昨年の大晦日(2001年12月31日)、NHK紅白歌合戦で21世紀最初に歌ったのは誰か、覚えていますか?
なんとなくZONEだった気がする、いや、えなりかずきだったかな、と思った人は惜しい。--->正解は、松浦亜弥でした。あややファンやハロプロファン以外の人には少し難しい質問だったかもしれません。
その翌日、つまり今年の元旦(2002年1月1日)発売となった、ファーストアルバム『ファーストKISS』がオリコン2位となり、幸先の良いスタートとなった松浦亜弥の2002年。
続く2月6日発売となった5thシングル「桃色片想い」は本人出演のエフティ資生堂「ティセラ胸キュンピーチ!」CM曲で、22万枚を超えるヒット(オリコン2位)となりました。あなたも『ピ~~~チ!』と叫び、『あーやあやや やーややや~♪』と振りをつけて歌ったくちでは?
ちなみにモーニング娘。の14thシングル「そうだ! We're ALIVE」(オリコン1位)は2002年2月20日発売でしたから、2月の中旬で今年最初に紅白出場「確実」となった歌手は、松浦亜弥であったと記憶しています。その後もあややは6thシングル「Yeah! めっちゃホリディ」(オリコン2位)、7thシングル「The 美学」(オリコン2位)とヒットを連発し、No.1アイドル歌手を不動のものにします。
この時点で、あややの紅白出場ピンチを予想した人が日本中でいったい何人いたでしょうか?
ハロプロ人気が2年目のジンクスの原因(今年の紅白連続出場への道)
世の中はわからないものです。ご存知のように9月に後藤真希がモーニング娘。を卒業。そしてほぼ同時期に、あややのお友達・藤本美貴の3rdシングル「ロマンティック 浮かれモード」(2002年9月12日発売)がオリコン3位となって、ミキティもトップアイドルの仲間入りを果たしました。
こうなってくると、同じハロプロの『ごっちんやミキティが紅白に出られないのは可哀想』という声が日増しに聞こえてきます。
そんななかでの2002年10月10日、『ごまっとう』(後藤真希、松浦亜弥、藤本美貴)結成発表でした。
「Hello!Project(ハロープロジェクト)の最強ユニット」と誰もが認めるなか、ヒット間違いなし(結果的にはオリコン1位)の『ごまっとう』は、タイミング的に「紅白対策ユニット」ではないかという噂が飛び交いました。それでも「後藤真希や藤本美貴もあきらめていた紅白出場が叶うから、万事うまくいくよね!」と3人以外のファンは勝手な理屈で結論づけます。
ここで一句。
「冗談じゃないよと叫んだ あややファン」 (スクエアダンス・作)
そりゃあ、あややがいる『ごまっとう』は売れてほしいけど、『ごまっとう』が売れすぎると、あやや(ソロ)の紅白が危なくなる。一年間ずっと、大晦日の「桃色片想い」を楽しみにしているのに……。
紅白出場者発表直前の今、松浦亜弥ファンの複雑な心理状態は、痛いほどわかりますよ(個人的には、松浦亜弥のソロ出場を希望します。ごっちんとミキティファン→恨まないでね)。(※編注:松浦亜弥はソロ出場となりました→平成14年NHK紅白歌合戦(NHKのサイト))
三人祭で歌唱力を認識(話題を昨年に戻しますが……)
私は、松浦亜弥のテレビ(歌番組)や生ステージ(例えば「BSジュニアのど自慢」の取材など)を見ているときに、度々「すごいなあ」と思うことがあります。『あややって、すごい可愛いなあ』と思ったって? そりゃ、確かに可愛いですが、ちがいます。実は『すごい歌がうまいなあ』とよくひとりごとを言って感心しています。
一番最初に「松浦亜弥の歌唱力はスゴイ」と思った曲は、シャッフルユニット『三人祭』(石川梨華・加護亜依・松浦亜弥)の「チュッ!夏パ~ティ」(2001年7月4日発売)です。私は石川梨華の大ファンなので、この曲は何百回もいろんな場所で聞きました。
同期の加護亜依には歌では勝てないと一目置いていますから、このユニットも加護が歌担当だと思い込んでいました。結果は……石川と加護ちゃんは結構音を外すことが多いのに、あややはほとんどいつも完璧なんです。この事件(!?)は私なりに印象深かったため、本誌第12号(2001年10月15日発行)の編集後記に「お人形さんがコンセプトの三人祭では松浦亜弥の歌唱力に注目」と書かせてもらっています。※余談になりますが、三人祭以外で、今まで「チュッ!夏パ~ティ」を一番うまく歌ったユニットは、2001年パラマ文化祭の『Pinky』でしょう。
そして続く3rdシングル「LOVE 涙色」(2001年9月5日発売)。モーニング娘。の5期生オーディションの合宿で課題曲になったのは有名ですね。歌詞を理解して、歌えば歌い込むほど、相当な難曲であることがやっとわかってくるボディーブローな曲なんです。
最大の見せ所は、ラストの転調(半音上がる)後のパートで、当時合唱部の高橋愛でさえなかなか上手く歌えず苦労していました。あややの歌唱はここからエンディングに持っていく過程が旨味たっぷりで、私はいつもしびれて聴いています。
21世紀、美空ひばりに挑む
「桃色片想い」から「LOVE 涙色」まですそ野が幅広い、『オールマイティーあやや』(私の造語)ですから、懐メロなんて、へっちゃらです。
ハロプロの懐メロ企画・FOLK SONGSシリーズのうち、2002年5月22日発売 『FOLK SONGS 2』 (中澤裕子・メロン記念日・松浦亜弥・石井リカ)にあややは6曲参加していますが、どれもお上手。もちろん、あややが生まれるずっと前の曲もありますよ。
- てんとう虫のサンバ/チェリッシュ (松浦亜弥、石井リカ)
- 冬が来る前に/紙ふうせん (松浦亜弥、中澤裕子)
- ひこうき雲/荒井由実 (松浦亜弥)
- 長い間/Kiroro (松浦亜弥)
- 神田川/南こうせつとかぐや姫 (松浦亜弥)
- さとうきび畑/森山良子 (松浦亜弥、石井リカ)
私のオススメは、中澤姐さんとのハーモニーが美しい「冬が来る前に」です。
ところで、次の松浦亜弥の新曲はご存知ですか?
8thシングル「草原の人」(2002年12月11日発売)
作詞:加藤和枝 作曲:つんく 編曲:鈴木Daichi秀行
今の若い人は、作詞の名前を見てもピンとこないかもしれませんが、あの美空ひばりさんの本名です。ひばりさんが生前に作詞した未発表の歌詞につんくさんが曲をつけてCD化されることになりました。そして、あややが歌うことに……。
ひばりさん歌詞、あややでCD&舞台化(スポニチ10/25の記事)
私は全く心配していません。松浦亜弥は『オールマイティー』な歌手ですから。振りがないあややの、ちょっぴり懐かしい歌声を聴いてみましょうか。