幻の休業宣言
こんなことを考えているのは私だけかもしれないが、モーニング娘。が提供する一番の話題は、新曲や新ユニットではなく、メンバーの増減だと思っている。
97年9月に5人で結成して以来、メンバーの増減が8回行われてきた。4年間で8回、つまり半年に1回のペースだ。01年8月に8回目があったので、そろそろ9回目を期待したのは私だけみたいだ。
高橋愛には、昨年末の紅白、つまり12月31日をもって「高校受験のため、しばらく休業」という選択肢があったハズだ。中野サンプラザのステージに立つよりも「高橋愛休業!」の方がモー娘。的であり話題になったと思うのだが、残念。
学業の地位
モー娘。13名の内、中高生世代(13歳から18歳まで)が9名、高橋愛の下には5名の中学生がいる。そのわりに学校ネタが出てこない不思議なグループである。
例えば、5期生の紹介で、4人とも出身地がまったく違うのだから、お国自慢、あるいは中学校自慢といった企画があってもいいはずなのに、それさえも避けてしまった。結成当初から一貫しているといえなくもないが、「学校は禁句」というコンセプトをあいかわらず守りつづけている。
この考え方は90年代特有のもので、とくに安室奈美恵の登場以降急速に浸透して、いい悪いは別にして、ステージから、テレビ番組から「学校の匂い」を消し去った。
しかし、21世紀に入って、大学在学中の女優やタレントの活躍が目立ちはじめ、芸能活動をしている中高生にとっては、選択の幅が拡がったように思える。
高橋愛の存在
2月は受験のシーズン。関東の公立高校の入試は2月20日前後から始まる。
高橋愛が進学するのか、芸能活動一本でやってゆくのかは、個人の問題ではあるが、「モー娘。はキャバクラ」(松山千春)と言われないためには、「学校の匂い」を取り戻すのが一番の近道だ。
高橋愛がBSジュニアで合格したとき、高橋の母親は「これを機会にぜひ勉強してほしいです」と真顔で発言していたが、昔から「親の心、子知らず」で、高橋の本心は今イチ不透明。
モー娘。6名の中学生の中で高橋が一番ノーマルなのは確かだし、上と下との接点役としては高橋以外は考えにくい。だから高橋愛の動向は、5名の後輩のためばかりでなく、モー娘。全体の今後をも左右するという意味でも注目に値すると思うのだが、買いかぶりだろうか。