OMATA(オマタ:現社名は「トリコロール」→「コンパスTV」)というアイドルDVDのメーカーをご存じでしょうか。ガールズbeアンキシャスやアイドルイベントレポートのコーナーでもOMATAからリリースされているDVDを何作か紹介しました。
ほかのメーカーとは違った独自のキャスティングをされているように感じたので、2005年4月より業務拡張に伴い社名が「有限会社トリコロール」となったこともあり、アイドルDVD事業の立ち上げからずっと関わってきている統括本部長の関谷さんにお話をうかがうことにししました。
アイドルイメージDVD部門の立ち上げは2003年の10月からで、流通を自社で取り扱うようになったのは2004年1月にリリースした5作目の川村ゆきえ1stDVD「INNOCENT」からだそうです。2005年6月1日現在、45作品を世に出しています。
ジュニア、正統派、ちょっと大人のセクシー系と多岐にわたっていて、特にキャスティングについてどんなコンセプトがあるのか聞いてみると、「カチッとしたコンセプトはないんですけど、自分で見て応援してあげたいと思う子を」という答えが関谷さんから返ってきました。
正統派グラビアと大人っぽいセクシーなものとある程度区分けしながら毎月これらの作品を同時にリリースし続けているそうですが、あまり過激な着エロはやっていないそうです。
「うちとして今、流行っている“着エロ”はあまりやりたくなかったので、いい女をきれいにセクシーに撮るっていうコンセプトでやっています」(関谷氏。以下同)
一瞬ドキッとするようなチラリズム
一方で正統派グラビアアイドルのDVDを作るにあたってのコンセプトについて聞いてみると、次のような答えが戻ってきました。
「僕らの世代のアイドルは、グラビアアイドルというよりはキョンキョン(小泉今日子)がいた黄金期の(歌を歌う)アイドルだったりしますので、自分がそのときに何が見たかったのかというと、たとえばキョンキョンが『ザ・ベストテン』に出たときにチラッとミニスカートから太ももが見えてドキッとしたよな、っていう感覚が頭の中にあったので、まず、アイドルなんだけどチラッと見せる良さを出していこうというのがあったんですね。一瞬ドキッとするようなところを1シーンの中に必ず入れておいてくださいと制作の人には頼んでます」
以前、ガールズbeアンキシャスで紹介した安藤成子ちゃんのDVDで、手作り料理をするシーンがあって、なぜかこれから料理をするのに意味もなく水着でお尻ふりふりしてたのが妙に良かったのはこういう精神で作っているからだと納得しました。
ほかのメーカーにない独自ラインアップで
ラインアップを見てみるとほかのメーカーと比べジュニア系(元ジュニア?)アイドル(樋口真未、由良亜里紗、小松愛、丸山知紗)がわりと多いことが気になったのでこの点についても聞いてみました。
「子どもがいちばん下にあるとしたら次は正統派、次は大人のセクシー系、着エロっておおまかに分かれると思うんですけど、最初は手さぐりでいろんな人を紹介してもらってやっていたので。由良亜里紗は当時中2だったんですけど、『この子かわいいなぁ』と思って決めました」
作品一覧を見ていると、売れる半年ぐらい前、最初にブレイクして売れるタイミングの半年ぐらい前にリリースしているケースが多いので、次の作品が売れれば売れるし、次の作品のリリースがもたもたしている間に売れるのでしょうが、どこかもったいない気がしているのですが、と直撃してみると……。
「よくね、竹(書房)の光安くん(「『Pure Smile』シリーズの秘密に迫る」を参照)には『早すぎる』って言われるけど(笑)、ただ、売れてからだと制作費の問題もあってキャスティングが難しくなるので、ほかのメーカーにない独自ラインアップでいければいいと思います。ただ、売れなきゃしょうがないですけどね(笑)。自分では早すぎると思っていなくて、実際に本人と会ってみて『かわいいな、応援したくなるな』っていう子をやってるだけで」
そういう視点というか路線はスクランブルエッグで取り上げたいアイドルと共通するものがあって共感できましたが、売れてくれないと心配になります。最近「Queens Eros Carnival」(クイーンズ・エロス・カーニバル)と銘打ったシリーズができて、なかなかいいネーミングだなぁと思ってこのシリーズについて聞いてみると、
「これはプロデューサーが話を持ってきて、自分で名前つけただけなんですけど(笑)。『“エロス”ってつけると出てくれないかもしれないですよ』って言われたけど、エロスってそんな悪い言葉じゃないと思うんですけどね(笑)。レースクイーン限定で、とは思ったんですが、いいキャスティングが続かなくてキャンギャル系、ミスコン出場者も入れて、たぶんオリジナルのオムニバスもリリースする予定です」
とのこと。過激な着エロ路線に押されて難しいのではと心配したりするのですが、「イメージDVDとしての範囲内でやっていきたい」とのことで、メーカーとしての誇りとこだわりを感じることができました。
――DVDを売り込んでいく点で苦労している点はありますか?
「竹書房さんやぶんか社さんのように(紙)媒体を持ってるところはパプリシティ(宣伝を兼ねた記事)を自分のところ(雑誌etc.)で打てるじゃないですか。僕らはメーカー単体なのでパブリシティを打てないので、そのへんを自社で解決していくか、力のあるプロダクションさんとつきあっていくのかというのがテーマです」
そのあたりは現在でもいろいろと方向性を模索しているようでした。続きは次回に。
OMATAからリリースされているDVD
安藤成子ちゃんの1st DVDはOMATAからリリース(安藤成子のアンキシャス)
小松愛「愛と書いてめぐみ」では愛ちゃんが初めて水着姿を披露。(小松愛のアンキシャス)
「Queen's Eros Carnival」シリーズでは吉田千晃ちゃんの「薫女 -フェロモン-」が売れ筋(イベントレポート)