オリコン1位がとれなかったらブルマ公演で話題のNMB48デビューシングル『絶滅黒髪少女』のミュージックビデオが完成し、ファンの前で初披露されるプレミアム試写会が行われました。(2011年6月28日 大阪TOHOシネマズなんば)
司会進行はたむらけんじさん、出演はNMB48チームNの16人。この日公開されたのは『絶滅黒髪少女』『僕が負けた夏』『待ってました、新学期』の3本。『絶滅黒髪少女』MVの監督は『世界の中心で、愛をさけぶ』の行定勲(ゆきさだ・いさお)さん、『僕が負けた夏』(白組、TypeA)には多数のミュージックビデオを手がける須永秀明さん、『待ってました、新学期』(紅組、TypeB)にはウスイヒロシさんが担当しています。
たむらけんじさんの呼び込みでメンバーが登場します。
――今の率直な気持ちはいかがですか。
山本彩「私たちもまだ見たことがなく、初めて見させていただくということで楽しみにしています」
渡辺美優紀「ドキドキしています」
――撮影のときは大丈夫でしたか?
山田菜々「はい、大丈夫です」
――見どころはどんなところでしょう。
渡辺「いろんな私たちが見れると思います。衣装であったり雰囲気だったり、いろんなことを初めてさせていただいたので見どころたくさんだと思います」
ここでメンバーたちも最前席に座り3本まとめて上映となりました。
――本人たち見ていかがでしたか。
山本「迫力がとにかくすごい感じで、紅白のミュージックビデオも目が離せない感じだったと思います」
渡辺「みんなの個性が出てて、見ててすごく楽しかったです」
――はるが持ってたふんころがしのふんみたいなのは?
木下春奈「あれはたこ焼きで、最後たこ焼き降ってくるんですけど、正直私、笑いました」
山田「3曲とも色が違うので、通常盤TypeA、TypeBどちらとも買っていただけたらうれしいなと思います」
――絶滅のほうは行定監督が……すごいビッグネームがやってますね。監督はどうでした?
山本「外見は監督、みたいな感じのオーラのある方なんですけど、よく笑う方で気さくな感じだったです」
渡辺「すごくやさしいです」
山田「見た目とのギャップにちょっと感動しました」
渡辺「握手してもらいました」
近藤里奈「こんな感じの(髪型を手で表現)。髪型が少し」
――それではメンバーにも知らせてないんですが、『絶滅黒髪少女』のミュージックビデオの監督、行定勲監督に来ていただきました(メンバー騒然の中、行定監督登場)。
――監督、NMB48の印象はいかがでしたか。
行定勲「まだデビューしてなかったんだ、と思うくらいNMB48のことは知っていて。そのぐらいインパクトがあったんでしょうね。デビュー曲のPV撮らせてもらうのは一生に一回しかないですから、逆にプレッシャーでしたね。最初にいただいた曲がストーリーを感じる夏の曲だったんですよ。これは作れると思ってドラマ仕立てで構成を考えてら秋元さんが『これは違う』って変えたんですよ。でもね、これ聞いたときに『これは来るな』って思ったんですよ。すごくインパクトがあった。これは秋元さん本気だなって感じました」
――NMB48はいきそうですか?
行定「撮ってるときは意外とふつうの女の子に見えるんですよ。もちろんかわいいですけど、一番驚いたのは編集したら変わったんです。原石って山を割ったときには光がわからないですが、ちょっと研いでいくと輝きを増していく、その印象がすごくありましたね。化けましたね。特に小笠原さんは化けましたね。たぶん編集した人が小笠原さんのことが好きだったんでしょうね(笑)」
小笠原麻由「ありがとうございます」
行定「いろいろありますよ。やるとだいたいこなせる。今ひとつだったのが吉田さんなんですけどね(笑)。ちょっとふにゃっとしちゃう」
吉田朱里「重かったんですよ、あの刀が」
行定「あれが逆にいいかなと。ふにゃっとしてながらも切っちゃうぞと。それがインパクトがあっていいかなと」
吉田「ありがとうございます」
行定「ほかにも見どころが自分の中にあって、自分でも気に入ってる作品です」
――メンバーから質問ありますか?
山本「撮ってる間は直接監督のほうから何か指示されるわけでもなかったというか、どうしたらいいかわからないことが」
――それは狙いがあったんですか?
行定「最初のPVだから悔いが残らないように自分で表現したいものが映ってればいいなと思って。コンセプトだけは作ったんですけど、あとは愛情を持って編集するだけです」
――メンバー結構練習したんでしょ? 彩が弓道、みるきーが書道、菜々は合気道ってやったことなかった?
山田「まったくなくて」
――スティーブン・セガールに教えてもらったの?
山田「違います。誰かわからないです」
――スティーブン・セガール知らんの? アメリカで保安官もやってるで。
山田「すみません。大学生の方に合気道を教えていただいて、初めて男性を投げさせていただきました」
――合気道は簡単に投げられるからね。
山田「そんなことないですよ」
――で、まーちゅんは茶道。
小笠原「はい。初めてで、飲んだあとの表情も監督さんに聞いたら『自由でいいよ』って言われて、たぶん編集してくださった方が苦い顔のほうがリアリティがあったのかなと思って。本当に苦かったんですよ。りぃちゃんが点ててくれたんですけど」
――りぃちゃん茶道できるの?
近藤「茶道できますよ」
――でもそれ苦かったん?
近藤「違うんですよ。聞いてください」
――どうしたん?
近藤「まーちゅんがずーっと聞いてて『おいしかったで』って言ってくれてるのに、今ここで『苦い』って。初めて苦いって。ちょっと自分上手いんかなって思ってたのに」
――初めての亀裂が生じましたね。仲良くしてくださいよ。で、アカリンが居合い道。
吉田「本当に重くて。はじめは木のやつで練習してたんですよ。それは軽かったんですけど、次の日に本物でやって、手が筋肉痛で耐えられなくて右手パンパンになりましたね」
――なかなかね。本物はね、真剣ではないやろ?
吉田「え? 真剣ですよ! 真剣ですよ! 重いのと緊張でいっぱいでしたね」(※アカリンの「真剣」がまじめの真剣なのか本物の刀という意味の真剣なのかがちょっとわからなかったです)
――気に入ってる人いますか? はい、みるきー。
渡辺「私、書道をやらせてもらったんですけど、たぶんみなさん『恋』って書くと思ったと思うんですよ。でもなぜか『変』って書いたのがポイントです」
行定「字がうまい」
――あれ自分の字?
渡辺「はい、そうです」
行定「一応、吹き替えも用意してたんですけど、下手でもいいから書いてもらおうと思ってたんですよね。そしたら思いのほか上手いんですよ。何度でもあの字を書けますよ」
――前やってた?
渡辺「はい。実は小学校のときに美術館で表彰されたことがあって、今回書道ができるって聞いたときにはすごくうれしかったです。大好きなので」
――監督、今回はMVの撮影でしたけど、今後メンバーたちが経験を積んでこの中で女優をやりたいという子が出てきたとき、この中で女優に化けそうな子はいますか? まだわかりませんか? ちなみに監督にオーディション落とされてます。(※発言者はずっとたむけんさんです)
行定「その節はすみません(笑)。原石なんでね。意識だと思うんですよ。芝居をする意識。で、テレビでインフォマーシャルやってるでしょ、山本さんと渡辺さんが。GREEの。あれで言うと、あの場面だけで言うと山本さんの勝ちで、キャラだと渡辺さん。セリフが堅いのがミソなんだろうけど」
渡辺「あのとき監督に『渡辺さんはこういうキャラでいこう』って言われて、途中から」
行定「ちょっと棒読み風に?」
渡辺「たぶん、はい。でも、私は……そうなんです」
行定「それをちゃんと演じたと」
渡辺「いえ、そんなことないです(笑)」
――なんで急に自信なくなってるの。
行定「あの二人のかけあいが面白いですね。毎週見てますよ」
渡辺「ありがとうございます」
――ということは意識を持てば誰でも監督の作品に出られる可能性があるということですね。
行定「はい。これはお世辞じゃなくて、編集したら変わったというのが、僕も本当に驚きだったんですよ。この人たち力あるなって思って。さすがオーディションで選ばれただけあるっていう。だから自信を持ってやってもらえると一番上を獲れるんじゃないですかね」
――ぜひとも獲ってほしいですね。獲られへんかったら彼女たちブルマ公演が待ってますんで。
行定「それ逆効果じゃないですかね」
――それ陣内とも(ケン)コバとも言ってたんですよ。ファンの子が(ブルマ)見たいから買わへんちゃうかなって。頼むで。
――さて、『絶滅黒髪少女』は7月20日に発売ということで購入特典はあるんでしょうか。
山本「はい。全部で3種類あるんですけど、通常盤TypeA、TypeBには私たちがドッキリに引っかかってるもようを収録した特典映像がついていまして、あと、トレーディングカードと全国握手会参加券は初回限定特典として入っています。そしてメンバーがチームごとに分かれた紅組白組としてのそれぞれの曲も入っています。劇場盤には個別握手会参加券が入っていまして、NMB48全員で歌っている『三日月の背中』という曲も、これは劇場盤にしか入っていません」
――ということはもう全部3枚買えということですね。
山本「(笑)。『青春のラップタイム』という、公演で何回かやらせていただいた曲も入っているので、内容が盛りだくさんだと思います」
――ドッキリの特典映像がえらいことになったんだって?
山本「そうなんですよ」
小笠原「えらいことになってます」
渡辺「涙、涙です」
山田「大泣きですよ」
――なぜ、彼女たちが大泣きしたのか、そちらのほうも楽しみにしていただきたいと思います。ではファンのみなさんにみるきー一言お願いします。
渡辺「いろんな私たちが見れて、そして通常盤のTypeA、TypeBは白組、紅組といった個性の出ている作品になっています。そして、劇場盤では『三日月の背中』というNMB48の1期生25人で歌っている曲も入っています。本当にどれを買っても損はないと思うので、全部チェックしてほしいぐらいです。お願いします」
――行定監督もNMBの魅力を一言お願いします。
行定「今回、見ていただいてわかるように、ふすまの向こう側に色がありましたよね。日本画の美しさというんですか、そういう“強さ”ですよね。すごいインパクトとコントラストの強い映像というか絵が花開いてたんですけども、そういうものをここにいる人たちの中に感じたんですよ、強さを。その強さを持って日本の中を席捲して頑張ってほしいなと。今はすごく近くにいるけど、手の届かないところまで行ってくれると、彼女たちを追っかけていく人が増えていくんじゃないかなと思うし、その原石であるみなさんが輝く宝石になることを期待しています」
このあと記者からの質疑応答タイム。
――撮ったときの印象と見てからの印象で変わったこととか感動した部分はありますでしょうか。
山本「撮影したときはいろんな場面を1日かけて撮らせていただいたので、いろんなことを一度にやりすぎて出来上がりの映像が想像できなかったので、見てから『あ、こんな風にもなるんや』っていう風に見て感動しました」
渡辺「撮ったときは『絶滅黒髪少女』っていう曲がまだ自分のなかでしっくりきてなくて、かっこいい曲だなって思ってたんですけど、実際こうして見てみると本当にNMB48の色に染めれているなと思いました」
――1位を獲らなければいけないなかで、PVを見て1位をとる自信は出ましたか?
山本「自信はなかったんですけど、今日見てみてすごいかっこいいなと、想像以上というか、期待以上のものだったので、少しだけ自信が見えました」
渡辺「1位をとることは本当に簡単なことではないと思うんですけど、本当に『絶滅黒髪少女』のミュージックビデオは本当にすばらしいので、(1位)とりたいんですけど、結果はわからないんですけど、とれたらうれしいです」
――行定監督にうかがいたいんですけど、今回の撮影に至った経緯と制作費のほうを。
たむらけんじ「いやらしい、サンスポ」
広報担当「制作費のほうは控えさせていただきます」
たむらけんじ「なんでや、言うてもいいやないか」(客席笑い)
行定「制作費は通常の何倍かかかっています。通常の制作費じゃできないので、それはいくらかは僕も知らないです。撮影は2日間でやりました。前日の夜にみなさんダンスを合わせたって聞いてるんですよ。大丈夫かなと、翌日それを見たときには完璧でしたからね。すごいな、よくこのダンス覚えたな、って感心したところがあって。撮影の経緯は、プロデューサーの人から話をいただいて、すぐ『やります』って」
たむらけんじ「それはなんで?」
行定「デビュー曲でしょ? なかなかそういうのに遭遇できないんですよ。女優さんも最初に芝居するときっていいんですよね。そういう特別感があると思うんですよ」
――行定監督におうかがいしたいんですけど、弓道、書道、茶道、居合い、合気道と割り振ってますけど、監督がそれぞれのイメージで当てはめていったんでしょうか。
行定「日本の美の中で彼女たちがやってないだろうなと思ったものを挙げていって、山本さんは最初から弓道だと思ってました。かっこよかったんですよ。的を射るのが」
山本「すごく気持ちよかったです」
行定「実際射ってましたからね。バッチリです。映画の中でも弓道やってる女の子は凛としてるしてるじゃないですか。山本さんはこういう凛としてるイメージがあったので、そこが決め手で。渡辺さんは『変』て書かせたかったんですよ」
渡辺「どういうことですか(笑)」
行定「はじめっからふにゃふにゃしてたので」
渡辺「変ということですか?」
行定「飴食べます~? みたいな感じだったので」
たむらけんじ「おばちゃんか」
行定「大丈夫かな、この子っていう(笑)。すごくファニーな感じが出せると思ってたら、字が上手い。僕にとっては偶然だったので。あとはどういうキャラクターが合うかなとプロデューサーの人たちと相談して、山田さんはもっと長く見せたいです、素材を。本当に男を何度もなぎ倒してますから。その型がうまくいってるので。メイキングとかあればやってるところを見れると思うんですけど、相当強く見えた」
山田「ちょっと強すぎて衣装チェンジがありました」
たむらけんじ「どうした? 破れてもうた?」
山田「破れてないですけど」
たむらけんじ「相手の血ついてもうた?」
山田「違いますよ、あの、合気道のはかまの色が何個もあったんですけど、スタイリストさんに選んでもらって行定監督のところに行ったら『ちょっと強いなぁ』ってことになってチェンジしました」
行定「弱いと思ってたので『ちょっと強そうなのにして』って頼んだら、それが意外にできるから」
たむらけんじ「強すぎて衣装チェンジになったわけですね」
――日本画が若冲(じゃくちゅう)のように見えましたがあれはオリジナルですか?
行定「いや、(伊藤)若冲です」(※Wikipediaの伊藤若冲)
TypeAには「僕が負けた夏」(白組=小笠原、岸野、木下春、小谷、篠原、福本、山田、山本)、TypeBは「待ってました、新学期」(紅組=門脇、近藤、上西、白間、松田、山口、吉田、渡辺)が、劇場盤には前述の2曲だけでなく、「三日月の背中」が入っています。『絶滅黒髪少女』『青春のラップタイム』は全種類に入っています。それでは最後にこの日上映した『僕が負けた夏』『待ってました、新学期』の様子を少しだけ紹介します。7月20日発売です。(撮影・取材 岡田)