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芸能予備軍事情11~選曲講座・2002年デビューアーチスト編

written by KEN

  Last Updated:2002/09/19
本記事を無断で複製・転載することを禁じます。
copyright(c)2001-2022 Scramble-Egg Inc.

この連載で2度テーマにした「選曲講座」ですが、なかでも7月に発表した藤本美貴編は、おかげさまでアクセス数が増加の一途をたどっている状況です。なお、9月にリリースされた新曲の2曲についても、あらためてレビューを行ないましたので、一度観られた方も、ぜひ再度アクセスしてみてください。

さて、今回のコラムも、選曲講座として、ミキティ同様、今年デビュー・ブレイクした注目のアーチストを3組取り上げてみたいと思います。

(1)day after tomorrow「faraway」

avexが社運を賭けて世に送ったとされているユニット(笑)。確かに、元ELTの五十嵐充をプロデューサーに迎え、五十嵐氏お得意のToTo-エアプレイ風サウンドに、ボーカルのmisono(倖田來未の妹)の関西芸人的なキャラをミックスさせるなど、「このサウンドこそが売れ線の主流!」と言わんばかりのavexの意地を感ぜずにはいられません。

歌うときの衣装は、misono同様TシャツにジーンズというスタイルでOKですが、歌詞が極めて女の子の素の気持ちを表現している感じですので、振り付け、メイクなどでかわいい部分を見せてほしいものです。そう、ちょうどジュディマリを歌うような気持ちでおけば成功するでしょう。
→オススメ度★★★★

(2)YeLLOW Generation「北風と太陽」

こちらは放送作家、おちまさとプロデュースのユニット。3人の、どこか影のあるキャラクターはもちろん、「北風と太陽」の歌詞も、おちまさとの持っている「アイドル」のイメージを代弁したコンセプト臭がぷんぷんする作りとなっており、前出のdatとはあらゆる意味で対照的です。

さらに「神の御加護」とかいった難しいフレーズも多く、初めてこの曲を聴く人にはアピールしにくい面もあり、オーディションの場には不向きな曲、というのが正直な感想です。

それでも、あえてこの曲を取り上げようとするなら、詞を理解して歌うというよりは、キャッチーなメロディに自身を乗せて歌うことを心がけたほうが正解かもしれません。幸い、3人ユニットとはいえ、ハモリ部分はユニゾン主体の構成となっており、ソロで歌っても十分通用するのが救いです。

また、声質的にも初期のSPEEDに近いものを持っていますので、小さい頃にSPEEDの曲に親しんできた人なら違和感なく歌えるかもしれません。
→オススメ度★★★

(3)上戸彩「Pureness」

タイトルからして浜崎あゆみっぽく、曲調に新しい部分は感じられませんが、彼女の今まで築き上げたキャラを忠実にトレースしている曲には違いありません。典型的な前サビの曲ですので、オーディションのなかでも、特にワンフレーズしか歌えないような予選向きの曲であるといえましょう。

音域も、中島美嘉の曲ほどではないにしろ、比較的狭い部類に入ります。とにかくアップテンポの曲で自己アピールしたいときには、そっとポケットに忍ばせておくような感覚でレッスンしておくといいのではないでしょうか。
→オススメ度★★★(予選では★★★★)

あれ、元ちとせは? 中島美嘉は? という声も聴かれそうですが、彼女らについては、すでに何曲かシングルをリリースしており、オーディションで歌われる場面も多く見受けられますので、機会をみて、選曲の傾向と対策をまとめる予定です。

今回取り上げた3組の共通点は、本文中で触れたように、ELT、ジュディマリ、SPEED、浜崎あゆみという、時代を作り上げてきた歌姫たちを意識し、消化した曲作りをしていることでしょうか。3組ともいい意味で未完成な存在ですので、今後どのような展開でCDをリリースしていくのか、十分に注目していきたいところです。

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