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オーディションの一次審査に通ったら

written by 岡田隆志

  Last Updated: 2018/09/29
Released: 2003/10/13
本記事を無断で複製・転載することを禁じます。
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このコラムは2003年に初めて書かれたものですが、今でも数多く読まれているため、時代の変化に合わせて2010年代後半に読んでも理解でき、通用する項目に絞り込んで書き直したものです。

今回は幸運にもオーディションの一次合格通知をもらったときの話です。 一次に受かって二次審査を受けるまでの間にもう一度考えを整理するために読んでください。

一次審査に受かっても浮かれない

2010年代以降のオーディションは、一次審査の合格通知は電子メールの場合がほとんどです。オーディションの一次審査から準備しておくことに記したとおり、携帯メールの受信拒否設定を確認したうえで、主催者のメールを受信拒否していることのないように気をつけてください。

一次合格通知をもらったらうれしいに決まっているので、まずは素直に喜んでから、あわてず、浮かれたりせずに「合格」の内容を確認してください。

最初に釘をさしておきますが、芸能の世界で成功するのは本当に一握りの人しかいないので、よほど「運」という名の「実力」がないとうまくいきません。大きなオーディションでグランプリを獲ったからといってその後泣かず飛ばずの人がいくらでもいる現実をよく見ましょう。

芸能界はある意味バクチの世界でもあるので、一発逆転ホームランを打てば形勢がすぐに逆転する恐ろしい世界ともいえます。うまくいったと思ったら、あるとき気がついたら急に仕事がなくなったということも日常的に起こっています。

ですから、それでもやりたいというあなたの意志(あるいは下心)を手玉に取ってあなたのお金を目当てにしている主催者がいないとは決していえないので、それだけは十分に注意してください。

芸能事務所はタレントとマネージャーが1人ずついれば成り立っていきますので、事務所の規模、所属タレントの有名度だけで良しあしは判定することは難しいです。

大きい規模なら失敗がないかといえば、必ずしもそうではないでしょう。優秀なタレント候補者が集まってきているから、その分、あなたにかけてくれるリソース(人やお金)は限られてきます。小さい事務所でも可能性があるので夢が広がりますが、売れ始めたタイミングで、その勢いを邪魔する大きな力が働くこともあるでしょう。

見きわめることは簡単なことではありません。

スクール系、モデル系のオーディション

スクール系のオーディションは、特待生は無料、その他は有料でレッスンという場合もあります。それはある意味、スクールの成り立ちからいって当然のことかもしれません。一次には受からなかったけれど、レッスンをしたらチャンスが広がる、と有料のレッスンをすすめられる場合があるでしょう。

モデル系のオーディションも、「今すぐ仕事を紹介できるかは微妙なので、まずは登録しましょう、そのための資料制作費として○○円」ということもありえます。

多くの場合はただ単にあなたの現時点での実力不足のために起きることですので、決してこれらのオーディションの主催者がひどいわけではありません。ただし「オーディション」という名前をつけていいのかについては疑問です。2010年代には「オーディション」と名乗ってこういった行為を行う企業は社会規範上許されなくなってきています(いわゆる「コンプライアンス違反」になる可能性があります)。

実際に、あとちょっとレッスンすればチャンスはぐっと広がるだろうと思われる人はいます。

養成所やスクールはあなたの実力を向上させるために必要ですし、モデルエージェンシーもあなたを美しく見せるための環境を整えてくれるために必要なのですが、お金がかかるものはとにかく家族に相談してから決めましょう。

オーディションにかかる旅費・交通費

地方に住んでいる人が一次に受かり、二次面接のときに自費で東京に来てくれ、と言われたとき、交通費については悩むことが多いはず。どういう風に考えたらいいのでしょうか。

一昔前ならば、あなたがずば抜けた才能を持っていれば「相手がどうしても会いたいなら向こうから来てくれる」「相手がどうしても会いたいなら交通費を出してくれる」という考え方で構えていれば良かったのですが、2010年代以降はそういったアプローチは少なくなってきています。

インターネットが普及した現在、他の人にない才能を持っている人はインターネットを通して発掘されることが多いです。連絡はSNSのダイレクトのメッセージか電子メールです。

まだそういった才能を世の中に発掘されていない人、まだ自分の才能が何なのか自分でもわからない人は、オーディションを受けるしかありません。

そして二次面接のためにほとんどの場合、東京に来るしかありません。

地方に住んでいる人が東京に来るのは大変です。お小遣いだけではなかなか難しいし、家族の協力がどうしても必要です。

「二次面接の交通費も出せない」=「オーディションに受かりたいという意気込みに欠ける」と思われるのがシャクならば、自費で東京に行くしかないでしょう。今は募集要項にあらかじめそのようなことが記載されています。

ここが(自費を払う)勝負どころなのかどうかを見きわめるのは大変難しいですが、こういった選択の場面はこれからもたくさんあります。いつも原点に帰って今、自分は何をすべきかを冷静に考えられるようにしましょう。AKB48グループのオーディションは開催地(本拠地)まで二次審査と最終審査に自費で来る必要があります。当日に帰ることができなかったり、集合時間が早ければ宿泊も考えなければなりません。そのための準備もしておきましょう。

これは将来の芸能活動の分岐点が来たときの大切なトレーニングにもなります。最終的な仕事場所は東京が中心になってくるので、首都圏の空気に触れておくのは必要でしょう。

オーディションは受験や就職と同じ

芸能の世界で生き残っていくのは一般の社会よりも難しいです。そのスタートラインに立つこともままなりません。

スタートラインに立つということはオーディションに合格することを意味しますが、それは受験や就職と同じ、あるいはそれ以上の難関かもしれません。

あまり深く考えなくてすーっと芸能界に入って人気者になる人もたくさんいます。なりたくてなりたくて一生懸命努力しても人から見向きもされない人はもっとたくさんいます。

そういう現実があることをわかったうえで、それでもやりたいのならチャレンジする価値はあると思います。受験や就職と同じぐらい真剣に考え、自分の動機をはっきりさせることが、一次の書類、二次の面接であなたを認めてくれるチャンスを広げてくれます。

「有名になってテレビに出たい」「大好きな芸能人の○○さんと近づきたい」というだけの動機でオーディションに受かっても長続きはしないでしょう。長く続けるには「仕事」「就職先」「生きがい」という考え方がないと難しいです。

もちろん若い方にそこまで将来のことまで考えなさい、と言っても通じないとは思いますが、少なくともこのコラムに出会った方には少しでも「受かったその先」を見て取り組んでいただきたいと考えています。

本サイトのコラムの内容をあなたなりに実行していけば一次に通りやすくなっているはずです。そうすれば応援してくれる身内や仲間が自然にできてくる。オーディションに出かければ同じ立場の人と情報交換もできるでしょう。スクールに通えばあなたの現時点での実力がよくわかるでしょう。

たとえ一次に落ち続けても、アプローチの方法を少しずつ変えていくなりすればおのずと道は開けていくと思います。まずは一次合格通知をもらうまであきらめないことが大切です。もう一度 オーディションの一次審査から準備しておくこと の「次の審査までにやっておくこと」の項目を読んで二次審査に備えましょう。

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【満足度】 5
【コメント】すっごく分かりやすかったです!
もし、今受けているオーディションが悪質な事務所だったらどうしましょう。
【ペンネーム】 未来への希望

【満足度】 5
【コメント】 履歴書編を実行して、今日初めて1次の合格通知がきました。本当に入試の書類並に気合入れて書きました。ものすっごくうれしかったです(Ψ▽Ψ*)♪  面接も頑張ります!!!!
ありがとうございました。
【ペンネーム】 ちほ

■気合の入れ方も結構重要です。頑張ってください。(岡田)