2008年10月5日に1st公演がスタートしたSKE48が2009年2月14日からの『手をつなぎながら』公演を経て、3rd Stage『制服の芽』が2009年10月25日よりスタートしました。初日公演後の記者会見の様子をお届けします。(2009年10月25日 名古屋・栄 SKE48劇場)
まずは秋元康総合プロデューサーよりひとこと挨拶。
秋元康「SKEのメンバーを見ていて制服の中にある可能性、いつか制服を脱いだときにこの子たちはどういう風に旅立つんだろうというイメージから『制服の芽』というタイトルにしました。ここにすべての思いが込められていて、彼女たち、まだ土の中の種かもしれませんが、無限の可能性を持っていると思います。今日、初日を見ましたが、非常にいきいきとした、まだまだ荒削りな部分もありますが、それだけ太陽に向かってそれぞれ違う方向に向かって伸びようとしている生命力みたいなものを感じました。ぜひこれからもSKE48を応援してください」
ここで21時になったので中学生のメンバー(松井珠理奈、森紗雪、矢神久美)は会見場から退出し、高校生以上のメンバーによる会見となりました。
次はメンバーからの代表あいさつ。
大矢真那「私たちの1st公演の『Partyが始まるよ』から始まって3つ目の公演になって本当にすごくうれしい限りです。公演のタイトル名どおり“芽”の状態なので、これから花を咲かせていきたいと思います」
桑原みずき「レッスンをするにあたってメンバーと一緒にたくさんの壁を乗り越えてきました。本当につらいときもメンバーがひとこと声をかけてくれるだけで頑張ろうと思えたり、ファンのみなさんからのお手紙にすごく励まされて今日を迎えることができました。つらかったですけど、今日舞台に立ったらそんなことは全部忘れてこれからもっともっといい公演にしていきたいと思います」
平松可奈子「2nd公演よりもダンスのレベルがすごく上がって、みんな苦戦して悩んだりもしたんですけど、ここでメンバーの絆が生まれて、得意な子は苦手な子にダンスを教えてくれたり絆も深まってダンスもさらに上を目指すことができたので、これからはもっと磨きをかけていきたいと思います」
次は記者たちからの質問です。
――メンバーから一人ずつ見どころの紹介をお願いします。
桑原みずき「曲の中で、それぞれ歌詞が私たちに当てはまってて、歌っていて気持ちが入るので、みなさんに歌詞を聞いてもらいたいと思います」
平松可奈子「ユニットが今までと違う個性が出ていて、そのギャップに注目してほしいです」
大矢真那「公演の中でふりふりの衣装を着てる曲があるんですけど、歌ってる曲は激しい曲で、ふりふりだけど表情はかっこいい、みたいな、表情がころころ変わっていくので、そこを注目して見てほしいです」
高田志織「見どころは全部です。ダンスも、衣装も、表情も、歌詞も、曲もすべてです」
平田璃香子「12曲目に『仲間の歌』という曲があるんですけど、一番最後にお客さまと一緒に歌うところがあって、歌詞の内容が私たちのことを歌っている曲なので、ぜひ一緒に歌っていただけたらうれしいです」
新海里奈「見どころはダンスですかね。2ndの『手をつなぎながら』公演よりもすごく難しくなっていて、でもみんなで力を合わせて、まだまだなんですけども、頑張ってきたのでぜひ見ていただきたいなと思います」
松下唯「9曲目の『万華鏡』という曲なんですけども、ユニットの中で初めて大人組といいますか、20歳以上のメンバーが集まって歌っているんですけども、今までにない感じの構成になっているのでそこを注目して聞いていただきたいと思っています」
小野晴香「曲の雰囲気とかダンスの振り付けとか、演技が入っていたり、いろいろ面白い感じで取り入れられたりするので、かわいらしい表情やかっこいい表情などいろいろな表情を見せていきたいと思っていますので、そこのところをしっかり見てほしいなと思っています」
出口陽「『手をつなぎながら』公演も素敵な曲ばかりだったんですけど、『制服の芽』の曲もすべて歌詞も見ながら聞いて本当に素敵な曲だなと思って、この公演はメンバーそれぞれの個性がすごく生かされた公演だと思います」
中西優香「ところどころに細かい仕掛けがいっぱいいっぱい隠されているので、たくさん見にきて公演ごとに新たな発見をしていただければうれしいなと思います」
――秋元さんからもお願いします。
秋元康「やはり『手をつなぎながら』を見てくださった方、そこから彼女たちSKE48チームSの成長過程をさらにこの『制服の芽』公演で見ていただく、つまりこれはSKE48というのはアイドルの成長を見守るドキュメンタリーだと思いますので、初日から彼女たちがどんどん成長していくさまを見ていただけたらと思います」
――『手をつなぎながら』から今日の初日の『制服の芽』をご覧になってどのぐらい成長していたかという印象と、公演に対する100点満点での点数をお聞かせください。
秋元康「非常に成長していると思います。『手をつなぎながら』公演は楽曲的にもどちらかというと勢いで押せる曲が多く、彼女たちの実物大の世界を描いていたんですが、今回は少し演技、フィクションが入っているので、そこの部分が彼女たちがどのぐらい演じることができるかなと思って見ていたんですが、そこが成長していたなと。バーを少しずつ上げながら4th、5thにつながっていけたらと思っています。今日の公演でいえば98点じゃないかと。2点ぐらいはこれから未来に残しておかないと100点だとここで終わってしまうので。何が足りないのかはみんなそれぞれ考えてほしいなと思います」
――秋元さんは「制服の中にある成長の可能性」ということで『制服の芽』というタイトルをつけたとおっしゃいましたけど、メンバーの方はそれを受けてどういうことを考えているのかについてお聞かせいただければと思います。
中西優香「私は実際には制服を着る年齢ではないんですけど、衣装で制服を着させていただいているということで、SKE48を卒業するときに夢に向かって羽ばたける道へと進んでいけたらという思いかなと受け止め、成長して未来に羽ばたいていけるように頑張っていきたいと思います」
秋元康「制服を着ていないメンバーもいるんですけども、『制服の芽』というのはここにいらっしゃるみなさんも10年、20年前に制服を脱いだ方もいらっしゃると思うんですが、人間は見えない制服を着てると思うんですよ。その見えない制服を脱げばまだ成長できるという思いを、たぶんお客さまも同じように制服を着てらっしゃる方もだいぶ前に脱いだ方もお見受けしたので、みんなにとって制服を脱げばまだまだ芽があるんだという思いを持ってほしいと。だから中西が言うようにこれから卒業かもしれないし卒業だけじゃなくて明日の公演、次の公演の中に可能性を見出してほしいなと思います」
――ちょっと昔の話になりますがチームAの3つめの公演のことを意識したのかと思える部分があるようにも見てて思ったんですけど、SKE48らしさをこのセットリストの中にどういう風に入れたかということをお伺いできればと思います。
秋元康「SKEだから特にということはなくAKBと差別化をしているわけではないんですが、SKEの場合はまだまだメディア露出、それを太陽というのであれば、まだそこに十分な陽が当たっていないと思うんですね。なのでそこに可能性があると思っているので、この『制服の芽』というのは、まだまだ技術的には基本中の基本、あまり冒険をしていない楽曲が多いと思います。
つまりたとえば『手紙のこと』(M16)のような非常にストレートな歌の中に彼女たちがどれだけ自分の想いを伝えられるかなと。やっぱり歌というのはその人の想いがどこまで伝わるかですから、(歌手というものは)だんだんフィクションの世界で何かを演じるというのが多くなってくるし、SKEのメンバーは制服を着ているメンバーが多いですが、AKBもそうですが制服を着ているメンバーがだんだん少なくなってくるので、これからの可能性を見い出すためにも、まだ技法的にも(難しいものでなく)、あるいは年代的に過剰なものでなくてシンプルなものをやりたいなというのが『制服の芽』公演なんです」
――(リーダーの)平田さんにお聞きします。SKE48らしさ、チームSらしさを今回の公演でどう見つけてみんなの前でアピールしたいかというのを聞かせてください。
平田璃香子「今回は1st公演よりも2nd公演よりもとにかくダンスがパワフルで、レッスン中もメンバー同士助け合ってものすごく私もパワーをもらったし、メンバーがいたから頑張れたところもあるので、レッスンや公演で生まれたチームSの強い絆と、ダンスのパワフルで元気なところ、そしてかっこいい一面も、いろんなSKE48チームSの表情を見せていけたらいいなと思います」
――秋元さんにお聞きします。松井玲奈さんのソロが異色だったと思うんですが、狙いがありましたら教えていただきたいです。
秋元康「松井玲奈に関してはユニットを組むにあたって、ユニットはどういう風に作るのかというと、その前の公演を見ていて、メンバーが『こういう曲を作ってくれ』と、本人たちが言うんじゃなくてステージから聞こえてくるんですね。
それを見ていて彼女にはこういう歌がいいだろうという歌を作っていくんですけど、たまたま松井玲奈はソロ曲でストーリーになっていて、もしかしたら80年代、70年代に近いような楽曲がいいんじゃないかという気がして『枯葉のステーション』という曲にしたんですけど、今日の初日を見てやはりそのリクエストに十分応えている、歌詞がセリフになっているような説得力があって、うまくなったなぁと思いました」
――秋元さんにはSKE48の今後のリリースのご予定で今おうかがいできることがあればおうかがいしたいのと、後列にいるメンバーに今後やってみたいことをひとことずつ聞かせていただければ。
秋元康「SKEの今後につきましては、まるで考えてません。AKBもそうなんですが、プロデューサーである僕がこの先が読めないというのは、たぶん一般の方も読めないと思うんですよね。エンターテイメントって僕が思うにはたぶん予定調和が一番つまらなくて、『こうなるだろうな』というのをどれだけ裏切られるかだと思うんですね。今年のSKEはこういう風にしてこういう風にして、って考えるよりもこんな風にやってみようかというときにエネルギーが出てくるんじゃないかと。
つまり応援してくださるみなさんも『そうきたか!』っていう風に引きつけられていくんじゃないかと。つまりSKEは連続ドラマであると。単発ドラマではないので、1話の最後の『次週に続く』がどれだけ面白く見えるのかを考えているので、それにはどうしたらいいかというと僕自身が何も考えてない。ギリギリになってさあどうしようか、次の公演を作らなきゃいけないとか、あるいはコンサートでもテレビでもラジオでも写真集でもイベントでも、『あ、こんなことをやろう!』って突然思いついてやるほうが面白いんじゃないかなと。僕もSKEの一人の観客、一人のファンになれるんじゃないかなと思います」
桑原みずき「私は常にファンのみなさまをびっくりさせるようなことをしていきたいと思っています。個性があって一人一人性格も違うからイメージとかあると思うんですけど、そのイメージを公演ごとに覆してみたりとか、ふだんはしない表情をしたりとか、いろんなことに挑戦していきたいと思います」
平松可奈子「AKB48さんの妹分として名古屋を拠点にして頑張っているんですけど、まだSKE48が全国に知れ渡っているわけではないので、もっといろんな多くの人がSKE48だねって言ってもらえるようにいろんな方面で活躍していきたいなと思います」
大矢真那「今やりたいことなんですけど、私たちSKE48はこのステージ上で輝いているっていう風になってるんですけど、このステージをもっと使っていろんなイベントとか、ライブのほかにもいろいろやっていきたいなと思って、提案しようかなと思ってます」
高田志織「夢とかたくさんあって、やりたいことはあるんですけど、今はこの『制服の芽』公演のことで頭がいっぱいなので、完璧にできるように少しずつ早く練習していきたいなと思います」
今回のセットリストは秋元プロデューサーがおっしゃるようにメンバーたちの成長の過程を日々確認できる内容となっていますので、何度か足を運んでいただいてその変化を見守って、SKE48の歴史にあなたもご参加ください。(撮影・取材 岡田)
★SKE48 チームS 3rd Stage「制服の芽」セットリスト
M01「恋を語る詩人になれなくて・・・」
M02「合格Kiss」
M03「アンテナ」
M04「制服の芽」
M05「思い出以上」
M06「狼とプライド」
M07「女の子の第六感」
M08「枯葉のステーション」
M09「万華鏡」
M10「ジェラシーのアリバイ」
M11「Doubt!」
M12「仲間の歌」
M13「 水のないプール」
M14(E01)「楽園の階段」
M15(E02)「ピノキオ軍」
M16(E03)「手紙のこと」
【追記】
・2009年12月25日Zepp Nagoyaで行われるコンサートタイトルが「名古屋一揆」に決定
・チームKII新公演を12月上旬にスタート