前々回のコラム「Berryz工房のガーディアンズ4」で一言だけ触れた、「アノ件」をメインに、7月10日前後の話題について触れようと思います。
ということは、AKB48と℃-uteとBerryz工房が、ゴチャゴチャと出てきますし、過去と現在が混在する内容ですので、注意しながらお読みください。
テレビ東京の夕ニャン
2009年7月10日から、テレビ東京で「AKBのAKBによるAKBのための番組」、「週刊AKB」がスタートしました。(制作発表記者会見)
ご存知のように、7月10日は、前田敦子の18回目の誕生日、だからなのかは知りませんが、記念すべき1回目の日直は、高橋みなみと前田敦子でした。
番組は、どこから見ても、一世を風靡したフジテレビの「夕やけニャンニャン」の焼き直しですが、ハロプロファンが観ても面白い番組でした。
これとリンクするかのように、7月8日の夜、「AKB48選抜総選挙」の結果が発表されました。(イベントレポート)
上位は、前田敦子、大島優子、篠田麻里子、渡辺麻友、高橋みなみ、小嶋陽菜……でした。
私は、2年前のコラム「2007年3月~5月のコンサート批評 ~梅田えりかから吉川友まで~」で、「AKB48は、高橋みなみ、前田敦子、小野恵令奈、柏木由紀だけで十分」と書きましたが、選抜総選挙では4人とも上位に入りました。
この2年間で、AKB48のファンは何倍にも増えましたが、比率はあまり変わっていない、ということのようです。
AKBの顔となった前田敦子の魅力ってなんでしょう。あるいは、下位になったメンバーにどういうアドバイスをすればいいのでしょう。結果を見ながらそんなこと考えていました。
前田敦子の魅力って……特にありません。そうでしょう、歌がメチャクチャ上手いわけでもないし、ルックスだって美少女系ではないし、ダンスはサボるし、トークはグダグダになったりしますし、心臓も蚤に近いし……それでも、紛れもないアイドルなのです。
下位メンバーには残酷ですが、努力とか頑張りとかいう言葉が、一番似合わない前田敦子が、AKBの顔になりました。
個人的には、これで好かったと思います。前田敦子の存在が、アイドルとはどういうものか、その本質を考えさせるいいきっかけになったと思うからです。
ついでに言うと、前田敦子の隣には、高橋みなみが似合います。学年が同じというだけではなく、高橋みなみあっての前田敦子だと思っています。
それは、Berryz工房の嗣永桃子と清水佐紀、℃-uteの矢島舞美と梅田えりかの関係に似ていて、ユニット内の微妙な空気のクッション役を、高橋みなみ、清水佐紀、梅田えりかが務めているように思えるからです。
それにしても、この6人が同世代というのも笑える話なのですが……。
言葉は大切
翌日、つまり7月11日、有原栞菜の℃-uteからの脱退が、ハロー!プロジェクトから発表になりました。
どうして、「卒業」ではなく「脱退」という言葉をあえて使用したのか理解できないのですが、「脱退」という言葉は、2006年11月1日の村上愛以来ではないかと思われます。
弟の事件の責任を感じた後藤真希(2007年10月29日)にしても、ハロプロエッグの武藤水華(2008年4月28日)、他の事務所に移籍したアヤカ(2008年4月30日)も「卒業」、さかのぼって、石村舞波(2005年9月11日)も「卒業」を使っています(日付は、コメントが発表になった日)。
高校生の卒業は、武藤水華(むとうみか))卒業に関するコメントが、雛型と思われます。
つまり、「本人からの申し出があり、事務所として、その申し入れを承諾した」、という内容で、事実はどうあれ、これならば円満に話が進んだ印象を与えます。
ところが、有原栞菜の脱退に関しては、そうした内容になっていません。
表向き、外反母趾の治療のためしばらく休みます、という話が出たのが2月26日で、それ以降、途中経過の発表は一度もなく、いきなり7月11日に脱退のコメントが出ました。
普通ならば、外反母趾の治療結果が思わしくなく活動を続けられないので、といった理由を付けるものですが、そうした理由付けもなく、コメントからは外反母趾ではない別の理由でもめて、最終的に有原栞菜が決心した、という風に読める内容になっています。
個人的には、「決心」ではなく、「選択」ではないかと思っています。
それにしても、どうして7月11日の発表だったのか不思議に思いませんか。AKB48が盛り上がっているさなかの発表です。しかも、流れから言って、7月になって突然出てきた話とも思えません。
有原栞菜は、6月の劇団ゲキハロ公演にも出演しなかったわけですし、その前のソロイベントも欠席、さらに言えば、春のコンサートで払い戻しまでさせているのですから、辞めるのは時間の問題で、あとはタイミングだけだった気がします。
だからといって、夕ニャンで、前田敦子で、盛り上がっているタイミングで、有原栞菜の脱退発表はどうだったのでしょう。どさくさ紛れなのか、あえて℃-uteに関心を向けさせるためだったのかわかりませんが、ベリキューファンの評判は良くありません。
石村舞波も無関係?
降ってわいたような話ですが、この話の前後に、石村舞波が品川エトワール女子高等学校のパンフレットに載っているという話が出てきています。
品川エトワール女子高等学校といってもピンと来ないかもしれませんが、かつての品川高校といえば、アイドルファンならば思い当たると思います。
桜田淳子が通っていた高校で、系列の品川中学には、山口百恵も通っていました。
今では、高偏差値の学校として知られていますが、かつては芸能学校として有名でした。
上で触れていますように、石村舞波はBerryz工房を2005年10月2日の東京厚生年金会館のコンサート(タイトルは、「スイッチON!」)を最後に卒業しています。
あまりにもキレイな辞め方だったので、石村舞波の評価はまったく下がっていません。そこから、Berryz工房ではなくて、℃-uteなら問題ないだろう、といった舞波待望論が生まれています。裏を返せば、それだけ人材が不足ということをハロプロファンも認識しているということです。
栞菜がいない6人の℃-uteのステージは、どこか哀愁が漂っています。Berryz工房みたいに大柄なメンバーが揃っているわけでもないので、ステージに余分な空間が出来て、淋しさ、物足りなさを感じさせます。
メンバーを補充すべきだ、と主張するファンは多いようです。個人的には、補充するなら「猫目倶楽部2」に出演した2人、吉川友と森咲樹だろうと思っています。ルックスも歌もダンスも問題ないし、滑舌もいいし、性格もいいし、2人まとめてどうだぁ、と思っています。そうなると、℃-uteが今までとはまったく違うユニットになる可能性がありますが。
Berryz工房ファンは、亡霊のような石村舞波という文字列を見るたびに、「スイッチON!」のDVDを取り出して観てしまうのです。
ここまで書いていたら、梅田えりか「卒業」のニュースが飛び込んできました。正規の卒業ですね。細かくなるので触れませんでしたが、ハロプロの卒業は、基本的に月末か月初め発表です。
ですから、石村舞波の「卒業」には、多少の疑念が残るということでもありますし、村上愛の脱退は、たまたま月初めになっただけと思われます。
前回のコラム「中野サンプラザの3日間」で書いた、「波乱の秋」は、本当に私の想像を超えて進行しているようです。