2006年3月3日からパソコンテレビ「GyaO」で、ハロー!プロジェクトの新番組「ハロプロアワー」が始まりました。毎回、司会者やゲストにハロプロ・メンバーが続々と出演し、トークと歌(バックは生演奏)で盛り上げてくれています。
「ハロプロアワー」のゲストのうち、毎回1人、キッズ系(℃-ute、Berryz工房)のメンバーが出演していますが、日頃ソロを1曲まるごと歌う機会が少ないので、ファンにとっては、大変貴重な番組なんです。
『℃-ute』は「Cutie Circuit 2006」と題したイベント・ツアーを開催中ですが、その会場に行くと、ユニットとしてプラス個人それぞれのダンス能力の高さを実感できます。しかし、自己紹介ではなくて、司会者との相互の会話能力がどうなのか? そして1曲通しての歌の実力がどうなのか? を知るには、この「ハロプロアワー」が絶好のコンテンツになるわけです。そんな観点で、私・スクエアダンスが「トーク」と「歌」に分けて、独断的に評価してみました(各項目10点満点です)。
「あくまでも私が独断的」に決めましたので、結果に不満を持たれる方も多いことでしょう。しかし、視聴者が個々の芸能人に対して抱くイメージは千差万別であるということを考慮していただき、ぜひ寛大になってくださるようお願いします。
第1回 村上愛
村上愛のトーク=6点 ★★★★★★
特技:「わっきゃない(Z)」の振り付け
司会の安倍なつみさんを終始敬いつつ、楽しさを全面に出したハイテンションな「ノリノリトーク」となりました。自分の特技を披露するコーナーで、安倍さんと一緒に可愛い振り付けをやる発想は、村上独特のサービス精神から来るものでしょうが、安倍さんの可愛さをうまく引き出した反面、自らのアピールが抑えられてしまった気がします。
村上愛の歌 =6点 ★★★★★★
曲目:「手を握って歩きたい」(後藤真希)
ハロプロ・キッズにとって、オーディション当日から歌い継がれている課題曲ですが、持ち歌というには、ほど遠い印象を受けました。比較的高音のフレーズの歌い出しや、同一音程のロングトーンが、総じて不安定で、危なっかしいですね。表現力でカバーする以前に、歌そのものを基本からマスターし直しましょう。次のミュージカルのために。
第2回 矢島舞美
矢島舞美のトーク=5点 ★★★★★
特技:習字
ストレートな気性の矢島にとって、メルヘンチックな安倍なつみさんの恋愛表現は、半分呪文に聞こえてしまうのでしょう。せっかく考えてきた質問(好きな寿司ネタは?)の答えが、「聞きたいの、それ」って返されるのはつらいですが、それを別の言葉でやり返すぐらいの「粘り」が欲しいです。その「さっぱり」感が矢島らしさなんですけど。
矢島舞美の歌=7点 ★★★★★★★
曲目:「幸せビーム!好き好きビーム!」(ハッピー♥7)
ハイテンポなため、滑舌が悪い子がソロで歌うと危険な曲ですが、こんなにさらりと歌ってくれると気持ちがいいです。ときどきリズムが前がかりになるときがありますが、音程・声量とも申し分なく、ZYX当時に比べて、歌の実力はかなりUPしていると思って、間違いありません。課題は表現力でしょうが、選曲でうまくカバーしました。
第3回 梅田えりか
梅田えりかのトーク=7点 ★★★★★★★
特技:ドラム
安倍さんの会話が全く普通の人に見えるほど、梅田のぶっちゃけトークは際限がありません。『(私の)子供は、部屋に埋もるぐらい(40何人)欲しいです』、『「世界遺産」って骨ですよね?』。過去のラジオやDVDマガジンと同じように、えりかちゃんのトークはいつも面白いので、「お笑い系が得意なモデルさん」を目指すのもアリだと思います。
梅田えりかの歌=6点 ★★★★★★
曲目:「オンナ、哀しい、オトナ」(セクシーオトナジャン)
村上・矢島同様、梅田もZYXを経て℃-ute入りしましたが、最も歌で伸び悩んでいる気がします。UFMS(アップフロント・ミュージックスクール)を卒業して芸能界入りした時点では、かなりの歌大好き少女だったのですが……。歌い込み不足よりも、内面的な理由(=自信の無さ)の気がするので、一方的に歌手宣言でもやってみればどうでしょう。
第4回 鈴木愛理
鈴木愛理のトーク=5点 ★★★★★
特技:コルネット
司会の中澤裕子さんに、鈴木は緊張しまくりというより、おびえすぎです。鈴木の質問(ジェットコースターと観覧車どっちが好き?)に中澤さんは気乗りがせず、結果だけ答える→愛理ちゃん、笑うだけという悪い展開となりました。私が思うに、鈴木愛理ソロデビューの最大の課題は、人前でそして歌番組で楽しいトークができることだと断言します。
鈴木愛理の歌=9点 ★★★★★★★★★
曲目:「ブギートレイン'03」(藤本美貴)
バックダンサーとしてハロプロ・キッズが歌番組デビューした、思い入れ深い課題曲。歌唱力抜群のミキティの代表作ですから、オリジナルを超えるのは至難の技です。鈴木は、Aメロだけでお金を払ってもよい素晴らしい歌でした。アップテンポな曲なのに、フレーズの間(ま)の空け方が抜群で、こんなに感動が連続するなんて、さすがです。
第5回 中島早貴
中島早貴のトーク=8点 ★★★★★★★★
特技:フラフープ
「ライバルは誰ですか?」「うさちゃんピースはどうやって考えたんですか?」は、この番組を見ている道重さゆみさんのファンも知りたい、秀逸な質問です。中島は、道重さんの話をたっぷり導くまでは聞き役に回ったうえで、ちゃんと自分は『石川梨華さんを超えたい』とアピール。落ち着いた態度なのに、テンポが小気味良い楽しい会話でした。
中島早貴の歌=5点 ★★★★★
曲目:「HEY!未来」(モーニング娘。)
中島も出演した映画「仔犬ダンの物語」のエンディング曲。しょっぱなではっきり音程が違っちゃったため、番組の視聴者には「歌はしろうとさん」という印象を持たれたかもしれません。修正後はまずまずの出来で、そんなに下手な子ではありません。全体的に音程は不安定ですが、リズムは正確にとれているので、伸びしろが期待できます。
第6回 岡井千聖
岡井千聖のトーク=6点 ★★★★★★
特技:腕ずもう
道重さゆみさんよりも、小学6年生の岡井のほうが考え方が大人っぽい、という図式は、結果的に道重さんのお姫様キャラを際立たせる形となり、岡井はメリット的に損をしました。むしろマルだったのは「腕ずもう」対決の方で、ちっちゃいけれど野生児・岡井ちゃんが、道重さんに勝つことは、℃-uteファンなら容易に予想できますよ。
岡井千聖の歌=8点 ★★★★★★★★
曲目:「好きになっちゃいけない人」(田中れいな、村上愛、鈴木愛理)
いわゆる「2代目『あぁ!』」のデビュー曲で、同学年の鈴木愛理に岡井が刺激されたのかもしれませんが、岡井は歌がうまいです。深みのある声はとても魅力があり、私は、将来(3~5年後?)ソロの歌手までいけそうな逸材だと感じました。「BSジュニアのど自慢」なら、グランプリ大会のレベルといっておきましょう。
第7回 有原栞菜
有原栞菜のトーク=5点 ★★★★★
特技:"あ"を連続で書くこと
司会の新垣里沙さんが有原に、コンサートでの心得などのアドバイスをするのですが、有原の受け答えは簡単な言葉が多いので、会話が一方向パターンになりがちです。有原は喜怒哀楽の顔の表情や、身振り手振りの表現が豊かなため、新垣さんから有原との会話に溶け込み易いんでしょう。有原の協調性の高さはこんなところにも顕れています。
有原栞菜の歌=5点 ★★★★★
曲目:「I WISH」(モーニング娘。)
歌ごころのような技術的な要素は現状乏しいですが、感受性豊かな性格の有原らしい、感情表現がこもった積極的な歌唱法です。そういう意味でも、メッセージ色が強い「I WISH」は得意曲なのでしょう。歌にソツはないので、これがオーディションの二次審査なら、合格になりやすい(=最終審査に残りやすい)タイプです。
第8回 萩原舞
萩原舞のトーク=5点 ★★★★★
特技:和太鼓
萩原舞は、ハロプロ最年少(エッグを除く)ですが、トークに関しては、他人の話を聴いたのち、自分が話す傾向が強いです。このため、落ち着きすぎ、裏を返せば子供っぽさに欠ける、と当面の間は過小評価に捉えられてしまう恐れがあります。今回は司会進行がうまい新垣さんに、相当助けられたわけですが、いつもこうとは限りません。
萩原舞の歌=5点 ★★★★★
曲目:「Yeah! めっちゃホリディ」(松浦亜弥)
Berryz工房のミニアルバムで、菅谷梨沙子がソロで歌って注目を浴びている楽曲で、キッズ系に今後どんどん歌われそうです。萩原も、器用にこなしてはいるのですが、菅谷のように声質に特長がないので、萩原舞の個性を、歌からはあまり感じとれません。まずは、滑舌をよくするために、早口言葉なんかを取り入れてみては、いかがでしょう。