ハロプロエッグが主役の新人公演も、第5回となりました。『2008 ハロー!プロジェクト新人公演6月~赤坂HOP!~』(2008年6月22日赤坂BLITZ)の2公演を観てきました。
(セットリストはhttp://www.helloproject.com/akasaka/set/index.html)
約1年前に第1回新人公演のコラム「さるの刻~とりの刻で「ハロプロ黄金世代」の凄さを実感」の中で、「今年後半からエッグを中心としたユニットがどんどん始動する気がしています」と書きましたが、エッグを中心としたユニットまでは及ばないにしろ、いろいろな新しい動きが出てきています。
(1)真野恵里菜が、今後予定されているソロ歌手デビューの準備に入るため、2008年3月29日をもって、『ハロプロエッグ』の研修を修了することになりました。6月29日には、シングルCD「マノピアノ」でインディーズながら歌手デビューしました。
(2)テレビ東京系の大人気アニメ「きらりん☆レボリューション」に、ハロプロエッグの北原沙弥香・吉川友が声優として出演し、月島きらり(久住小春)、雪野のえる(北原沙弥香)、花咲こべに(吉川友)の3人で新ユニット『MilkyWay』を結成。2008年4月30日発売のデビュー曲「アナタボシ」はオリコン3位となりました。
(3)モーニング娘。の高橋愛・田中れいな、Berryz工房の清水佐紀、℃-uteの矢島舞美、ハロプロエッグの前田憂佳の5人で新ユニット『High-King』を結成。2008年6月11日発売のデビュー曲「C\C(シンデレラ\コンプレックス)」はオリコン6位となりました。
ただし、これらの動きはまだまだ序の口だと思えるぐらい、今回の「赤坂HOP」公演の内容は充実していました。全体の底上げが著しく、「ハロプロエッグは原石の山」であることを実感できました。
現時点のハロプロエッグ内序列をつけてみた
そうは言うものの、「原石」は「磨かないと宝石にならない」ですし、一方では「磨いてもタダの石」の場合の方が多いですから、この世界の見極めは本当に難しいわけです。
だから勘が頼りだ、とは申しません。コラム「℃-ute代表・有原栞菜、さるの刻~とりの刻に巻き返しを誓います。」で℃-uteのメンバーに行った同じ感覚で、私・スクエアダンスの頭の中にある、ハロプロエッグのメンバーの現時点での序列を「席次」で表したいと思います。
あくまでも私の独断的な「席次」ですので、結果に不満を持たれる方も多いことでしょう。しかし、ファンが個々の芸能人に対して抱くイメージは千差万別であるということを考慮していただき、ぜひ寛大になってくださるようお願いします。
【席次1】前田憂佳
以前から、前田憂佳は人気No.1ではありましたが、福田花音との人気の差はそんなには、なかったと思います。2008年3月29日の第4回新人公演(横浜)で「私のすごい方法」をソロでとても丁寧に歌っていたのが、すごく印象強かったのですが、ここら辺りから人気に加速度がついてきた感じがします。
大人の麦茶・第十四杯め公演『美女木ジャンクション』の矢吹ヒロ役での「クラマ、あたし、なんか恥ずかしい~」の台詞は、めちゃくちゃ可愛かったです。
『High-King』では、格好いいお姉さん達に囲まれる中、ひとり妹キャラを発散させて、存在感を出せていました。今回も、藤本美貴がオリジナルの「会えない長い日曜日」ソロを、そんなに危なげなくこなしたのは立派です。
【席次2】小川紗季
新人公演を初めて生で見る人は、誰もが一度は驚くことがあります。
「あの小っちゃい子は、なんでこんなに扱いがいいの……」
ハロプロエッグ20人全員曲でも、小川紗季センターボーカルは日常茶飯事=「新人公演の常識」ですから、私を含めて既に2000人以上が洗脳されちゃったことになるのかな(笑)。
サキチィーにとっては、比較されるライバルが、目に見えない相手=「小学生当時の鈴木愛理」ですから、他の19人には想像がつかない悩みを抱えているんだろうと同情します。今回、鈴木愛理がオリジナル曲の「FIRST KISS」ソロは厳しかったですが、5曲目の「すき焼き」では小川紗季の歌唱力の成長に満足できました。
【席次3】福田花音
前述の『美女木ジャンクション』の鞍馬乃里子役では、前田憂佳よりも、演劇では一日の長を感じさせてくれました。今回の新人公演の直前に、髪をショートカットに変えてきたのは、歌では少し低迷気味な現状を打破したい、という心の顕れと考えます。
「ショートのかにょん」も可愛かったので、このチャレンジはマルと致しましょう。ただし、肝心の歌は、13曲目の「安心感」での関根梓とのデュエットで、格の違いを見せつけられなかったのが不満です。
【席次4】仙石みなみ
『音楽ガッタス』に選ばれて以降、めざましい成長を遂げているのが、仙石みなみです。私がはっきり感じたのは、2007年11月23日(品川)の第3回新人公演からですが、以前とは別人と言っていいほど、何もかもが良い方向に変わっていました。
まずは、ステージングですが、特に7~8人のユニットで、先導して歌うスタイルが、野球の1番バッターみたいな統率力があって、ユニットの魅力をアップさせられる不思議ちゃんです。また、体が柔らかいので、女性らしいしなやかな動きが出来ますね。
【席次5】吉川友
モーニング娘。の8期オーディションで最終選考まで残ったため、エッグに入ったときには既に人気物、という有利さが大きいです。見た目の第一印象は「少し遊び人っぽくて、鼻につく」タイプにも思えましたが、実際の発言や行動からみると、かなりのまじめさんだということがわかり、好印象を持たれて人気が拡大しているようです。『MilkyWay』でメジャーデビュー後も、謙虚さは相変わらずなのが良いです。
【席次6】北原沙弥香
第1回の新人公演のコラムの中で「エッグの主力メンバーとして、大注目したい」と書いた子が、きっちりと『MilkyWay』を決めてくれたことが、本当にうれしいです。今後の課題は、ずばりトークでしょう。アニメ「きらりん☆レボリューション」の雪野のえるちゃんは、トークがうまいですからね。声優をやっているアニメのキャラクターから、逆に教わることが見つかる気がしますよ。
【席次7】森咲樹
実力がありながら、なかなか表舞台になれないモリサキに対して、通常のファンなら、限界に耐えられず応援をやめてしまう時期にそろそろさしかかっている、というのは言い過ぎでしょうか。本人を見ていても、試行錯誤を繰り返しながら迷っているなと感じます。性格は可愛いのに、体格は大柄で、ダンスの動きが激しい、そんなゴチャゴチャ感が、新しいファンには「複雑過ぎる」と映るんでしょう。
【席次8】能登有沙
童顔で実際の年齢よりも4~5歳は若く見える「のっち」が、いつのまにかハロプロエッグの最年長になって、持ち前の面倒見の良さから、とても親しみのあるリーダー役をやっています。ハロプロエッグの中では歌唱力が高い方なので、4人組ぐらいの新ユニットができれば、結構人気の高いリーダーとして、成功する可能性がある、とみています。
【席次9】和田彩花
なんと言っても、DAWAのトークは面白いです。和田が飼っている犬の種類が「捨て犬」なのは、すっかり有名になりましたが、今回のトークでは、その続き話を披露していました。その犬の毛が最近ボサボサしているので、シャベルで取ってあげています、とか……。和田彩花は、足がすごく長いので、そこを生かせれば、大化けできるでしょう。
【席次10】古川小夏
前述の森咲樹と同様、古川小夏も長期低迷ムードが漂います。ダンス能力はハロプロエッグの中でダントツですが、バックダンサーをすることが多いエッグのメンバーは、みんなが総じてダンスを得意としているので、結果古川小夏があまり目立たない、というパターンに陥っています。何でも器用に任せられるので、ユニット向きだとは思います。
【席次11】前田彩里
第4回新人公演では不出場だったため、一時はハラハラしましたが、今回復帰して、ひと安心です。笑顔が抜群なのが魅力です。ダンスはところどころ遅れたりする部分があって、これからの課題でしょう。
【席次12】岡井明日菜
昨年に比べて、舞台の中央付近に来る機会が増えており、上がり目に転じた、といって間違いありません。課題のダンスについては、まだまだ「変な方向の振り付け」をする箇所が多いです。
【席次13】佐保明梨
スポーツ少女なんですが、その度合いが中途半端なためか、あまり人気が伸びません。中学1年生の水準から考えると、実践能力は高いのですから、キャラクターを伸ばす努力を惜しまないことです。
【席次14】古峰桃香
運動が不得意な印象が強く「少しどんくさいな」って感じる部分が、親しみになって人気を上げてきています。実はダンスはうまい方だと、個人的には思っていますが。
【席次15】関根梓
今回はなんと、13曲目の「安心感」で、福田花音とのデュエットを歌う、大チャンスが訪れました。歌はこれからですね。長身で高校生に見えますが、まだ小学6年生なのが信じられません。
【席次16】西念未彩
横に移動するときに、リズムに振り付けが遅れている場面が何度かありました。とはいうものの、結構人気は高くなってきているので、きっかけ次第なんでしょうか。
【席次17】新井愛瞳
ちっちゃい子が大好き専門のヲタには、かなり「まぁな」はハマるようで、前述の前田彩里(いろりん)も、うかうかしていられません。歌唱力は未知数ですが、ダンスはそつなくこなせます。
【席次18】澤田由梨
一時期はドラマ系で活躍していましたが、最近ははっきり低迷しています。真野恵里菜や仙石みなみとは同学年(誕生日では年少)ですから、あきらめる年齢ではありません。とにかく舞台上で「目立つ」こと。
【席次19】青木英里奈
演劇経験に比べて、歌の方では多人数の中で印象が薄いのは、相変わらずでした。年齢的にもぎりぎりの線上なので、こちらもなりふりかまわず「目立つ」しか道がありません。
【席次20】田中杏里
トークの声はとても魅力的です。問題は、一曲一曲の実践力で、なんかダラダラ動いている印象が強いです。ビデオをみて、まず自分を研究することが必要で、練習はそのあとでいいです。
個人的には、私自身が応援しているメンバーが、席次が下位になっていることも多くて、とても悔しい部分もありますが、叱咤激励することで、ハロプロエッグ全体の飛躍になることを願って書きました。
なお、次回(第6回)の『2008 ハロー!プロジェクト新人公演9月~芝公園STEP!~』は、2008年9月23日に東京・メルパルクホールで予定されています。
ハロプロエッグに新メンバーの竹内朱莉(小5)、金子りえ(小5)、譜久村聖(フクムラ ミズキ・小6)の3人が加わったのでこれからも注目していきましょう。