今回のコラムは、紙媒体も含めて「スクランブルエッグ」初登場となる「アイズボーカルスクール」（名古屋市）の発表会の模様をお伝えしましょう。（2002年3月9日 名古屋伏見ハートランドスタジオ）
「アイズボーカルスクール」の名前を初めて聞かれた方も多いかと思います。実は、名古屋在住の本誌読者の方から、昨年の8月に「私がレッスンを受けているスクールの発表会が9月にあります」というメールが届いたのがキッカケで、1ヵ月後の9月23日に初めて発表会（第2回）を取材。今回、連続して第3回発表会の取材を行うに至った次第です。
「第3回」というタイトルが示すように、設立されたのは2年前と、この手のスクールとしては新しく、まだメジャーデビューしたアーチストは輩出していませんが、地元のクラブ、ライブなどで活躍している予備軍も多く在籍しているようです。講師、スタッフも、20代～30代前半と若く、これからの展開が大いに期待されるところです。
さて、内容は、1人が2～3曲をフルコーラスで歌う形式で、出場者は全部で34人。時間は13:00から始まり、途中休憩をはさんで19:00過ぎまで続きました。それでも、出場者の友人を中心に、最後まで熱心に観られていた観客も目立ち、会場は終日立ち見が出るほどごった返していました。
終演後の出場者のみなさん
年齢層が比較的高いせいか(20代前半が主流)、選曲はアーチスト系の曲がメインでしたが、そのわりには素直な選曲が目立ち、いわゆる「スクールずれ」した感じの人はほとんどいませんでした。
個人的に気になった出場者を2名ほど紹介しておきましょう。
まず1人目は、ラス前に出場したm4（まほ）さん。前回の発表会から注目はしていましたが、2曲目に歌ったLitaの「蕾」は、エッチな歌詞が印象的で、彼女の浜崎あゆみ～YUKI系のキャラに怖いくらいハマッていました。白地にノースリーブのワンピースも、ステージ上でいい味を出しており、次にどんなコスチュームで登場するかとても楽しみであります。
2人目は、この発表会で数少ない(笑)高校生の相川美緒さん。中音域に力があり、ステージ上でも落ち着いた感じで安室奈美恵の曲などを熱唱、ときどき見せる笑顔が高校生らしくて新鮮でした。もう少し声に艶が出てくるとさらに大人の曲も歌えるようになるかもしれません。
m4（まほ）
相川美緒
ほかにも、名古屋駅前の「タワーズガーデン」で定期的にライブを行なっている渡辺よしみさん、今回のトップアーチスト賞を受賞したyookoさん、カントリー娘。の「恋は心の応援団」に挑戦した「たにまさ」さん、中島美嘉の「STARS」でトリを飾った浜辺美香さんなど、なかなかの個性派揃いで、歌の実力はともかく、ステージ上で自分を出し切った人が多かった気がします。
最近では、このようなスクールがWebサイトで生徒の募集を行うのは常識とされていますが、「アイズボーカルスクール」では、教室の案内やイベントの告知はもちろん、掲示板を通じて生徒、スタッフ間での情報交換もさかんに行なわれています。掲示板の更新頻度も高く、音楽以外の話題も書き込まれているようで、なかなか楽しい雰囲気が伝わってきます。
芸能スクールにとって、Webサイトは、単に情報伝達の手段のみならず、スタッフと生徒との関係を大きく変える役目も果たしそうです。元々、アーチスト志望の人は、Webを通じて発信される諸々の情報には敏感なはずですから、そうした感性に応えて、目標に向かって切磋琢磨できる環境を作ることが、スクールとして成長していく大きな要素になっていくことでしょう。