんなのためにステージに立つと思うんですけど、みんながAKBを卒業する頃には、心からステージを楽しいと思って卒業してほしいので、長い道のりではありますがそれまでチームKでのこの思い出を胸に、これからも羽ばたいてください。
チームK最高でした。ありがとうございました」
囲み会見
卒業発表をした12月8日の翌々日の12月10日「AKB48 全国ツアー 2019 〜楽しいばかりがAKB!〜」のチームK公演終演後のTDC控室にて。
――卒業発表をしてから大きなステージでファンの前に立っての感想を。
「最後なんだなと思ってステージに立ったら、やっぱり1曲1曲がすごく愛おしくてメンバーと顔を合わせる瞬間も大事な瞬間にいつも以上に思えて、メンバーが卒業していくときに、いつもすがすがしい気持ちになっていくなといつも感じていたんですけど、それの意味がわかるような気がしました」
――最後の曲(To be continued.)あたりで少し涙ぐんでいたようにも見えましたが。
「歌詞が良くて、今の自分の心境にも当てはまったし、よくチームKの節目で歌う曲だったので、ちょっと泣きそうになりましたけど、みんな泣いてないのに自分だけ泣いてたら恥ずかしいなと思って、こらえました」
――込山さん(現在峯岸みなみが所属するチームKキャプテン)は泣いていました。
「込山さんにはクレームもいただいて。『卒業発表を私には教えてくれなかった』って。でもあの涙腺の壊れ方を見たら、(事前に)言ったら絶対にまずいなというのがあったので、ごめんねと思いながら言えずにいました」
――ちなみに今回の卒業発表は事前に報告していた人はどなたですか?
「本当に恥ずかしいんですけど、結構言っちゃったんですよね。新旧、大事な人がたくさんいすぎて、まあでも一番最初にちゃんと話したのはノースリーブスの11周年で集まったんですけど、たかみなと陽菜とごはんに行ったときに12月8日はどうだろうか、っていう風に話をしました」
――2人はなんて言ってくれたんですか?
「最初はいろいろ自分の中ではたとえばYouTubeとか番組でとか、わからないけど今までにないやり方もあるんじゃないかなと考えてたんですけど、そうやって話題とか面白いことって卒業してからもできるだろうから、14年いたんだからホーム(の劇場)で発表するのがいいんじゃないかって2人が背中を押してくれました」
「幸せになってください」
――秋元先生は何かおっしゃってましたか?
「秋元先生は、『卒業させていただきたいです』ってご報告をしたら『ここまで頑張ってきたんだから峯岸の好きなタイミングがベストだと思うので、任せます。幸せになってください』って来ました」
――『幸せになってください』っていうのはどう捉えているんですか?
「いや、わからない(笑)。大きな意味で幸せになりたいなと思いました。お父さんみたいな温かさを感じました」
――峯岸さんが13歳でアイドルになったとき、何歳ぐらいまでアイドルをやってると想像していました?
「正直やっぱり自分、今、そうだから言えるんですけど、当時は『20を超えたらアイドルとかないでしょ』って思ってた気がします。中学生のときは」
――結果的にはノースリーブスの3人が残って、高橋みなみさんや小嶋陽菜さんと一緒に卒業というタイミングもあったとは思いますが、あらためて今だっていうのはどういうお気持ちで?
「やっぱり卒業をずっと考えていましたし、もっと卒業したかったタイミング、卒業をしなきゃいけないのかなと思うタイミングもあったんですけど、ネガティブな気持ちで辞めていくのは悔しいというか、わがままなんですけど自分の中で違うなというのがずっとあって、今、AKBとしてすごく楽しめているこの瞬間として12月8日が近くにあったので、今だなって思いました」
――後輩ばっかりで楽しいっておっしゃってましたけど、最初の頃にやってた楽しさとどのように違うのでしょうか。
「今までの初期メンバーとか、期が近いメンバーとの楽しいっていうのは、同じ目標に向かって一緒に進んでいくっていう楽しさがあったんですけど、今はみんなが自分の意見を必要としてくれるというのがすごくうれしかったですし、自分のひとことで若いメンバーたちが変わっていったりするのが楽しいっていうのもありました」
――卒業後はどういう活動をしたいというのは考えていますか?
「AKBにいる間に何か好きなことをひとつに絞らなきゃいけないってどっかでずっと思ってて、AKBにいていろんなことをやらせていただけるので、そのどれもが楽しくて、『あ、私、いつか卒業するときには何になりたいって決まるのかな』と思ってたんですけど、結局何でもやりたいなというのがずっと変わらず、最近は舞台のお仕事だったりとか、お芝居のお仕事がすごく楽しいので、そういうものを中心にできたら一番うれしいなとは思います」
――AKBの最後に卒業ソングやラストシングルのセンターに立ったりというのがありますけど、最後に何か希望はありますか?
「今のAKBのセンターに立つのは荷が重いので、『恋するフォーチュンクッキー』セルフカバーとかがいい(笑)」
――(卒業発表)当日、指原さんが劇場にいらしてたそうですが、呼んだんですか?
「『仕事終わったから行くわ』って来てくれました。楽屋にさっしー来たらばれるねって言ったら、『でもどうしても撮りに行きたいから楽屋に出入りするのは許してほしい』と言われて、お互い何も知らないふりして。でも後輩はさっしー来た瞬間に、絶対に誰か卒業をするって勘づいてたみたいです」
――指原さんには事前に伝えてた?
「さっしーには言ってました」
――指原さんはなんて言ってました?
「良かったねって言ってました。すごく悩んでいるのも知ってたし、一番劇場のいい周年のタイミングでそこにちゃんと落ち着いて良かったねっていう意味だと思うんですけど」
――峯岸さんが辞めると一番の先輩が30歳まで頑張る柏木さんになるんですけど、何か贈る言葉はありますか?
「うーん、なんか、ゆきりんは私の中では、自分がなれなかったアイドル像なので、私も30歳ぐらいまでAKBにいたら面白いかなと思ったんですけど、ゆきりんは面白いとかではなくて、自分がアイドルが好きで、AKBにちゃんと貢献していろいろステージを引っ張ってったりしているのを見てるので、私の分もアイドル人生を30までちょっとだけ背負ってるつもりで頑張ってほしいなって思います」
「卒業発表の前日、結構飲んじゃって」
――8日の発表の前日の夜、発表当日の夜、今日のコンサート前日の夜の中で一番寝られなかったのはいつですか?
「発表の前日は横山由依ちゃんのお誕生日をみんなで祝っていて、発表だって言ってるのに結構飲んじゃって、(当日)顔がむくんでたなっていう後悔があって。でもお酒が入っててよく眠れました。発表したあとは、さっしーとこじまこ(小嶋真子)と島田とご飯に行って、次の日も朝早くリハーサルがあったので、1時ぐらいに寝ました。疲れてて結構寝てますね。あんまり寝れなかったというのはないですね」
――昨日はSHOWROOMで長く話していましたけど、(衣装の)しのぶさんに『わがまま言っていいよ』と言われたって言ってましたが、どんなわがままを言います?
「どうしましょう。今のAKB48で横浜アリーナでコンサートをさせてもらえるっていうのも、そこで卒業セレモニーをさせてもらえるっていうのもひとつ私は今まで言えなかった大きなわがままなので、言ったからにはちゃんと成功させないとなという気持ちでいっぱいです」
――研究生のときに一緒に昇格した初代峯岸チーム4のメンバーたちの様子は発表してからはどうですか?
「(村山)彩希とかなぁちゃん(岡田奈々)とかはすごく慕ってくれて、本当に今AKBを引っ張っていく2人なのにいつまでもそこらじゅうで私の名前を言ってくれて、本当にいい後輩に巡り合えたなと思うんですけど、そういう2人は『寂しい』とも言ってくれますし、でも友達に近い感覚もあるので『いい歳だもんね。幸せになる一歩なら良かったですね』みたいな感じのスタンスもあって、メンバーの気持ちと、年の離れた友達みたいな気持ちとどっちもあるみたいで、よくいろんな言葉をかけてくれます」
――卒業後に自らどんなことをして幸せになりたいという希望はありますか?
「なんですかね……、お金……?(記者笑い) 幸せになるにはお金は必要かなという気がしますね」
――そのためにはCMなのか何なのかしないと…。
「CM厳しいって分かってて聞いてるでしょ(笑)。まあね、何があるかわかりませんからね。さっしーとご飯食べて一緒にタクシーで帰ったんですけど、さっしーでも悩んでるんですよね。『今だけかもしれないし』とか。さっしーでも悩むんだ、と思ったら卒業してからのほうがさらに見える世界が違って悩むことも増えていくんだなと思って、そこはさっしーのことはライバルというよりは、師匠みたいに思っている分があるので、いろいろ卒業してからのふるまいとか、卒業コンサートのセットリストからさっしーに相談していく形になると思います」
アイドルとして還元できる活動を
――YouTubeで発表しようとも考えてたとおっしゃってましたが。
「いや、なんか、前向きな新しい映像をみなさんの目に残したかったというか、私の悲しい動画を上書きしたかったというか、白いニットで希望に満ちた表情でお話しをする動画はどうだろうかなとも思ったりもしたんですけど、まあでも何か言われそうだなとも思ったし……」
――アイドル振り返ってどうですか?
「本当に普通の中学生がここまで良くも悪くも世間に名をとどろかせられたのはAKB48があってこそだと思うので、感謝しながら、現役中にアイドルとして還元することとか、なかなか他の功労者に比べたらできなかった気もするので、卒業してからも近くでいい影響を与えられるようにちょっとずつでも還元できるような活動ができるようになりたいなと思います」
――4月までにしたいことは。
「自分の甘えを断つためにもここで言いますけど、(卒業)発表の日から卒業コンサートまで禁酒をします。ので、4月になったらお酒を飲みたいです」
――張って飲んでたらスクープですね。
「あー! 張らないでください。港区はもう行かないです」
禁酒を開始したのは12月8日から。昨日の3月17日で禁酒100日となります。コンサートは延期が発表されましたが、禁酒は続くのでしょうか。いつか卒業コンサートが無事開催され幸せな状態で送り出され、おいしいお酒を飲めることを願っています。(写真提供:AKS、記事:岡田)