1991年(平成3年)4月26日生まれ、14歳になったばかりのジュニアアイドル、桐嵯梨(きり・さり)ちゃんをご存じでしょうか。
2歳のときからモデルをしているのでモデル歴12年目(!)というキャリアを持つ嵯梨ちゃんは、2004年3月に写真集『スパークル!』(心交社)でアイドルとして活動を開始し、2005年4月現在、写真集を3冊、DVDを5作リリースしている注目のジュニアアイドルなのです。
嵯梨ちゃんとはデビュー直前の小学校6年のときに会ったのですが、当時からその美少女ぶりには感心させられたものです。
2005年4月29日に発売された3冊目の写真集『嵯梨13歳~芽生え』(ぶんか社)は中学1年生の1月にバリ島で撮ったという作品。発売記念イベント取材のときにパラパラと見せてもらいましたが、そのあまりのすばらしさに感動してしまい、自費で購入することを決意。今回はその写真集のレビューといきましょう。
撮影は会田我路(あいだ・がろ)氏。美少女写真の巨匠ともいわれ、最近では小林万桜ちゃん、紗綾ちゃんなど次々と美少女アイドルを世に出したカメラマンです。内容的には制服、体操着、ビキニなど、ジュニアアイドル好きな方を満足させるひととおりのシチュエーションがあり、特に変わったことをしてるわけではありません。
今回私が注目しているのは、彼女の“止まった”表情なのです。
写真なので止まっているのは当たり前なんですけれど、いろいろな表情の変化を楽しむというタイプの写真集ではなく、美少女としての美しい瞬間をいろんな衣装とシチュエーションで表現しようとしている写真集なんですね。だから今回はそんなに表情にバリエーションがあるわけではなく、ちょっとおとなしめの笑顔が続いています。
今回の写真集『嵯梨13歳~芽生え~』はなんというか、とにかく我路さんが「この(美しい)瞬間を写真に閉じ込めておきたい」という、熱意というか、鬼気迫るものが伝わってきて、それがなんとも心地よいんですね。
女性は年齢に応じて美しい見え方があり、私自身は特に年齢を気にしているわけではないですが、業界の一般論的にいうと、女性がいちばん美しく見えるのは中学2年~中学3年ぐらいだといわれています。全日本国民的美少女コンテストのメイン出演者が小学生高学年~中学生いうことでもわかっていただけるのではないかと思います。
この年齢からの数年間は変化も激しくアイドルとして売り出していくには難しい世代なのですが、だからこそ美しい瞬間もあり、写真や映像にその美しい一瞬を“閉じ込め”ようとしたくなるのです。
中1の1月に撮影した今回の写真集、きっとこの半年後だと全然違うものになってしまいます。同じ構図で同じような表情で撮ったとしても、同じにはなりません。我路さんの一連の美少女写真集で似たようなシチュエーションで撮っているのと比べても、嵯梨ちゃんの大人びた品の良い顔立ちが際立っています。
はたしてこの先、本作を超える写真集ができるのかわかりませんが、嵯梨ちゃんの作品を見た人も見てない人も、この美しい一瞬がギュッと凝縮された写真集を一度手に取って見てはいかがでしょう。
5月1日書泉ブックマートにて