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DVD発売記念イベントレポートの舞台裏[2]

written by 岡田隆志

  Last Updated: 2004/10/20
本記事を無断で複製・転載することを禁じます。
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今年(2004年)の1月に発表した、DVD発売記念イベントレポートの舞台裏の続編を書こうと思います。今回はイベントの現場で変化してきたことを中心に述べます。

イベントは確実に増えている

本サイトのイベントインデックスをご覧いただければおわかりのとおり、本サイトでレポートするイベントの数が2004年6月ごろから劇的に増えました。その理由は以下の4つです。

  1. スクランブルエッグon the Webがアイドルを紹介するメディアとして認知され、業界関係者から取材の依頼が増えた
  2. 編集部として紹介すべき気になる新人アイドルが増えてきた
  3. リリース数・イベント数の物理的増加
  4. その他

(1)についてはありがたいことに、メーカー・事務所・制作会社からご丁寧なお礼をいただくことも増えてきました。イチローじゃないですけど、ひとつひとつの積み重ねでしかできないことと考え、これからも地道に続けていきたいと思います。

(2)(3)については、サイトのリピーターや、現場に足をお運びの方ならおわかりかと思いますが、DVDのリリース数がベラボーに多くなったので、新人アイドル・タレントを発掘・紹介するサイトとして対応するために必然的に多くなってしまいました。

(4)については現時点では発表できませんが、本サイトと並行し、新たなアイドルサイトの企画・制作を担当することになり、そのサイトへ情報提供およびコンテンツ制作のネタ作りとして取材本数を増やす必要があったためです。(※追記 【ドリームアイドル】情報提供のお知らせを参照ください)

飽和しても生まれ続けるグラビアアイドル

リリースされるアイドルDVDの本数を正確に把握しているわけではないのですが、1年前と比べたときに、劇的にリリース数が増えています。それには、いくつかの原因があります。

ひとつは、本の世界で起きている現象と同じで、1タイトルの売れる本数が減少したため、タイトル数を増やして売り上げを確保しようという動きがあること。

ふたつめは、制作ノウハウがマニュアル化し、ある程度低予算で制作できることがわかってきたため、新しい制作会社が多数参入してきたこと。

そして、もう1点は、東京都や大阪府などに代表される自治体の条例により、コンビニや書店で透明シールで封印された雑誌が流通されることにより、過激なグラビアアイドルが活躍できる場所が若干狭められたことで、シールで封印されない雑誌に合うタレント(そしてそのDVD)を産み出す必要が出てきたからです。

以上、大きく3点に絞りましたが、会場に足を運ぶマニア・取材する媒体担当者も「誰? この人? どこのメーカー? どこの事務所?」と確認する間もなく、次々と新人のイベントが行われているというのが、ここ2ヵ月ぐらいに起きています。

これらの傾向はこれから少なくとも3ヵ月間は続くと思われます。この現象をどう見るかは立場によって違いますが、本サイトはメディア側として、状況をできるだけありのままにレポートしていくしかないと考えています。

イベントあたりの動員数は確実に減っている

DVDのタイトルが増え、イベントの数が増え、新人グラビアアイドルが増える一方で、秋葉原のイベント会場に足を運ぶお客さんの数の絶対数はさほど増えていません。

したがって相対的に1イベントあたりのお客さんの数は減りつつあります。

東京在住で現場に行ったことのある人ならおわかりでしょうが、いったい1イベントあたり何人ぐらいのお客さんが入ると思いますか?

秋葉原でたくさん入る会場は石丸電気パソコンタワー、石丸電気ソフトワンです。多ければ150人ぐらい入りますが、テレビや青年コミック誌で活躍するタレントでない限り、その半分の75人を超えることが難しくなってきました。50人を超えれば「たくさん来た」と関係者が小躍りするのが現状ではないでしょうか。

とはいえ、日テレジェニック2004では3会場ほぼ満員の600人を動員している現実もありますし、石坂ちなみさん・鉢嶺杏奈さん(本サイトでは未紹介)では商品欠品・予定時間を大幅超過した現実も一方では存在します。

関係者のほとんどは自分に関係する場所やタレントしか知ることができません。本当に現実を知っているのは、現場に取材に来る報道陣と、どんなイベントにも積極的に参加するマニアだけなのです。

では、今後どうなっていけばいいのでしょうか。それをちょっとだけ考えてみましょう。

売れるもの、動員が計れるもの、将来売れるもの

前回のコラムの最後のほうで本サイトのイベントレポートの果たす役割について述べましたが、その役割は以前にも増して重要になってきたと肌で感じるときがあります。

グラビアアイドルをありのままに近い状態で伝えるメディアとして、紙よりもWebのほうがリアルで、ユーザが求めるもののひとつとして欠かせないものだという認識が広がってきたように感じます。

ただし、イベントレポートがすぐさまタレントや商品の売り上げにつながるわけではないので、多大な期待を持たれても応えられませんが、取材を重ねてきた経験に照らし合わせてどんな傾向にあるのかを、現場からお伝えしたいと思います。

■“売れる商品≠動員数が多いタレント”

“売れる商品=人気タレント”という図式はそれほど外れているわけではないですが、動員数が多いタレントの商品が全国的に売れるかどうかは別問題です。たとえばの話、AmazonのアイドルDVD売り上げランキングを毎日見ているだけでいろんなものが見えてきます。

イベントに行ってタレントに直接会いたいファンもいれば、地方で動けない人もいるので、イベントでの動員数は参考程度に考えたほうがいいでしょう。着エロ系DVDの売り上げは確実に上位にランクインしますが、彼女らのイベントが必ずしも動員が多いとは限りません。

注目すべきはお客さんの年齢層であって、当然ですが、若いお客さんが多ければ売れる可能性が高いです。若いお客さんの目に触れるということは、必然的に青年コミック誌などの雑誌に登場している回数が多いことを意味します。こういったケースでは“ノーマルな売れ筋”での売り上げが期待できそうです。

イベント情報などで「撮影禁止」などの場合には、「写真撮影」というエサをまかなくても動員が見込まれる、ある意味、うらやましい状況といえます。また、紙はOKでもWebはNGという場合もあり、事務所によって方針もさまざまです。

■水着での撮影タイムは重要

動員を増やすためには、水着での撮影タイムは必須でしょう。グラビアアイドルなのですから、100人にも満たないお客さんに水着を披露するのも経験のためには悪くはないでしょう。もっともイベントでは水着はやらないという方針の事務所もありますので、それはそれで仕方のないことですが、ファンとしては水着になっていただければそれに越したことはないことは間違いありません。

水着にならなくてもトークやキャラで動員できるのなら、それでもまったく問題ないですが、トーク&キャラ&水着のタレントにはどうしても勝てません(笑)。

さきほどファン心理のことを書きましたが、取材するメディアもファン(読者)を代表・代弁する立場にありますので、水着を披露してくれるほうがインパクトがあることに違いありません。同じ時間に同じクラスのグラビアアイドルがイベントを開催したとき、水着があるとなしでは、水着ありに行くことになるのは避けることができません。私自身も、絵になる水着のイベントを優先してしまいます。

■将来売れるタレント・商品

DVDの内容や現時点でのタレントの評価はそれほどでもないのに、次作品以降に別のメーカーから売れ筋のタイトルが出たことで、後から売れることも現実としてあります。

それはその時点でのグラビアアイドルとしての実力に大きく関係しますのでメーカーに責任はないのですが、本当においしいのは売れ筋に入ったタイミングで売るのがいいに決まっています。

とはいえ、何作品も契約してキープしておくのは現実的に難しいので、スカウトサイドの発掘力に加え、タレントが持つ瞬発力が求められます。結局、そこにはまってこないとビジネスとして成立しないように思います。

スクランブルエッグ的に言いますと、ここがいちばん興味深いところなのですが、いい作品、いいタレント、いいスタッフが揃っていれば、メディアとしてできる限り協力したいというのが偽らざる気持ちです。

こんなタレント・作品・イベントが受ける!

プロダクションサイドとしては結局のところ、DVDの売り上げが目標ではありません。DVD発売実績を積み、雑誌のグラビアやバラエティ番組、CMタレント、女優としての出演の道筋の第一歩としてDVDのリリースがあるのです。

ですから、DVDのリリースやイベントはそのステップとして「意味のあるもの」でなければいけないと私は考えます。

意味のあるものとは、以下の要素があればあるほどいいでしょう。

(1)購買層が望んでいるだろうコンテンツ(DVDの中身)
(2)マスコミ受けする話題作り(水着も含む)
(3)タレント性の高いアイドル(トーク、カリスマ性、etc.)

簡単にまとめるとこうなりますが、いちばん難しいのは(3)なのです。事務所やメーカーが努力してできることには限りがありますので、アイドル本人の実力がここで問われます。“実力”とは、将来、グラビア・バラエティ番組・CM・女優として通用する将来性のことを指し、ひとことでくくれば「タレント性」となります。

一流グラビアアイドルへの道は本当に険しいものだとつくづく思います。アイドル発掘・応援サイトとしては、本サイトで紹介した新人が一人でも多く芸能界で活躍してくれることを期待してやみません。

「編集長がおすすめするアイドルは?」とときどき聞かれますが、聞かれる状況によってその都度違うアイドルを答えることが多いです。ただ、テレビや雑誌以外に、もうひとつはっきりしている指標として、カレンダーを挙げておきましょう。

本サイトで発掘・紹介したRecommended Eggsで2005年版カレンダーを発売しているのは、石井めぐる大久保麻梨子桐村萌絵山本早織(50音順、敬称略)の4人です。この4人はもっと売れていく可能性が高いですし、これからも応援していきたいと考えています。

【PS】11月からスクランブルエッグと並行しながら新しいアイドルサイトの制作を担当することになりました。詳細は後日報告いたしますが、そちらのサイトでちょっと飛ばしたアイドルコラムを連載する予定ですのでどうぞお楽しみに。 【ドリームアイドル】情報提供のお知らせ

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