ZYXのデビューシングル「行くZYX! FLY HIGH」(2003年8月6日発売)は、8月18日付オリコンシングルチャートで初登場18位となりました。最近のハロプロ関連シングルはTOP10入りするものが大半なので、この順位に不満を述べてキッズ批判をしている人がかなりいるようです。
でも考えてみると、今やハロプロの大看板である松浦亜弥でさえ、デビュー曲「ドッキドキ!LOVEメール」はオリコン10位、藤本美貴の「会えない長い日曜日」はオリコン13位でした。
メロン記念日に至っては、デビュー曲「甘いあなたの味」がオリコン60位で、その後TOP10入り(「赤いフリージア」=オリコン10位)するまでに、2年11か月もかかっているのです。
ZYXは、みんな若いメンバーなので(笑)、気長に見守っていきませんか? 18位は個人的には大健闘だと思っています。
作り笑いではない「満面の笑み」
全国放送の歌番組(『ミュージックステーション』・『うたばん』・『FUN』)にZYXが初登場しました。ZYXの各メンバーは、既にハロプロの大コンサート会場や、藤本美貴のバックダンサーでのテレビ出演など、ライブ慣れしていますから、自己紹介やトークではみんな大人っぽい雰囲気で、はきはき司会者と会話できていました。
ところが、総じて表情、特に笑顔が硬かったですね。でも「緊張していないのに、笑顔が不十分」って、かなり問題じゃないの?
ZYXは、「ハロー!プロジェクト・キッズ15人からの選抜メンバー」とはいっても、一軍=ZYX、二軍=非ZYXではないのです。
今回のZYXのコンセプト(スクエアダンスなりの勝手な解釈のコンセプト)=「小学生がどこまで大人に近づけられるのか挑戦する、SweetSには絶対負けられません」に合致したメンバーを選んだため、小学6年生主体で歌唱力上位組となりました。
ところが(矢口真里以外の)この5人は、表情や表現力に関しては、ハロプロ・キッズのなかで「ごく普通」レベルの現状なんです。重要なのは「ZYXではないハロプロ・キッズ」を忘れてはいけませんよ、ということです。
私が現在、ハロプロ・キッズのなかで表情、特に「笑顔」が良いと思っているのは、徳永千奈美ちゃん(小5・11歳)です。
例えば、「ウォーカーキッズ vol.3」(2003年3月29日発売)のP.27ページを見てください。ベストとネクタイタイプの制服姿がとても清楚な千奈美ちゃん。彼女の笑顔は出し惜しみがありません。これぞ、満面の笑みってやつです。すばらしいわ。
「ウォーカーキッズ vol.2」(2003年1月末発売)のP.36(ハロプロ・キッズ15人の自己紹介)ページでは、千奈美ちゃん本人が、
質問(4):最近笑ったこと?
千奈美ちゃんのこたえ:毎日笑ってます。
と答えています。「いついつこんなときに笑った」という風に答えるのが普通でしょう? さすがはサービス精神たっぷりの徳永千奈美ちゃんの答えですね。
先日のハロプロ2003夏コンサートでも、後藤真希の「手を握って歩きたい」のバックダンサー(徳永千奈美、熊井友理奈、鈴木愛理、萩原舞)としてがんばっちゃいましたが、トックリーナの笑顔&白い歯は客席からきちんと確認できました。
ところで、この「手を握って歩きたい」はハロプロ・キッズにとっては特別の曲なんです。キッズファンの人なら理由はわかりますよね。
バドミントン少女からハロプロ入り
徳永千奈美の特技は「バドミントン」です。趣味ではなく「特技」というのには理由があって、彼女は以前、小学生のクラブチームに入っていて公式大会で好成績をあげていたそうです。このことは、初期からのキッズ・ファンなら知っている人も多いかもしれません。
2001年10月 8日 | 3年生で神奈川県会長杯ジュニア大会の4年生の部出場 |
2002年 3月30日 | 神奈川県新人戦小学3年生以下の部 第3位 |
2002年 6月29日 | 神奈川県小学生連盟ABC大会B女子の部 第3位 |
私はバトミントンとは無縁なので、この実力がどれぐらいなのかはよくわかりませんが、少なくとも普通の大人なら、簡単に負けそうです。
ところであなたは、本格的にスポーツのサークルをやっている小学生が、芸能界のオーディションも受けるなんて凄いね、ぐらいに軽く考えていませんか?
ハロプロ・キッズオーディションの最終選考(テレビ東京系で生放送)は2002年6月30日でしたよね。ということは、徳永千奈美ちゃんはバドミントン大会で第3位になった翌日に、このオーディションで合格してハロプロ・キッズになったのです。
私はある趣味で全国大会に出場した経験があって、練習を含めて少しはその苦労がわかるつもりですが、大したものですよ、彼女は……。
オーディション合格後、徳永千奈美ちゃんが、
「ここまでこれてすごいなと思いました」
とコメントしていますが、こんな状況を知ってから、この単純な言葉の「重み」をずっしり感じました。もしかしたら、彼女はバドミントンで全国大会→オリンピック出場を目指していて、その道のりの大変さをいち早く感じとっていたでしょうから。
こんな苦労で勝ち取った芸能界の切符ですから、日々の芸能活動が本当に楽しくてしょうがないんでしょう。千奈美ちゃんの笑顔は、作っているのではなく、単に今の気持ちを感じて表しているだけかもしれません。