前回は紙媒体の作り方を紹介したので、今回はWeb媒体の作り方の紹介をします。
5年半の歴史
本サイトを一般公開したのは1997年4月ですから、開設して5年半が経とうとしています。
始めたころにはhtmlオーサリングソフトはほとんどなく、あっても高価であったため、誰もがやっていた、いわゆる「html手打ち」で作っていました。更新もそれほど頻繁ではなく、のんびりとしたものでした。
現在は業界標準となったMacromedia Dreamweaver Fireworks Studioですが、そのver.2が発売されたのが99年4月23日でした。発売日に買いそびれ、いろいろな店舗を探した末、ゴールデンウィーク中に購入し、飽きもせず毎日毎日さわっていました。本誌となじみ深い椎名林檎が大ブレイクし、Webサイトのおかげでバックナンバーが大量に売れたり、サイトのアクセス数が急激に増えた時期でもありました。
翌2000年10月独自ドメインでの運用。2001年4月、某専門校でWeb科の非常勤講師を週に1回担当するようになり、サイトのユーザビリティ、ブランディング、メンテナンスビリティについて教えるかたわら実践せざるを得なくなり、1年半かけてようやく現在の状況にたどりついたというわけです。そういう意味では学校にも生徒にも大変感謝しています。いちばんためになっているのは講師の私なのではないかと思うほど、いろいろな勉強ができました。
サイトの目的に合わせたワークフローを
このコラムを書いている時点で本サイトは260ページほどありますが、htmlオーサリングは私一人でやっています。そう言うとかなり驚かれることもあるのですが、そのぐらいはできないとプロになれないよ、などと平気な顔で言うようにしています(笑)。
本サイトには特に凝った演出やデザイン的な斬新さはありませんし、それほど必要とされていません。それはサイトの目的に照らし合わせての結論です。
サイトの目的は要約すれば以下の2点です。
- 芸能界のニーズと芸能予備軍のウォンツをつなげる
- 芸能、音楽、アイドルファンのニーズに合わせた情報提供
よって、この目的を果たすため、装飾的な要素にエネルギーを使うのはやめ、シンプルなナビゲーションによる使いやすさ(=ユーザビリティ)と、更新のしやすさ(=メンテナンスビリティ)を優先することにしたのです。
例をあげますと、ほとんどのページはDreamweaver(以下DW)のテンプレートを適用しています。オーディションの募集データはDWで読み込み可能なXMLデータに整形してから読み込むようにしたり、バナー広告スペースやRecommended Eggs告知スペースなどにはDWのライブラリ機能を使ったり、画像のパーツや色の指定にはDWのアセット機能の「お気に入り」を使うことでサイト構築の効率ははるかに違ってきたりします。もし、サイト構築をDWでやっていらっしゃるのでしたら、ライブラリ、テンプレートを積極的に利用すると運用が楽になるのでやってみてください。
メディアの特性を理解する
さて、本誌および本サイトの次なる野望(笑)は着々と進めておりますが、それは形になったものでお見せしたほうがよかろうと思いますので、明らかにするのはしばらく控えることにしましょう。
Webであろうと紙であろうと、メディアを通して伝えるという意味では同じです。ただ、メディアの特性を理解し、活かして伝達することが大切になってくるので、Webメディアを操り、成功できる人は紙、電波、Webを知り、映像、広告、報道などの手法を理解した人なのでしょう。私もそういう一人になってみたいものです。
とまあ、こんな感じで、ときには人前で偉そうに言わなければいけないこともあります。この前、調子に乗ってこのサイトの説明を45分間にわたって生徒さんにプレゼンしてしまった自分にあきれてしまい、少々反省しております。
「好きこそものの上手なれ」というのは芸能でもWebの世界でも通用することでしょう。お互いにがんばっていきましょう。