皆さんご存知のように「スクランブルエッグ」は、各種タレントスクールの取材活動を行なっており、これまでに、後藤真希、大谷みつほ、平田裕香などの逸材を発掘しています。
最近、タレントスクール事情に変化が生じているという話をよく聞きます。もしかしたら、本誌活動の根幹を揺るがす前兆なのかもしれません。そこで、次号向けに行なった取材を通じて、タレントスクール、芸能予備軍の変化を追ってみたいと思います。
今回は、まず、芸能予備軍の現状を世代別に分けてコメントしていきましょう。
一般に芸能予備軍というのは、大きく次の3世代に分かれます。
- 小学校高学年~中学生(ジュニア世代)
- 高校生(高校生世代)
- 18歳~20代前半(アダルト世代)
現在、もっとも注目されているのが1のジュニア世代、昔から本誌スタッフの間では重点的にチェックされてきたわけですが、ここにきて、ローティーン向け雑誌のグラビア、モデルに多数進出、人気グループ「モーニング娘。」も、新メンバーはすべて中学生と、実戦での活躍ぶりが顕著になってきました。この世代をターゲットにした「BSジュニアのど自慢」からモー娘。のメンバー(高橋愛)が生まれたことも強力な追い風になっていることでしょう。
アダルト世代も高校を卒業して、自分でレッスン料を払える環境になることから、特にアーチスト志望の人がスクールに通いはじめる例が多く見られます。業界のほうも、いわゆるクラブ・ライブハウスでのボーカリスト、番組のキャスター・レポーター、その他18歳以上に限定される業種の予備軍として安定した需要があるのが現実です。
一方、芸能予備軍の主力として活躍してきた高校生世代は、ここのところやや元気がありません。これは、恋愛を含めた友達付き合いに忙しい面もあるでしょうし、中学生のときのように、親の全面的援助を得られなくなるという面もあるようです。実際、ジュニア世代が、高校入学と同時にフェードアウトする例も多く見かけます。
もし、高校の部活などで、タレント養成のための部が設けられたとしたら、高校生世代の予備軍としての活動が活性化されるのではないか。実は、それに近いことが、福岡のある高校で行なわれているのです。
本誌10号でも紹介した、福岡第一高等学校の「パラマ」芸能塾がそれで、先日、その文化祭を初めて取材に行ってきました。次回のコラムでは、その模様をじっくりとお送りいたしましょう。
小学生からの「英才教育」は今やあたりまえの姿に
2001年8月・平尾昌晃ミュージックスクール発表会より