2002年6月、新宿アイランドホールで行なわれた舞台「タクラマカン」にケイ役で出演した大谷允保さんが、作者秦建日子氏による大幅改稿を経て、新しく生まれ変わった「タクラマカン」に出演するというので、取材してきました。(2005年6月7日~6月12日 中野 ザ・ポケット。取材は6月7日公開ゲネプロにて)
左より松井涼子、大谷允保、綾野剛
旧「タクラマカン」は、難解で理解できない部分が多々ありましたが、改稿されて分かりやすく親しみやすい内容に変わり、2時間15分という長さを感じさせない作品に仕上がっていました。
大谷允保さんの役は、前回と同じ主役のケイ役で、前回以上に激しいアクションがあったり、ビックリするくらいの長セリフがあったりしましたが、この3年間の成長を実感させる演技で、安心して観ることができました。
しかも肩肘張った部分がなくなり、「大谷允保」ではなく「ケイ」として、出演者30人の中の一人として自分をアピールしていたのがよかったと思います。
アクションは、1ヵ月半くらい練習したそうです。長ゼリフのほうは、「かなり作っていますから……」と、さらりと答えて、隣にいた松井涼子さんを驚かせていました。
共演は、CFでも注目されている個性派女優・松井涼子さんと、ミュージシャンとしても活動している綾野剛さん。「だいぶ研究しました」という綾野剛さんの《死にっぷり》は見事でした。
新「タクラマカン」は、時代を反映して、ニート問題から日本の歴史問題まで汲み取り、観客との距離を縮めて甦ったように思います。
1996年以降、3年置きに「なま大谷允保」を観ているので、2008年の大谷允保さんを楽しみにしたいと思います。(撮影・取材 上木)