「手を握る泥棒の物語」
主演:内山理名、忍成修吾
2004/2/17よりTEPCOひかりコンテンツサイトcasTYにて配信開始
出演者オーディションでグランプリを射止めた竹中夏海さん(右)
本サイトでも募集、2次審査報告、最終結果報告をしてきた、ブロードバンドシネマ「手を握る泥棒の物語」(TEPCOひかり/CASTY/角川書店製作、犬童一心監督作品&乙一原作)が完成し、その完成披露試写会が2004年2月16日に行われました。
ここでは出演者オーディションでグランプリとなった竹中夏海(たけなか・なつみ)さんのインタビュー(2003年12月24日に取材)をお送りいたします。
本作品はcasTY-TEPCOひかりコンテンツにて配信中です。
オーディション経過については「手を握る泥棒の物語」オーディション - 取材レポートをごらんください。
自分がやりたいものだけをと思って
――今回の「手を握る泥棒の物語」オーディションを受けるきっかけは何でしたか?
夏海●もともと踊りの大学に通っていることもあって、ダンサーのオーディションは結構受けていたんですが、今回、たまたま雑誌で見て、原作があり、原作に興味を持って読んでみたらおもしろかったので、受けることにしました。
――以前から芸能関係のお仕事はしていたんですか?
夏海●小学校高学年のときにはお芝居していました。中・高とお休みしてからまた活動を始めたんですが、グラビアをすすめられたりするのがなんとなく嫌になったときに事務所と契約が切れて、自分のやりたいものだけ受けていこうと思っていました。
――「自分のやりたいものだけ」を選びだしてからこれはいくつめのオーディション?
夏海●気長に選ぶつもりであわててなかったんですけど、これがひとつめでした。
――それまたずいぶんラッキーな話ですね。
夏海●そうなんです。
――オーディションを受ける人にも参考になると思いますので、お聞きしますが、「自分が受けたいもの」に応募するわけだから、応募用紙には気合は入れられますよね。
夏海●かなり(気合を)入れましたね(笑)。
――ほかの人より目立つように工夫したことがあれば教えてください。
夏海●ほかの方がどう書いているのかわからないので……。それまで事務所がやってくれていたことを全部最初から自分でやるってこと自体、かなり気合入ってました。自分で選んだという意識が強かったので、自己PRを正直に書きました。
――どんなことを書いたの?
夏海●本当にありのまま。さっき言ったようなことからはじまって、あらためてお芝居に興味を持っているので、「この作品の原作を読んで面白いと思ったので関わっていけたらいいと思います」と書きました。
――原作を読んだときの感想を教えてほしいんですけど。なんかオーディションみたいでごめんなさい(笑)。
夏海●初めて読んだときはふつうの物語として読んだんですけど、オーディションの要項には「いとこ役」って書いてあって、原作にはほとんど出てこないので、どういう風になるんだろう、って考えてました。物語だけで考えると、短編集のなかでいちばん面白かったし、あとから乙一さんの作品をだくさん読むようになりました。乙一さんの作品は設定が不思議で面白いです。
ほら、あんたの水着だよ
――取材させていただいたオーディションの2次審査のときに、通過したら次の日に水着で撮影があると言われましたよね。そのときの感想を。
夏海●1次の書類審査が合格したときにそういうことが書いてあって、すごく嫌で、私、電話したんですね(笑)。
「すみません、“任意のうえで”って書いてありますが、水着を断ったらオーディションを放棄することになるんですか?」って(笑)。
で、あらためてゆっくり考えてみて、『いくら水着が嫌だからといって水着がメインの仕事なわけではないし、このオーディションを水着が嫌だというだけで断るのはあまりにもったいないな』という気持ちになってきて、友達に、短パンの水着を借りて。友達には私がオーディションを受けるためにということは内緒で。受かるかどうかわからないけど、お守りがわりに2次のときに水着を持っていって、(2次を通過して)『あぁ借りたのが無駄じゃなかった』って思いました(笑)。
――借りた水着はお友達に返したんですか?(笑)
夏海●明日、クリスマスの集まり(※取材日は12/24のクリスマスイブ)でみんな会うので今、袋に入ってます。
――その友達はオーディションで着たっていうのは教えたんですか?
夏海●最終候補に残ったときにイメージムービーがサイトに出るので、その子の家のパソコンで一緒に見て、
「ほら、あんたの水着だよ」って(笑)。
「あっ、本当だ、私の水着だ」って(笑)。
「お世話になりました」
「だから貸してって言ったんだね」って。
ひかり荘のナッツ
――最終候補に残って「ひかり荘」(casTYサイト内で映像配信を使い、ユーザとコミュニケーションができる場所)に出るなかで、自分にとって気持ちの変化はありましたか?
夏海●パソコンの苦手意識がだいぶあって、大学で情報処理の授業が始まったばかりで、検索がようやくできるぐらいで文章もあんまり打ったことがないし、もうだめだなって思いました。
で、大学のパソコンで「ひかり荘」を検索して見てみたんですけど、入り方がよくわからなかったしすごく不安でした。始まってからやり方がだんだんわかってきて、手紙と違ってすぐに意見が聞けてすぐに返せるところに感動しましたね。書き込みをしてくれた人に返事を打つと、書いた人がすぐに返事をするとは思わなかったらしくて、すごく感動されました。
――で、「ひかり荘」をやってみていかがでしたか。
夏海●小中学校の頃、ラジオがやりたかったんですよ。「ひかり荘」は司会の人がいるわけでもないし、特に仕切る人もいないし、映像つきラジオみたいな感じでやりたいことやらせてもらってます。
――特に印象に残ったことは。
夏海●当たり前ですがほかの候補者の女の子はみんな性格が違うし、ついてくる人も違うじゃないですか。
――竹中さんについてくる人はどんな人?
夏海●私は言いたいことを言うので、みんなも言いたいことを言っててフレンドリーなほうだったと思います。“守ってあげたくなるような女の子”じゃないというのはみんなもわかってたみたいで(笑)。お互い好き勝手なことを言い合える人たちが残ってくれて話すようになりました。
考えてるだけで楽しくなる仕事
――インターネット上で配信された最終結果発表を見ましたが、結果発表前のさばけた感想が印象的だったんですけど……。(※「意気込みはありません。この時点で何を意気込んでも、もう決まっているはずなので」)
夏海●あのときも言ってましたけど、ひかり荘に出るときや掲示板の書き込みのときにはあれこれ考えてましたけど、あの時点ではもう決まっているので、待つしかないんですよね。
――発表された直後にちょっとぼっーとしてたようにも見えたけど(笑)。
夏海●受かったというのはわかるんですけど、今の時点(発表があってから2週間程度)でもまだ候補者みたいな気分が残ってます。
――受かったあとに撮影現場レポートの生配信が始まっていますね。
夏海●まだ撮影現場には行ってないので、それまでのひかり荘と同じ感覚で楽しんでやってます。
――脚本はもう渡されましたか?
夏海●準備稿を読みました。読み方によって台詞の意味というか萌の性格が変わってきてしまうので、監督さんとお会いして相談して固めていきたいと思っています。
――女優という仕事については竹中さんはどうお考えですか。
夏海●考えてるだけで楽しくなります。気になるものは手元においてちょくちょく見たりするんですが、今回の台本もそんな感じでいつも持ってます。
――趣味や特技は何でしょうか。
夏海●趣味……マンガとか小説を読んでるとキャスティングしたくなるんですよ(笑)。これを実写化するなら誰にしようかな、とか。特技は踊りの振り付けかなぁ。
――ダンスの学校ではどんなことを習うんですか。
夏海●モダンダンス、ジャズダンス、クラシックバレエ、コンテンポラリーダンス、タップダンス、比較舞踊、とかいろいろです。
――すごい。では、今後の女優としての活躍に期待していますので、がんばってください。