東京パフォーマンスドールのメンバーとしてデビューし、原史奈のデビュー曲「泣いていいよ」に楽曲提供し、1998年PS用ソフトやるドラシリーズ「季節を抱きしめて」主題歌でゲームファンを魅了した大藤史(おおとう・ふみ)さんが2005年6月29日、アイドルDVDでおなじみのメーカー・ベガファクトリーよりDVD付きCD『Dear My Friend』をリリースすることになりました。
大藤史(おおとう・ふみ)
1991年~1994年東京パフォーマンスドールのメンバーとして活動
1995年、ソイツァーミュージックと専属作家契約を結ぶ
1997年、作家デビュー
1998年、「季節を抱きしめて」リリース
東京パフォーマンスドールともベガファクトリーとも親交が深い記者(編集長・岡田)としては取材しないわけにはいかないので、アルバムのことを中心にお話をうかがってきました。
大藤史さんの楽曲はゲームソフトやテレビアニメなどでいろいろなところで耳にするのですが、それが大藤史さんの曲や歌だと知られないこともあるので、まとまった形でひとつのアルバムとして聴いてもらえるものをということで、ベガファクトリー音楽部門の第1弾として企画されたアルバムなのです。
発売が2005年6月29日ということで完全に確定していない時点でお聞きしたのですが、CDのほうが14曲+シークレットトラックを予定していて、DVDにはCDに収録されたオリジナルのゲームやアニメのハイライトシーンが収録される予定となっているそうです。
それではゲームファン、アニメファンの方々に収録予定曲の一部を紹介しましょう。
曲名 | 解説 | DVD |
---|---|---|
季節を抱きしめて | PS「やるドラシリーズ 季節を抱きしめて」主題歌 | ○ |
泣いていいよ | PS「ロックマンDASH2」エンディング曲 | |
風の魔法 | アニメ「ポポロクロイス物語」エンディングテーマ | ○ |
風の魔法~アコースティック・ヴァージョン | アニメ「ポポロクロイス物語」挿入歌 | |
わたしぼっち | アニメ「ポポロクロイス物語」イメージソング | |
この広い野原いっぱい | PS「ぼくのなつやすみ」主題歌 | ○ |
この広い野原いっぱい~Game Ending Version~ | PS「ぼくのなつやすみ」主題歌 | ○ |
硝子の瞳 | PS「ぼくのなつやすみ」テーマ曲カップリング | |
あなたのそばで | BSフジ「PLAY ROOM」挿入歌 | ○ |
夕陽を待ちながら | BSフジ「PLAY ROOM」挿入歌 | |
あなたと別れる日はずっとこない | BSフジ「PLAY ROOM」挿入歌 | |
Dear My Friend | 文化放送・東海ラジオ・ラジオ大阪「電撃大賞」テーマ | |
月の渚で逢いましょう | アニメ「らいむいろ戦奇譚」挿入歌 | |
きっと、これから | PS「怪盗アプリコット」主題歌 | ○ |
大藤史自身による楽曲解説
「もともとゲーム用、アニメ用に作ったわけではなく、定期的に『ラララ・デモテープ』をプロデューサーや作家に渡して聞いてもらったものが発展したものです」という大藤史さんに、収録曲についてのエピソードをお聞きしました。
★季節を抱きしめて
★季節を抱きしめて
1998年8月21日
TPD(東京パフォーマンスドール)をやめてソイツァーミュージックに入れてもらった20歳ぐらいのときに、まだまともに1コーラスメロディーが書けるか書けないかぐらいのときのデモテープから発展した曲です。
★泣いていいよ
★泣いていいよ/願いが叶う場所 (原史奈)
2000年5月24日
これは大学生のときに藤木さん(TPDの楽曲を作っているThousand SketcheSの作家さん)のところに持っていって、アレンジしてプロデューサーのところに持っていったら気に入ってもらって、原史奈ちゃんのシングルにも使ってもらうことになりました。
★風の魔法
★風の魔法
1998年11月21日
もともとプレイステーション用のゲームがアニメになって、ゲームには出てこない、アニメオリジナルキャラクターを見せてもらって、この子の挿入歌を書いてほしいと言われて書いたのが「風の魔法」と「わたしぼっち」で、自分で選べなくて2曲持っていったら両方とも気に入ってもらって使ってもらったんです。
この「風の魔法」にはちょっとした秘話があって、「史ちゃん作詞しなよ」って言われて2行ぐらい書いてたら、それ以上書くことがなくなってそこで完結してしまったんですよ(笑)。プロデューサーや作家のみんなに相談して居酒屋でああでもないこうでもないってやっとできた曲です。いまだに「史ちゃんの詞が2行で終わっちゃってさ」って言われます(笑)。
★わたしぼっち
人見知りをするキャラだったんで切ないメロディーにしようかな~って作った曲です。鮎沢すみ絵さんが作詞したんですけど、鮎沢さんと出会った曲です。ちょうど鮎沢さんの犬が亡くなって行こうかどうか迷ってたときに「くよくよしててもしょうがないから行こう」って来てくださったんですって。で、私がその犬に似てたとかで(笑)、それ以来すごいかわいがってもらって。
★この広い野原いっぱい
★この広い野原いっぱい
2000年7月5日
ゲーム「ぼくのなつやすみ」のオープニングで流れてくる曲で、監督さんが「史ちゃんが歌ったら」ということで歌わせてもらいました。ライブでやるときに1番から4番まで歌詞が似てるので間違えそうになります(笑)。
★硝子の瞳
マイナー曲を形にしてみようってことで形になった曲です。内面的な詞で、迷う気持ちを認めてあなたらしく生きましょう、っていう曲です。
1stシングル「季節を抱きしめて」
2ndシングル「風の魔法」
1stミニアルバム「泣いていいよ」
3rdシングル「この広い野原いっぱい」
★あなたのそばで
これは藤木さんと「今まで書いたことのない曲を書こう」って相談しながら書いた曲で、3連符で詞も先にあってレッスンみたいな形でアドバイスされながらできた曲です。この曲は「みんなのうた」みたいなアニメが番組でついたんですよ。
★あなたと別れる日はずっとこない
これも強化月間みたいな感じで藤木さんと作ってたんですけど、実験みたいな感じで冒険できて、ダイナミックなメロディーを使いたくってサビでオクターブ使ったりしてます。でも難しくはないです。人に曲を書くときに音域を狭く作ることを覚えたので、自分の曲でも誰でも歌えるようにと思って作っています。いつ誰がカバーしてくれるかわからないっていうのもあって……って自分でも歌いやすいんですけど(笑)。
★夕陽を待ちながら
これは私が書いた曲ではなくって、「ちょっと歌ってみる?」っていうノリで歌わせてもらいました。オンエアのときには中学生が合唱みたいにして歌って、ところどころ私の声でところどころみんなの声で、っていう感じになっています。
★月の渚で逢いましょう
これは声優さん(清水愛さん)も歌ってるんでしたよね、確か。私が行きたいほうのメロディーがあって、一緒に藤木さんと作ってたら、「そうじゃなくてこっちに行ってみない?」って言われて、最初すごく難しいコードを提案してくれて、メロディーを作るのにすんなりできなかった曲です。
★きっと、これから
初めての作り方で、先に詞が1コーラス分できてて、そのオケをもう藤木さんが作ってて、そこからメロディーを作って、っていう話で、そんなことしたことなくってパニックになってしまって……。いろいろアドバイスされたんだけど全然できなくて、「あとよろしくね」って言われて残されて。「どうしよう」ってなっちゃって1時間ぐらいして藤木さんが戻ってきてもできてなくって、そのときボロボロ泣いちゃって。だけどそのあと持ち直してなんとか作れたんですけど。
★Dear My Friend
これは私が会社に勤めてるときにできた歌で、歌詞の内容が「今は仕事をしてても昔はこうだったよね」って思い出したり「10年後に2人はどんな夢を手に入れてどんなことをしてるかな」っていうような歌詞なんですよ。それがちょうどTPDから10年目だったんですよ、偶然。私にとっては10年目の節目だったから、すごく自分とリンクして、10年後にまた歌が歌えてるってことがすごく恵まれてることだから、感慨深くて思い入れがすごくあります。
初ワンマンライブをやったときに夏ちゃん(TPDで一緒に活動していた木伏夏子さん)が来てて「結構泣けるよ」って言ってくれて。スタッフの人もTPDからずっと一緒なので、みんなにとって10年ていうことが、TPDがあってそれからソロがあって、ゲームやアニメで知ってくれた人が応援してくれて今まで来たっていうのもあって。
アルバムのタイトルの『Dear My Friend』っていうのは、ファンの人ももちろんだけど、スタッフの人とか、昔のメンバーとか家族とかみんな含めて「ありがとう、これからも頑張ります」っていう意味です。アルバムの中身もベスト盤みたいになってるから、「これだけの作品を作ることができました」みたいな、本当の写真のアルバムみたいな感じになってればいいと思います。
大藤史『Dear My Friend』発売記念イベント
2005年5月1日(日)14:00~ | アニメイト渋谷 |
2005年5月3日(火)15:00~ | アニメイト名古屋 |
2005年5月4日(水)14:00~ | アニメイト川西 |
オープンスペースのイベントですが、参加者多数の場合はイベント参加券(CD予約)を持った方が優先となります。場所が狭いらしいのでミニライブができるか微妙だそうですが、なるべくやる方向で検討中とのことです。詳細はアニメイトのホームページをご参照ください。
また、4月30日に四谷天窓コンフォートでもライブがあります。詳しくは大藤史オフィシャルサイトでご確認ください。なお、TPD時代の話も聞いてきましたので、機会がありましたらまた紹介します。(撮影・取材 岡田)