パソコンテレビ「GyaO」の番組「ハロプロアワー」に、毎回1人、キッズ系(℃-ute、Berryz工房)のメンバーが出演しています。℃-uteについては、以前にコラム「ハロプロアワー・トークと歌を独断的評価(℃-ute編)」で、私・スクエアダンスが「トーク」と「歌」に分けて、独断的に評価しました。(各項目10点満点です)
今回は、「Berryz工房編」をお届けします。Berryz工房は℃-ute以上に、ボーカルメンバーと、コーラス&ダンスメンバーの色分けが強いと言われています。主力(嗣永桃子、夏焼雅、菅谷梨沙子)の歌のレベルを再認識する良い機会ですし、その他の4人にとっても歌の実力アップの度合いが量れます。また、Berryz工房はラジオのレギュラー番組をもっていますから、全員「トークなんてへっちゃら」のはずですが、果たしてどうでしょう?
前回の「℃-ute編」と同様に、「あくまでも私が独断的」に決めましたので、結果に不満を持たれる方も多いことでしょう。しかし、視聴者が個々の芸能人に対して抱くイメージは千差万別であるということを考慮していただき、ぜひ寛大になってくださるようお願いします。
第9回 夏焼 雅
(9-1)夏焼雅のトーク=6点 ★★★★★★
特技:バトン
司会の松浦亜弥さんとの距離を縮めたい願望と、番組の視聴者が感じていそうな「夏焼雅=優等生」なイメージから脱却を図りたい願望を、両方叶えようという意味で、「好物=鮭とば」という色物トークを展開するわけですが、松浦さんは関西人なので、こんな話題の食いつきが良くて、結果、夏焼的には大成功な会話が叶ったといえるでしょう。
(9-2)夏焼雅の歌=7点 ★★★★★★★
曲目:「ずっと 好きでいいですか」(松浦亜弥)
スローな路線に転換して以降の松浦さんナンバーでは、私的には最もお気に入りな曲です。オリジナルを普通に聴いている人にとっては、夏焼雅の歌には、色気がない、恋愛感情不足だ、など不満を感じるかもしれません。でも中学2年生で、この曲をリズム・音程共に安定感を出せて歌える子は、そんなにいません。ミディアム系は得意分野ですね。
第12回 菅谷梨沙子
(12-1)菅谷梨沙子のトーク=5点 ★★★★★
特技:絵を描くこと
菅谷梨沙子のトークと言えば、映画「ほたるの星」で東京国際映画祭(オーチャードホール)に出演中、ほとんどまともな会話ができなかったことを思い出します。あの頃に比べれば、今はトークに明らかな進歩が見られますが、とは言っても、司会の後藤真希さんが全体の7割、菅谷は3割程度の会話量ですから、まあ何ともね、って感じです。
(12-2)菅谷梨沙子の歌=7点 ★★★★★★★
曲目:「初めて唇を重ねた夜」(松浦亜弥)
夏焼に続いて、菅谷もこの路線できましたか。2人ともBerryz工房ではボーカルでバリバリやっているわけですから、日頃と曲調の違う系統を「ハロプロアワー」で挑戦するのは、理にかなっています。小学生アイドルには敷居が高い曲ですが、「あなたなしでは生きていけない」のときと同じく、菅谷の歌のセンスの良さをまた感じました。
第14回 清水佐紀
(14-1)清水佐紀のトーク=6点 ★★★★★★
特技:ピアノ
清水佐紀は、Berryz工房のラジオやDVDなどで司会をやっているときに、話しが滑らかで、たびたび感心させられます。ところが今回ZYX仲間の矢口真里さんの司会に対して、意外に「はい」「はい」と単純な受け答えが多く、「話し上手の佐紀ちゃん」が伝わらなかったのが残念でした。先輩との会話でも普段のトークの実力を示してほしいです。
(14-2)清水佐紀の歌=6点 ★★★★★★
曲目:「いいことある記念の瞬間」(モーニング娘。)
オーディション当日「手を握って歩きたい」~ZYX~Berryz工房で、一貫して感じる清水佐紀の歌の印象=歌を歌うのは大好きだということは伝わるけれど、歌そのもののメッセージがあまり伝わってこない、点は今回も同じでした。得意なダンスがないと、余計に平凡に映ってしまいます。歌唱力はそれなりにあるのですから、表現力次第なんです。
第15回 熊井友理奈
(15-1)熊井友理奈のトーク=5点 ★★★★★
アピール:ランドセル姿
トークが苦手ってわけではないのでしょうが、キッズ系の子が一番司会として接しやすいはずの道重さゆみさんの進行であっても、会話が打ち解けていない印象を持ちました。トークの時間が短かったのも、主催者が気を使ったんでしょうか。初めて熊井を見る視聴者が、この短時間のトークで、素(す)のイメージを想像するのは難しいでしょう。
(15-2)熊井友理奈の歌=6点 ★★★★★★
曲目:「愛のバカやろう」(後藤真希)
この歌唱が、これから芸能界入りを目指す歌謡教室の生徒ならば、私は「音程はかなり不安定だけど、歌の奥深いところで、爆発力を感じる」とコメントするでしょう。現状の熊井の歌は、歌ってみないと次の音程がとれるかわからない、リズム感ももうひとつなので、この採点は甘いと言われそうですが、2年後に歌で開花する予感がします。
第16回 嗣永桃子
(16-1)嗣永桃子のトーク=7点 ★★★★★★★
くせ:物を持つと小指が立つ
嗣永がBerryz工房内でトークをする際には、キャプテン(清水)や徳さん(徳永)にかなり任せている印象が強いです。今回も司会の稲葉貴子さんとはいつもの「まったりトーク」でスタートしたのですが、「ぶりっこを否定」「みどり茶」「小指が立つ」など自己主張たっぷりな桃子ワールドに引き寄せていくあたり、この子のプロ意識は凄いです。
(16-2)嗣永桃子の歌=8点 ★★★★★★★★
曲目:「渡良瀬橋」(森高千里)
声質がアニメ系なので、どうしても嗣永桃子の歌は評価にケチがつき易いのですが、ZYX在籍時や、Berryz工房の初期の頃と比べると、桃ちゃんはものすごく歌がうまくなっています。あれだけ距離があった夏焼雅との歌の実力差が追いついたと、私は言っちゃいましょう。特に表現力は一級品で、この曲の地元の風景が浮かんできますから。
第17回 須藤茉麻
(17-1)須藤茉麻のトーク=5点 ★★★★★
特技:難しい漢字を書く
司会の柴田あゆみさんに、須藤はいつも冷静で「クールマアサ」だとツッコミをされていましたが、まさしくその通りです。おおらかなお母さん気質は、裏を返せば、自己アピール不足が慢性的になりがちな印象を持たれてしまいます。これでも以前に比べれば、笑顔が増えたとは思います。ただ会話がまとも過ぎて、面白味に欠けるんですよ。
(17-2)須藤茉麻の歌=5点 ★★★★★
曲目:「LOVE涙色」(松浦亜弥)
この「LOVE涙色」は完璧に歌うと気持ちが良いので、中学生に人気が高いのですが、かなりの歌唱力がないとボロボロになってしまう危険性を秘めた曲なのです。案の定、須藤が得意とする音域と比較して、サビを含めた聴かせどころが全体に高音なので、ファルセットを使いすぎて無理をした歌唱となってしまいました。
第18回 徳永千奈美
(18-1)徳永千奈美のトーク=8点 ★★★★★★★★
特技:目玉リレー
自他共に認める『Berryz工房のギャグメーカー』徳永千奈美からすれば、難関の「ハロプロアワー」のトークなんて「すいすいすい」なぐらい、へっちゃらだったということです。司会慣れしている石川梨華さんとのやりとりがほぼ互角で進んでいる事実は、キッズ系最強のトークレベルを物語っています。次期ハロモニ司会の有力候補でしょう。
(18-2)徳永千奈美の歌=5点 ★★★★★
曲目:「恋のテレフォンGOAL」(安倍なつみ)
まだまだレッスンを始めたばかりの中学生タレントが歌うレベルで、Berryz工房のボーカル主力陣との開きは大きいです。嗣永に負けないアニメ声ですが、こちらは声の線が細く、歌心を調節する余裕なんてありません。得意の笑顔を持ってしても、カバーしきれない現状ということでしょう。選曲は、徳永の明るさが表現できてマルでした。
「ハロプロアワー」は、第20回の「キッズ総集編」をもって番組が終了しました。最終回がキッズ系(℃-ute、Berryz工房)オンリーな内容ということ自体、「ハロプロアワー」はキッズ系にやさしくて、私にとっても忘れることができない番組となりました。番組のDVDも発売されていますので(全9巻、vol.1~6は発売中)、よろしければ購入なさってください。Amazonでハロプロアワーをサーチ