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スクランブルエッグのコラム集を買って自慢しよう

written by 岡田隆志

  Last Updated: 2003/09/06
Released: 2003/06/27
本記事を無断で複製・転載することを禁じます。
copyright(c)2001-2022 Scramble-Egg Inc.

スクランブルエッグ初の単行本「スクランブルエッグのコラムを持って街に出よう」が印刷工程に入りました。そこで今回はこの本の舞台裏をご紹介しましょう。

はたしてWebコラムは売れるのか

本サイトでOnline Columnの連載を始めたのは2001年11月のことでした。毎週1回、1年で50回、1話4ページと考えれば1冊の本ができると淡い期待で始めたのですが、あれよあれよという間に1年が経ったころにはサイトの人気カテゴリーとなっていました。

コラムを読んでくれた延べ人数を考えると、Webメディアだけに閉じ込めておくのはちょっともったいないと思って、単行本を作ってみたいという気持ちがどんどん強くなっていきました。

「Webで話題のコラム」というだけで売れるものなのか、『Webでタダで読めるコラム』に金を払う価値があるのか、という疑問は常につきまといましたので、未発表コラムと巻頭カラーグラビアを盛り込んで1冊の本にしようということになったのです。

サイトのリピーターにとって気になる未発表書き下ろしコラムのなかでのおすすめは、特別寄稿という形で参加いただいたAyaya-style.(松浦亜弥ファンサイト)の管理人・悪竜さんの「松浦亜弥はモーニング娘。を超えることができたか」でしょう。

超えたか超えないか、ということよりも、松浦亜弥がどのようにして自分の世界を確立していったかの過程が、現場の視点で語られていて、その場に居合わせてなくても臨場感が伝わるところがすばらしいので、ぜひとも読んでいただきたい一編です。

あとは、「2002年新人グラビアDVDリスト」は資料として使えます。147人をリストアップしてありますので、イベントマニアの方やコレクターはぜひともチェックしてください。

巻頭カラーグラビアのプロデュース

本サイトで絶大な支持を得ている桐村萌絵ちゃんにカラーグラビアとして登場してもらい、さらなるブレイクの後押しができればいいと考えていましたが、はたしてそんなことが可能なものでしょうか。

今回は取材という形ではなく、相応のギャラを支払ってモデルとして登場していただくことになり、どうなるのか不安ではありましたが、なんとか諸々の問題をクリアし、撮影にこぎつけたのです。

予算がそれほどあるわけではないので、撮影にあたって本誌編集部から衣装、小道具、撮影コンセプト(文章による撮影コンテ)を用意して、沖縄での撮影に臨みました。

結果は本を手にとって確認いただくしかないのですが、それまでの萌絵ちゃんが見せたことのないカットを収めることができました。単なる笑顔満載のアイドル写真集という形ではなく、“スクランブルエッグのコラムを持って”というコンセプトにもとづき、いろいろなシーンを演出させてもらいました。

たった8ページですが、そのなかに衣装が6点、萌絵ちゃん直筆のポエムが2編、水着も2パターンと実に盛りだくさんな内容です。カットのなかに「本」も3冊登場します。1冊は萌絵ちゃんが自ら持ってきてくれた愛読書です。ぜひともお手にとってごらんになってください。

萌絵ちゃんが所属する事務所のサイト(株)スタジアムにメイキング画像が載っていますのでそちらもチェックしてください。(※掲載期間は終了しました)

制作はInDesignで

Online Column -「スクランブルエッグ」の作り方で本誌制作組版ソフトの変遷を述べましたが、今回は試験的な意味もあり、MacOS X、モリサワOpenTypeFont、Adobe InDesign2.0で組版する環境に恵まれたため、すべてその方式でいくことにしました。

Webで発表したコラムをダウンロードし、htmlタグを取り除いたうえでInDesignタグを付加して読み込み初校。PDFにしてEmailで著者校正をしてもらい、出力はInDesignからアウトライン化したEPSを書き出して印刷会社に入稿。印刷会社は入稿したデータを面付けしてCTP(製版フイルムを介さずデータから直接刷版を作る方法。Computer To Plateの略)で印刷します。

WindowsDTPではある意味当たり前のフォントデバイスインデペンデント(出力環境のフォントに依存しない制作ワークフロー)が今回は実現できたので、関係者の方にはその一例として興味を持っていただけるかもしれません。

販売における大きな壁

今回のコラム本は当初は紙媒体の愛読者に買ってもらえば採算ラインにたどりつくと考えていたのですが、編集長権限により、カラーグラビアがかなり本格的になってしまったため(苦笑)、多少なりとも規模を大きくしないと採算が取れなくなってしまいました。

そんなわけで当初は無理して取次(書籍・雑誌などの出版物を出版社から仕入れ、小売書店に卸売りする販売会社)で扱ってもらうことは考えてなかったのですが、必要に迫って扱ってもらおうと動きだしたところ、まったく相手にされない(苦笑)ことがわかり、実はちょっと焦っております。

「だれが『本』を殺すのか」(佐野眞一著、2001年、プレジデント社)という、本に関わっているいろいろな立場の人を取材していきながら出版業界の現状をえぐりだす名著があったのですが、まさに私たちがその主人公になっているような気分になって多少ヘコんだりもします(笑)。

ただ、それは本の世界。音楽の世界はインディーズ真っ盛り。音楽の世界には表現したいと考えたら実行しないわけにはいかない精神があります。昔、その世界に身を置いたものとしてこんなことでヘコんでいるわけにはいかんでしょう。

あまり気負ってばかりいても仕方ないので、お願いもします。このコラムを読んで楽しんでくれる書店や雑貨店、アイドルマニア、中・高校生らが集まるお店の経営者あるいは仕入れ担当者の方々に声をかけていただいて取扱店になっていただくのが本当はいちばんいいのです。自分が気に入った本が売れるってのは相当に楽しいことなので、それを共有したいです。

【追記(2003/09/06)】
2003年9月よりアマゾン(Amazon.co.jp) で購入できるようになりました。Amazon様、大阪屋様に深く感謝いたします。
Amazonの購入ページへ

中森明夫氏、北川昌弘氏のメッセージに感動

今回のコラム集を出版するにあたって、いったい中身はあるのかというのを確かめたいというのもあり、日頃お世話になっている中森明夫さん(コラムニスト)と北川昌弘さん(「NIPPONアイドル探偵団」)に校正刷りを読んでいただくことにしました。

「もしおもしろかったら帯に推薦メッセージを書いてくださるとうれしいんですけど……」

と控えめにお願いしたところ、お二人とも読み終わったのちに「おもしろかった」「勉強になった」と感想を述べていただき、本当に帯にメッセージを載せられることができました。アイドルものの本でこれほどのラインアップはもうありえません。「スクランブルエッグ」という小さなメディアを続けていてよかったと思える瞬間でした。帯に書かれた文字をここで紹介させてください。

「これは事件だ」
日本で一番キビしく楽しい芸能業界誌『スクランブルエッグ』のウェブ・コラムが一冊の本になった! これは事件だ。アイドルのファンも、タマゴも、ギョーカイ関係者も……全員必読の超充実本!!(コラムニスト 中森明夫さん)

「これは脅威である」
プレアイドルにむっちゃ詳しいミニコミ誌、モー娘。ハロプロなどへ大胆なアプローチができ、Web時代にも的確に対応している『スクランブルエッグ』の実態がついに一冊の本にまとまってしまった。桐村萌絵ちゃんはめっちゃ可愛いし……これは脅威である。(『NIPPONアイドル探偵団』北川昌弘さん)


さて、この本、新書サイズにコンパクトにまとまっておりますので、一度電車で読んでもらいたいんです。一編がそれほど長いわけではないので、通勤・通学に読むにはちょうどいい内容です。たまにはディスプレイから離れて外で読むのもいいもんですよ。

スクランブルエッグのコラムを持って街に出よう」は7月5日発売予定です。話題になったあとから「オレ、昔から知ってるんだよ」と言って自慢してもらうためにも一冊買っておいてもらえませんかね(笑)。

申し込み方法はこちらのページにありますのでどうぞよろしく。

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