夏のオーディションシーズンに向けて、ハロー!プロジェクト(ハロプロ)が動き出しました。
7月1日付けで、オーディション雑誌「デ・ビュー」と提携して、新ユニットのオーディションを開催すると発表。芸能予備軍、ハロプロファンの間で早くも注目を集めています。
締切は7月28日(消印有効)とそんなに時間の猶予はありません。急な話ではありますが、さっそく、このオーディションについて検証してみたいと思います。
モー娘。追加オーディションなどのハロプロ系オーディションは、これまでも、一般のオーディションとは少々違ったアプローチをしてきました。今回も募集要項でいくつかのハロプロらしい特徴が見られるようなので、ざっとピックアップしてみましょう。
応募資格は1979~1988年生まれの女性、中学生以下不可
「カントリー娘。新メンバーオーディション」に続いて、またもや中学生以下の世代(ジュニア世代)が募集の対象外となりました。
理由としては、ジュニア世代の娘を多く抱えることによるリスク(教育面での負担増、就業面での時間の制約)を回避したい思惑があると考えられますが、それ以上に、ジュニア世代にいきなり大人でも難解なフレーズの楽曲を歌わせて「本格派」と持ち上げる現在の音楽シーンに警鐘を鳴らす意味合いが込められている気がします。
実際「デ・ビュー」8月号のつんく♂氏のコメントからは「しっかりとした詞の世界を歌うには、ある程度の人生経験が必要」という考えがうかがえます。
今回、年齢層を1979年生まれまで引き上げたことによって、世代的には、第1期、すなわち「シャ乱Qロックボーカリスト」(1997年)の挑戦者までさかのぼることになります。「敗者復活」の位置づけは、「カントリー娘。新メンバーオーディション」以上に広がったといっていいでしょう。
芸能スクールの所属、契約者は不可
このような項目が記載されたのは、今回が初めてではないかと思われます。
「芸能スクール」がどの範囲を示すかは不明ですが、「経験を積んだ人」というコンセプトに忠実であるならば、少なくとも、バイトなどでお金を稼ぎ、ボーカルやダンスのレッスンに行っているレベルの娘はOKとすべきだと個人的には考えています。
また、劇団・エキストラ・モデルなどの登録制事務所の可否について、募集要項には触れられていないのも気になります。これらの項目については、おそらく、多くの志望者から質問が寄せられると予想されますので、Webサイトなどを通じた、適切な回答をお願いしたいものです。
第1次審査でビデオを使用
ビデオ審査はハロプロ系オーディションの定番とも言えるものです。
小誌主催の「Recommended Eggs発掘オーディション」でも、2次審査では写真、またはビデオを送ってもらうよう予選通過者に依頼しました。予想通り、ビデオを送ってくれた人のほうが、オーディションに賭ける意気込みを感じとることができ、スタッフにも好印象を与えたようです。
今後DVD、ブロードバンドが更に普及することにより、ハロプロに限らず、どんなジャンルのオーディションでも、動画で魅力をアピールできる人、何回も繰り返し見たくなるような人が高い評価を得られるのは間違いないでしょう。
ハロプロ系オーディションは「応募総数○○○人」といった数の多さを競うのではなく、志望者に明確な要求を指示(必ずモー娘。の曲を課題曲にするなど)し、応募者数を絞り込んだ上で審査、評価を行なうというのが一貫したポリシーのようです。
ジュニア世代の志望者には残念な募集要項となりましたが、逆にそうした世代の台頭で芸能界をあきらめかけていた人には大きな門戸が開かれたともいえそうです。
特に「Recommended Eggs発掘オーディション」を受けて、すでに「オーディション診断シート」が届いている方は、シートに記載してあるアドバイスが役に立つと思います。どうぞ有効活用してください。
オーディションに応募するすべての方の健闘をお祈りします。
※追記
2003年10月1日に発行された「月刊デ・ビュー」11月号誌上にて、オーディション合格者の発表がありました。
合格者は1名で、北海道出身の三好絵梨香さん(18)と決まりました。三好さんのこれからの活躍に期待します。