現役女子大生モデル・椿姫彩菜さんの初のフォトブック『C'est ma vie』(ワニブックス)の発売記念イベントが行われました。(2008年10月26日 福家書店新宿サブナード店書店)
椿姫彩菜 プロフィール 1984年7月15日生まれ、埼玉県出身、血液型O型
椿姫彩菜(つばき・あやな)さんはテレビ番組やエッセイ『わたし、男子校出身です』などで読者の方々もご存じのとおり、心は女性なのに身体は男性という性同一性障害を抱えて生まれ、2006年に性別適合手術を受け、戸籍も女性に変更し、現在は「女性の幸せをプロデュース」することをテーマにコメンテーターや雑誌『小悪魔ageha』モデルなどで活躍中のタレントです。
編集部としましては、将来活躍が期待される人たちを区別なく発掘・応援している立場から、興味本位ではなく、女性としての美しさに惹かれ、取材に出向くことにしました。
この本は今とこれからの私です
――出来上がってみてどうでした?
「どんな風に出来上がるかわくわくしてたんですけど、自分で見ても楽しそうな表情をしてて、いろんなスタイルができて楽しかったです」
――内容が盛りだくさんですよね。
「本当に。自分で言うのもなんですけど。私なりのこだわりが詳しく書いてあったりとか、仲のいいモデル友達(桃華絵里さん)との対談とかいろいろやっているので」
――自分でご覧になっていかがですか?
「本当に撮っているときに楽しかったので、読んでいる人に楽しい気持ちになってもらえたらなと思います」
――この間のエッセイ『わたし、男子校出身です』とは連動しているんですか?
「この前のエッセイは今までの私で、これは今とこれからの私です」
――前回から少し掘り下げた内容も?
「そうですね。たとえば私の恋愛観とか、今回は写真でもいろんなポーズに挑戦していて、ちょっと危ない?ポーズにもなりそうになったんですけど(笑)。『いいね、いいね』って言われるとだんだんいやらしいポーズになってきちゃって大丈夫かなと思ったんですけど、今までにないショットもあり楽しかったです」
――すっぴんの写真もありましたが、さらしちゃって大丈夫ですか?(笑) きれいですから大丈夫だとは思いますが。
「はじめ『すっぴんはまずいでしょ』みたいな感じもあったんですけど、素の私を見てもらえばいいかなということで」
――全部すっぴんでもいけそうな感じですよ。
「いえいえいえ。でもすっぴんだとあんまり気づかれないですよ。前、神戸コレクションに行ったときにすっぴんで会場入ろうとしたら止められちゃって」
――KOBE COLLECTIONに参加なさってどうでした?
「一女の子として、一モデルとしてこういう大きな舞台に出られたというのは本当に一生の幸せな出来事だったので良かったと思います」
女性としての初恋、恋愛観、結婚観
――今回、本の内容を見させていただいたら初恋が小学校3年生?
「そう聞くとすごく早熟っぽいですけど、異性(=男性)を初めて意識したのが小学校3年生ということで」
――それはどんな人だったんですか?
「すごくスポーツができる人でしたね」
――そのあとの高校の大恋愛のことも書かれてますね。好きだって言われちゃったんですよね。
「言われたというか、『(好き)かな?』って程度だったんですけど」
――どういう気持ちでした?
「私は好きだったんですけど、男子校だったので、やっぱり堂々と恋愛できないという悲しさはありましたね。私と噂になっちゃって彼がいろいろ言われたらどうしよう、みたいな切ない感情がありました」
――彩菜さんの恋愛観というのはどんなものですか?
「私は基本的に、好きな人がいてその人に彼女がいたら、悲しいけどあきらめるタイプです」
――ごり押ししないんですか?
「取った恋愛は取られて終わるらしいです(笑)」
――今は恋愛はされてないんですか?
「まったくしてないです」
――結婚はしたいと思いますか?
「いずれしたいと思います。結婚して50年経ってもラブラブでいたいです。手をつないで旅行に行くとか、一緒に寝るとか」
――寝る?
「別々の部屋で寝るというのが流行ってるって言うじゃないですか。そういうのを聞くと淋しいなと。でもよく『それは幻だよ』って言われるんですけど」
――結婚しても子どもができないのが不安、て書いてありましたけど。
「はい不安です。それを理解してくれる男性をまず探さなきゃっていうのがありまして、やっぱり欲しい方もいらっしゃるので難しいですね」
――結婚して子どもを養子にもらうっていうのは?
「選択肢のひとつにはなっています」
美容のために気をつけていること
――これだけきれいだと男の人が寄ってきません?
「そんなことないですね。大学も9割以上女の子なので女の子ばかりと遊んでいるので。で、男子校の同級生も今さらどうこうもないので」
――これからの目標といいますと?
「今、女性の幸せをプロデュースするお仕事をしているので、もっともっと勉強して女性がさらに笑顔になれるようにしていけたらいいなと思います」
――普段、メイクはどのぐらい時間をかけているんですか?
「実際、髪の毛を合わせて30~40分ぐらいです」
――どんなところに気をつけてメイクをしてるんですか?
「やっぱり、透明感。あんまり濃すぎず、自分らしさも生かしてメイクをしています」
――自分の健康と美をキープするためにどういうところに気をつかってますか?
「そうですね、おしゃれとか美を毎日楽しむ、習慣化するっていうことと、常に前向きに生きていくことだと思います」
――何か運動とかされますか?
「寝る前にちょっとストレッチとかその程度で」
――食事のほうは?
「実家に住んでいるのでお母さんの料理で、そこらへんは美容にいいんじゃないかと思います。ごはんが好きで、今は十六穀米を食べています」
――本の中で「ニューハーフタレント」と言われるのがつらいっていうことを書かれてたんですけど。
「なんか“ハーフ”っていうと真ん中っぽい感じがするじゃないですか。私の中では女の子だけど身体が違っちゃったっていう感覚なので。あとどうしても“ニューハーフ”っていうだけで、おちゃらけて真面目に生きていないみたいなイメージをどうしても持たれがちだったりするんで、ふつうの人に『ニューハーフの人はみんなおちゃらけてる人ばかりなの?』って言われるんですけど、そういう人は強くて尊敬するんですけど、みんなそういう風にできるわけじゃないので、私はそういう感じではないんですけど、みたいなのはあります」
――これからもタレント活動は続けていかれるんですか?
「そうですね。私の価値観を表現できる場所でもあるので」
――ドラマとか映画とかは?
「どうなんですかね。何かいいお話があれば挑戦するのかなぁ。何かすごくよく聞かれるので、何て答えていいんだろうって感じはあるんですけど、いろんな自分の表現の仕方ができたらいいなとは思います」
タイトルの『C'est ma vie』についての質疑はありませんでしたが、フランス語で「それが人生さ」という意味で『セ・ラ・ヴィ』というフレーズがありますが、「これが私の人生」という意味だと思われます。
イベントに集まったお客さんの多くは男性でしたので、女性としての魅力はアイドル系ファンにも十分に認められたような印象を受けました。実際に生で拝見してても女性として十分かわいいと思いました。興味をお持ちになりましたら、グラビア的ページもふんだんに入っている本書をご購入してみてはいかがでしょうか。(撮影・取材 岡田)