個人的な重要度で量れば、今年(2008年)最大の催し物といえます。『Berryz工房&℃-ute仲良しバトルコンサートツアー2008春 ~Berryz仮面 vs キューティーレンジャー~』(2008年4月20日横浜アリーナ、4月26日中京大学文化市民会館オーロラホール、4月29日愛知厚生年金会館、5月3~4日大阪厚生年金会館)のうち、5月3日を除く4日間9公演を観てきました。
今や、Hello!Project(ハロプロ)を、いや日本を代表する2つのアイドルグループ『Berryz工房』と『℃-ute』の合同コンサートですが、本連載コラムを書かせていただいている私(スクエアダンス)にとっては、もちろん「ゆかり」のメンバーが一同に会する『夢のコンサート』なわけです。
始まるずっと前の1月のコラム「℃-uteは仲良しバトルコンサート大歓迎です」のときから、話題をずいぶん引っ張っています。コラムの中でも、℃-uteファンなりの強がりな主張をバトルモードで、煽ってきました。
Berryz工房と℃-uteの対立って何?
これは、インターネットのブログ、ファンサイトや掲示板などで見かけた方もおられるでしょうが、どうやら「Berryz工房ファンと℃-uteファンの仲は、あまり良くない」と言う意見が主流のようです。
『Berryz工房』と『℃-ute』は、歴史的には、姉妹もしくは双子のグループですし、(コラム 「『番組ベリキュー』は、本当のガチンコ勝負でお願い」参照)、どちらもハロプロですから、あらゆるジャンルの音楽グループ全体から分類すれば、極めて似通ったグループに属しているはずです。
人数も7人と7人です。ハードロックにがんがんハマっている人からすれば、2つのグループなんて「一緒じゃん!」と簡単に決めつけられそうです。
ところが、人間の嗜好というのは、関心の高い分野においては、細分化して物事を考える傾向があるのでしょうか。少しの違いでも「天と地の差」ほどに感じて、より好きな個人もしくは集団に、心(嗜好)が移ってゆきますね。私もある時期から、急速に℃-uteに惹かれていきました。
一般論ではあいまいなので、私は「熱烈な℃-uteファン」ですが、なぜ「熱烈なBerryz工房ファン」ではないのか、と言う設問に置き換えて、そのグループのファンになっている理由を考えてみました。
[理由1] 推しメンがそのグループにいるから。
実は、大半の人がこれが理由なのではないでしょうか?
私の場合、一推しメンバー=℃-uteに所属しています。ちなみに、二推し=℃-ute、三推し=ハロプロエッグ、四推し=ハロプロエッグ、五推し=ハロプロエッグ、六推し=Berryz工房、七推し=℃-uteに所属、と続きます。
具体的に誰が私の推しメンなのかは、今後もコラムを連載していく行き掛かり上影響が大きいので。公表を控えます(一部の方々には、バレバレみたいですが……(苦笑))。
[理由2] グループとしての雰囲気が好きだから。
コラム「℃-ute(キュート)な7人姉妹を感じてね。」でも書きましたように、推しメンとは関係なく、グループ全体としての雰囲気が、自分に心地よく感じたから、ですね。「箱推し度」が℃-uteの方が高いから、という表現が的確でしょうか。
[理由3] グループの成長を喜びと感じている。
ファンをやっていると、最初は小さなグループが、人気が出てきて、ファンの数もホールの規模も、だんだんと大きくなっていきます。身近に感じていたメンバーが、有名人になればなるほど、自分から遠い存在になることは、ある面仕方ないのですが、その淋しさに打ち勝って、グループが成長していくこと(例えば、歌唱力・ダンス能力・パフォーマンス能力の成長、受賞歴、オリコン順位とセールス枚数、など)を、ファンとして喜びとして実感し続けているか、の尺度が、結構私には重要なのかな、と感じます。
言うまでもなく「2007年の℃-ute」はメンバーとファンが成長の共有・確認を1年間繰り返したなかで、年末の喜びを勝ち取りました。
以上の理由1~3どれをとってみても、私は℃-ute>Berryz工房 ではありますが、「Berryz工房」に対してネガティブなものはなく、(℃-uteよりは低いですが)理由1~3はすべて当てはまっている、ということに気づきました。要するに、『℃-ute』=大々大好き、『Berryz工房』=大好き、という違いなだけでした。
だから、決して世間が言うほど『Berryz工房』と『℃-ute』は対立軸では、ないはずです。これからも私は「Berryz工房ファンと℃-uteファンは、結構仲が良い」という前提(or背景)で連載コラムを書いていこうと思っています。
仲良し>バトル なところが大満足
今回の曲目表はこちらに別窓で載せます。
私のお気に入りを、10曲セレクトしてみました。TOP10形式でカウントダウンしていきます。
●第10位=07. ジンギスカン / Berryz工房・℃-ute→Berryz工房
Berryz工房らしいコミカルな魅力が、ステージングに溢れています。
●第9位=06. LALALA 幸せの歌 / ℃-ute→Berryz工房・℃-ute
観客の立場で、ライブで振り付きで踊ると満足感が得られます。
●第8位=21. 友情 純情 oh 青春
ホール全体で、タオルを一斉に投げ上げるシーンの一体感が最高です。
●第7位=23. 桜チラリ
直前の4月5日によみうりランドで行われた、℃-uteの3rdアルバム発売記念イベント『Cutie Circuit 2008 ~LOVEエスカレーション!~』では、桜の季節なのに「桜チラリ」がなかったので不満でしたが、今回ラスト曲に抜擢されたので、良しとしましょう。
また、大阪の千秋楽公演のサプライズ演出(ファンによるピンクのペンライト企画、スタッフによる花吹雪)の感動に立ち会えて良かったです。
●第6位=14. ドドンガドン音頭 / Berryz工房・℃-ute(Buono!3人を除く)
横浜公演では、センターステージで、テンション上げ子(梅田えりか)を囲んでハロプロエッグ(新井愛瞳、小川紗季、関根梓、岡井明日菜、佐保明梨、和田彩花、古峰桃香、森咲樹、西念未彩、古川小夏)が音頭を踊るのですが、特に小川紗季&岡井明日菜の2人は、以前「もったいない音頭」を歌っていて、音頭を歌えば誰にも負けません、という意地というか自信みなぎる派手な合いの手の踊りっぷりでした。
●第5位=11. 僕らの輝き / 徳永千奈美・須藤茉麻・熊井友理奈・岡井千聖・有原栞菜
今回の出場者の中で、特にこの合同コンサートを終始楽しんでいるな、と強く感じたのが、岡井千聖です。最後のアンコールの締めで、「とても楽しくて、もう一回最初から歌いたいくらい」と話していたMCは、前々から誰よりもこのコンサートを願っていた彼女の本音だと感じました。「僕らの輝き」で自慢のリードボーカルを披露できて、良かったね。
●第4位=19. ジリリ キテル
今回のコンサートでは、Berryz工房が℃-uteの曲を歌ったり、℃-uteがBerryz工房の曲を歌ったりする場面が多いのですが、特に、名古屋・大阪公演で、正面ステージで2列(前列Berryz工房、後列℃-ute)で歌った、「ジリリ キテル」は、もの凄い迫力でした。7人よりも14人で歌った方が数倍良さが出る曲なんだと、新発見しました。
●第3位=10. VERY BEAUTY / 菅谷梨沙子・鈴木愛理
歌詞の1番を菅谷梨沙子がソロで、2番を鈴木愛理がソロで、最後にデュエットで歌う構成です。印象的だったのが横浜アリーナ(特に昼・夜公演)で、菅谷梨沙子は1コーラス本当に歌えるんだろうか、って心配になってしまうぐらい、なりふリかまわず声を張り上げていました。
「VERY BEAUTY」はBerryz工房の曲だから、私ががんばらないと……。そのあと、鈴木愛理は難なく歌ったのですが、歌唱力で鈴木愛理圧勝なんてありえません。個人的には、アリーナの観客全体を味方にした、菅谷梨沙子に軍配を挙げます。
●第2位=17. 夏 DOKI リップスティック / 矢島舞美 (バックダンサー:清水佐紀・中島早貴)
コラム「℃-uteは仲良しバトルコンサート大歓迎です」でぜひお願いしたいと書きました、「清水佐紀と中島早貴のダンスバトル」を実現して頂き、スタッフの皆様に感謝いたします。
清水と中島はダンス対決をしているんですけど、私はこれを見ていて、Berryz工房と℃-uteがバトルしている感がありません。2人で仲良く「清水+中島のダンス連合軍」を組んで、本来はセンターボーカルのはずの矢島舞美に対してバトルを仕掛けて、矢島を食っちゃったという構図ではないでしょうか。もし映像が残っているのならば、発売予定のDVDでは、3人のマルチアングルも強く希望します。
●第1位=アンコール寸劇 & 22. 我ら!Berryz仮面&純情戦隊キューティーレンジャー
戦隊物については、リーダー須藤茉麻に加えて、徳永千奈美、熊井友理奈もかなり戦隊衣装が似合っているので、Berryz仮面の圧勝です。
今回「仲良しバトルコンサート」と呼びながら、実際は「仲良し」ムードが終始漂って進んでいくコンサートですから、Berryz工房ファンの一部の「バトル好きな」方々から、物足りない、面白くないという悲鳴が聞こえてきますね(笑)。元来、℃-uteファンは平和好きで「仲良し大歓迎」ですので、今回の暖っかなコンサートの空気にはとても満足です。
アンコールの寸劇は、7人(Berryz工房)でも、7人(℃-ute)でも倒せない相手を、14人(Berryz工房&℃-ute)で仲良く倒してしまう内容ですが、今回のコンサートで制作者(スタッフ)の方が一番言いたかったことが、この寸劇に凝縮されている気がします。
地球上のヒット曲を吸い尽くし、この世から音楽という娯楽をなくそうと企む「ミュージックバキューマー・ドエーム」にあたる「敵」は、社会の中にも、私たちの心の中にも、たくさん溢れていますが、内輪げんかすることなく、本当の敵を見極めて、バトルしていきたいものです。