欅坂46の菅井友香さんが、公益社団法人日本馬術連盟の「馬術スペシャルアンバサダー」に就任することになり、その発表会見を取材してきました。(2017年6月7日 神奈川県横浜市 根岸競馬記念公苑)
菅井友香さんは小学校5年生から馬に乗り始め、現在でも馬術競技をしていることから、スペシャルアンバサダーに就任することになったそうです。
菅井友香プロフィール 1995年11月29日生まれ、東京都出身 163.5cm 血液型AB型
日本馬術連盟の春田恭彦氏の冒頭のあいさつによると、日本馬術連盟では2020年のオリンピックに向かって、選手の強化、悲願のメダル獲得に向けて全力で取り組んでいるところで、同時に馬術を日本全体で盛り上げていこう、応援団を増やしていこうと企画して馬術アンバサダー、馬術スペシャルアンバサダーに欅坂46の菅井友香さんにお願いし、日本の中で馬術を盛り上げていこうと着手したところだそうです。
そして従来は業務用、選手用であったWebサイトに新たにファンサイト「A to Zinba」を作り、それぞれの場所で馬術を盛り上げてもらおうという企画をオープンし、スペシャルアンバサダーである菅井友香さんのコラム含め馬術に関する情報が掲載されています。 A to Zinba|馬術のAからZがまるわかり
就任発表記者会見
ここで菅井友香さんが登場し、司会の方とのやりとりがありました。
――スペシャルアンバサダーになってくださいと言われたときにどんな風に思われましたか?
菅井友香「お話をいただいたときは、とてもうれしかったのですけれど、このような大役、本当に私でいいのかなっていう気持ちもありました。
実は私は小さい頃から馬がとっても大好きで、将来はどんな形であっても馬と関わるお仕事ができたらこんなにうれしいことはないなと思っていたので、今回こういった形で、また馬と馬術とつながることができて、とてもありがたいと思っています。
またひとつ夢がかなって、とってもうれしいです。よろしくお願いします」
――馬に乗り始めたのが小学校5年生のときで、中学校1年生から本格的な競技としての馬場馬術を始められ、高校1年生のとき(2011年)に全日本ジュニア馬場馬術大会『チルドレンライダー選手権』で2位になり、障害馬術にもチャレンジするようになりまして、今年(2017年)の3月には、国際馬術掛川大会でトップスコア競技にチャレンジするところまで行きました。本当に馬術がお好きなんですね。
菅井友香「大好きです」
――菅井さんにとって馬術とはどんな存在なんでしょうか。
菅井友香「馬術は私もまだまだ勉強中なんですが、言葉の通じない馬と関わるからこそ、信頼関係を築く過程がまたほかのスポーツとは一味違って、とても魅力がいっぱい詰まった競技だなと思います」
任命状の贈呈(就任式)
――就任式を終えて今の気持ち、いかがですか?
菅井友香「とってもうれしいです。責任も感じております。ちょっと緊張してるんですけど、やる気でいっぱいです」
ここで馬術アンバサダーライダーが登場し、馬術競技の紹介がありました。
小牧加矢太選手(障害馬術)
「障害馬術はその日に決められたコースをいかに減点を少なくいかに早く競うタイムレースで、意外とシンプルなルールで、見てるお客さんも一緒になって盛り上がれるような競技になっていると思います」
髙田茉莉亜選手(馬場馬術)
「馬場馬術は“馬術のフィギュアスケート”とも言われていて、規定演技ですとか、音楽に合わせた自由演技というものがあって、人馬一体、美しさを競う競技となっています」
佐々紫苑選手(総合馬術)
「総合馬術は3つの種目を3日間に分けて行う最も過酷でハードな競技となっています。ひとつは障害馬術、もうひとつは馬場馬術、そして、3つ目が今、着ているちょっとごっつい格好なんですけど、クロスカントリーというのが総合馬術特有の競技になっていまして、総合馬術の花形とも言われる種目になっています。このクロスカントリーは森の中や林の中を駆け抜け、水の中に飛び込んだり、丸太などの自然物を利用した固定障害を飛越する過酷な競技になっています」
トークセッション
――菅井さん、障害馬術と馬場馬術は担当していますよね。総合馬術は?
菅井友香「まだ未経験なので、わからないところをたくさんあって、すごく服装も重そうだなって……重いですか?」
佐々紫苑選手「選手ができるだけ馬に乗りやすいように軽く作られているので、見た目ほどではないです」
――馬術の魅力、種目の魅力について紹介してください。
小牧加矢太選手「日々、馬と努力してきたことが試合場で成績に出たり出なかったりはあるんですけど、自分一人じゃなくて馬と喜びや悲しみを分かち合える、いい競技だなと思います」
――一番良かった瞬間はありますか?
小牧加矢太選手「去年の全日本ヤングライダーで、ふだんは年齢制限関係なく常にチャレンジャーという気持ちで試合に臨んでるんですけど、ヤングライダーは同じ世代の仲間たちと一緒に切磋琢磨するプレッシャーもあったし、優勝できたんですけど、優勝できたときのプレッシャーから解放されたときがすごかったです」
――髙田選手はヤングライダー馬場馬術選手権で4連覇をされています。
髙田茉莉亜選手「馬術というのは、スポーツの中で唯一、馬という動物と一緒に行うスポーツで、オリンピック競技の中も唯一のスポーツとなっています。また、男女の差がなく、階級別もないですし、そういう差もなく戦うというのが馬術競技の一番の魅力だなって私は思っています。
私が行っている馬場馬術という競技は、人間は何もしていないように見えるんですけど、でも馬が勝手に躍っているように見えるっていうのが美しいとされている、そういう競技なんですね。そういうところを見ていただけたらないいなと思っています」
佐々紫苑選手「魅力はたくさんあるので挙げはじめたらきりがないんですけど、私にとって馬術の魅力は、馬術は馬がパートナーなので、それぞれ自分の大切な相棒と一緒に試合に挑むのですが、日々のトレーニングから試合まで、たくさんの時間を一緒に過ごしてきて、そしてONもOFFも、勝ちも負けもたくさんの経験を一緒に乗り越えていくことで、喜怒哀楽の感情を共有していけるようになることが一番の魅力だなと私は考えています。
私は、自分の馬が楽しそうにしていたら私もうれしくなるし、つらそうだったり痛い思いをしてたら身を切られるほどすごくつらくなるんですけど、そういったことが人馬一体ってことだなと思うので、そこが一番の魅力だなと思っています」
菅井友香さんから質問
――菅井さんから3人の選手に聞いてみたことはありますか?
菅井友香「小牧選手に、私も去年から障害馬術初めて乗せさせていただいて、直接指導をしていただいたこともあるんですけれど、本当にとてもお上手で、練習とか試合のときとかに、いちばん気をつけていることはあれば教えていただけたらなと思います」
小牧加矢太選手「一番気をつけていることは、その障害物を跳ぶことは人しかわからないので、まず馬に、この障害を跳ぶってことをしっかり伝えてあげることはひとつかなと思います」
菅井友香「髙田茉莉亜選手は、私が中学生のころに一緒の乗馬クラブで習っていた時期もあって、そのときからとってもお上手であこがれの先輩という感じなんですけれど、本当に4連覇もされていて、その強さの秘訣はありますか?」
髙田茉莉亜選手「わたしは馬との信頼関係は特に大事にしているので、言葉が通じない馬ではあるんですけれど、コミュニケーションが取れるように常に普段馬に接するときからそういうことに気をつけて、競技につなげていってます」
――一緒の乗馬クラブということで髙田さんは友香さんのことが大好きだったんですか?
髙田茉莉亜選手「ちっちゃいときからすごくかわいかったので、毎日のように会って『かわいい、かわいい』と言って、『ちょっとやめてください』って引かれる、みたいな(笑)のをやってました」
――そうしたらその友香さんが本当にアイドルになってしまってねぇ。
菅井友香「すごくやさしくて、結構人見知りで自分からはしゃべれないタイプだったのですけど、そんな私にもいつも気にかけてくれて、私はとても心強かったです」
――今後の競技に関してとアンバサダーとしての抱負を聞かせてください。
小牧加矢太選手「競技では、まずは安定した走行ができるライダーになることが自分の目標で、アンバサダーとしては自分には重すぎるぐらいの大役なんですけれども、自分に少しでもできることがあるかなと思うので、少しずつ頑張っていきたいと思います」
髙田茉莉亜選手「私は今年の3月に大学を卒業して、これから本格的に馬術に集中をしてやっていくところなんですけれども、これまではジュニアクラスでの競技に出ていたんですけども、今後は大人の方たちと一緒に競技に出ていくことになるので、ジュニア時代の経験を活かしながら馬術界に貢献できる選手になれるように精進しつつ、馬術連盟のPRをするアンバサダーという役をいただいたので、頑張っていきたいなと思っています」
佐々紫苑選手「馬術は馬という生き物がパートナーのスポーツなので、絶対一人よがりな考え方では成り立たないスポーツだと思います。なのでこれからも常に馬の言葉に耳を傾けながら、ホースファーストのつもりを忘れずに頑張っていけたらいいなと思います。そして、アンバサダーとしても馬術というスポーツの魅力だけでなく、私は馬という生き物の魅力も多くの方に知っていただけたらうれしいなと心から思っているので、まずは私自身が楽しみながら競技に挑んでいけたらなと思っています」
菅井友香「馬術スペシャルアンバサダーを務めさせていただいたからには、馬術、馬、そして選手のみなさんの魅力をもっともっとたくさん勉強して、多くの方々に知っていただけるように背一杯頑張りたいと思います。そして馬術に励まれているみなさんを全力で応援させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします」
記者会見は以上です。
乗馬走行
次に、屋外馬場において乗馬フォトセッションと囲み会見が行われましたので、その様子をお届けします。
――初仕事、率直に今、どういうお気持ちですか?
菅井友香「とても光栄です。ずっと馬が好きで、馬に関わるお仕事ができたらと思っていたので、本当に信じられなくて、緊張してたので、昨日、眠れませんでした」
――菅井さんは東京出身ということで、2020年の東京オリンピックも地元で開催されるわけですけれど、ご自身が生まれた場所でのオリンピックというのはどのようにお感じになりますか?
菅井友香「自分が生まれ育った東京で、しかも自分が20代のうちに大きな東京オリンピックっていうのを間近に感じることができるのはとっても楽しみですし、馬術をもっと身近なスポーツにみなさんも感じていただけるようなお手伝いができたらとってもうれしいなと思います」
――広報大使としていろんなPRの仕方があると思うんですけど、自分の中でこういう風にPRしたいなっていうのがあればお願いします。
菅井友香「今まではずっと選手として楽しんできた馬術なんですけど、今は欅坂46の菅井友香として何か自分が馬術普及のためにできることはないかなと考えて、そこで出会ったたくさんの方々ともっと馬を親しんでいただけるように、たくさん広めていきたいなと思います」
――馬術を始めたきっかけは何だったんですか?
「小学5年生のときに、同級生に乗馬やろうって誘っていただいて、そこから、最初は跨るだけだったんですけど、だんだん中学に入ってから馬場馬術という競技について興味を持つようになりました」
アイドルのときよりも緊張
――アイドルとしてやっているときの緊張とは違いますか?
菅井友香「違いました! ふだんはメンバーがいてくれるので、それがとても大きいんだなと思いました。1人だとすごく緊張がいつもの倍になってしまいました」
――メンバーのみなさんと馬術のお話をされることはあるんですか?
菅井友香「します。今回、アンバサダー務めさせていただくようになったこともメンバーに先に伝えていて、『良かったね、頑張ってね』って言ってくれて、その気持ちを胸に今日を迎えました」
馬に乗ってライブに登場してみたい
――欅坂46ではキャプテンもされていて、こういうソロの仕事もグループにとって弾みになると思うんですが。(以下発言者はすべて菅井友香さんです)
「こうやって1人でお仕事をさせていただくのは今までなかったので、この馬術を続けてきたっていうことがお仕事につながってとても感謝の気持ちと、このことがきっかけで、馬術のことはもちろん、欅坂のことも知っていただけるきっかけになれたらよりうれしいことだと思います」
――今後競技会に出る予定はありますか?
「今のところないです。なかなか今は馬術を練習する機会がなかなかないんですけど、でもずっと馬には乗り続けたいな、馬に関わっていたいなと思います」
――定期的にレッスンはしてらっしゃるんですか?
「今はしていなくて、体幹トレーニングだけ続けています」
――欅坂のライブで馬に乗ったりとかは?
「え、それがいつかしてみたいなって密かにちょっと思ってるんですけど、ライブに馬で登場っていう映像を見たことがあるので、それはすごいかっこいいなと思って。まあ難しいとは思うんですけど、いつかできたらって思ってます」
――菅井さんと言えばお嬢さまというイメージがあるのですが。
「全然違うと思います。でもそうやってキャラ付けしていただいて、それをきっかけに、知っていただけることがとてもありがたいなとは思っています」
――自分がお嬢さまでないって理由は?
「うーん、結構、スーパーとか自分で足を運ぶのが好きで、何パーセント引きとかいうのを見るとうれしくなります」
――逆にメンバーから言われるお嬢さまだって言われるエピソードはありますか?
「たまに言葉遣いで、『あ、そういう風に言うんだ』って言われることがあるんですけど、でもそれは自分はふつうだなと思います」
――今回の就任にご両親は何か言ってました?
「両親は、すごく馬術を続けるうえで、ずっと応援してくれていたので、私が成績がいいときも悪いときもいつも一番近くでサポートしてくれた家族なので、今回の就任を伝えたときは、とてもうれしそうにしてて、今日も母が来てくれてて、感謝の気持ちです」
――何か言ってましたか?
「結構白いズボンなので、体型とかもっと気をつけなきゃね言われました」
――馬に乗ったのは久しぶりなんですか?
「久しぶりです。『(炎の)体育会TV』で挑戦されていただいてその試合以来です。結構空いてて馬に会っていなくて寂しいなと思ってたので、こうやって久しぶりに厩舎に来て、馬の匂いが感じられてすごくテンションが上がりました」
受け答えもお上手で、乗馬も乗りこなせていました。馬術連盟のサイトでは菅井友香さんのコラムも掲載されているので、そちらもお楽しみください。(撮影・取材 岡田)