「努力すれば報われる」といいますが、こと芸能界に関していえば、必ずしもそうとは言えません。だったら努力しないほうがましかといえば、決してそんなことはありません。今回は、新人アイドルが芸能界で生き抜くための“努力”はどのぐらい必要なのかを考えてみます。
2005年9月で最終回を迎えた金曜ドラマ「はるか17」(平山あや主演)で芸能界の裏側をちょっと見ることができたと思います。「こんなこと本当にあるの?」と訊かれれば「ないとは言えない」と答えます。
芸能の世界は、もともとスポンサー(昔の言い方ですと“谷町”“パトロン”)がつき、“興行”というイベントをすることで収入を得、お客さんを呼べる人気バロメーターがタレントのギャラに反映されます。今でもテレビ番組のタレントのギャラは同じように決められています。
構造的に言うと、お金や権利を持っている人たちが力を持っていることになります。
ですから、お金や権利を持っている人に媚びるのもひとつの“サバイバル”戦術ですから、そういう人たちと強力なコネがある大きめのタレント事務所に入るのはタレントにとって“サバイバル”としてひとつめの大きなステージをクリアしたと同じことになるといえましょう。
別にお金や権力が悪いと言っているわけでもないですし、それに媚びることも生活していくためのひとつの方法なので悪いわけではありません。
ではコネも実力も人気もない新人はどうしたらいいのでしょう。
それは“努力”するしかないんです!
何の努力をすればいいのでしょうか。
何に対しても!です。
別にそんなに深く考える必要もないのですが、自分のやっている仕事に誇りを持ち、自分のやっていることが人の役に立つんだということを実感できる段階になってくると、自然に感謝の気持ちがわいてきます。
感謝の気持ちを表す相手は、自分を精神面で応援してくれるファンであり、支え、守ってくれるマネージャーであり、番組や作品をキャスティング・制作してくれるプロデューサー・ディレクターであり、現場で裏方をしてくれているすべてのスタッフです。
感謝の気持ちを表すことは“努力”ではありません。自然に出てくることなのです。まずそれが出せるかということなんですね。
新人にとってすべてが満足のいく仕事であるはずがありません。嫌なこともあるだろうし、反省する点もたくさんあると思います。それでも少しでも先に進んで“満足”を求めていけば、自分が予想もつかなかった点を他人から評価されることがあります。それを素直に受け止められるかが次のステージへの大きなステップとなるのです。
結局のところ、人間は一人では生きていけないのですから、支えあって、励ましあいながら生きていったほうがいいに決まってます。そして人の役に立つことのうれしさを知れば知るほど、感謝の気持ちが素直に出せるようになるものです。
最近のイベントで、そういう感謝の気持ちがイベント中、そしてイベント後にスタッフや取材陣の前でも素直に出てた3人を写真で紹介しておきましょう。小口もな美さん、野間れいさん、鈴木茜さんの3人です。彼女たちのやる気と感謝の気持ちに心から応援したくなりました。報われない努力などありえないと感じた瞬間でした。
小口もな美DVD『Sweet Cutie』発売記念イベントより。自分をきれいに見せるために露出を増やしたという意気込みは共感を覚えました。
野間れいDVD『Bitter With The Sweet』発売記念イベントより。最後のあいさつのときにファンへの感謝の気持ちで泣きそうになったれいちゃん。
鈴木茜DVD『Sweet Soul』発売記念イベント(10/2)より。イベント後に取材陣、アソビットスタッフに握手を求められたのが印象的。