2013年11月10日に行われる「AKB48グループドラフト会議」の第3次オーディション(9月22日開催)で選ばれた候補生29名が集まりボイストレーニングとダンスレッスンを行いました。(2013年9月29日 都内スタジオ)
AKB48グループ ドラフト会議 候補者オーディション通過者直後の様子はこちらから。
本記事ではこの日のおおまかな流れを紹介していきます。
■ボイストレーニング
★ストレッチ
★ごく初歩的な発声練習
★1人ずつ「会いたかった」をサビ前まで
別記事で1人ずつ写真を掲載する予定です。お楽しみに。
★呼吸法、口の開け方
★走りながら発声練習
約2時間のボイストレーニングでした。自宅での練習法を教えてもらっていました。ここで 1時間昼休憩。
■ダンスレッスン
★1人ずつ意気込みを発表
ダンスレッスンの講師はおなじみ、牧野アンナ先生。意気込みを1人ずつ話してもらっていましたが、1列目が終わった段階で「頑張るは当たり前なので、頑張るという言葉は使わずに意気込みを」と指摘されていました。
アンナ先生の話を要約するとおよそ以下のようになります。
「本気で入りたいかどうかを言ってもらいました。今、レッスンといえども、ここで判断されることもある。映像が判断材料になるかもしれない。
今の自己紹介の意気込みがまったく面白くない。そこに勝負をかけているような、本気でやりたいと思ってる自分の気持ちが伝わってこない。口で言うのは簡単。『努力します』『死ぬ気で頑張る』、ほとんど同じことを言ったけど、じゃあ今、自分の思いを本当にちゃんと伝わるように自分の全部を使って表現していた人が一人でもいたかというと一人もいない。まわりと同じことしか言ってない。なんの個性もない。
じゃあAKBのメンバーになったら何が大事なのか。ダンスが上手だとか歌が上手だとかそういうことじゃない。必ずしもそういうメンバーが選抜になっているわけじゃないでしょ。
その人を好きな理由は、その人がダンスが上手、歌が上手とかじゃなくて、その人の個性があるから。 その個性をいかに出すか、ダンスを通して自分のキャラクターをいかに出すか。今、何も見えてない。だから口先だけはやめて。
本当に頑張るって言いながら何も伝わってこない。本当に頑張らなければ11月10日に選ばれない。選ばれるためには今のチャンスを活かさなければいけない。どこで何を頑張るのか。上手下手ではなく、全力で、その全力が見ている人に伝わらなければいけない」
★「GIVE ME FIVE」をフリーで表現
ストレッチに入る前に、振りは自由で構わないので、「全力で」自分を表現するレッスン。
1コーラス聞いて、実際にやってみると、全く身体が動かせない人、元気さが足りない人、自分自身に照れがあるのか全力を出し切れない人、声が全くでない人など、見ていても大丈夫かと思うほどでした。
そこでアンナ先生から渇が。
「今、全力でやりきったと自信持って言える人」と聞き、1人か2人ぐらいが挙手。逆に「全力でできなかった人」と聞き、10人ぐらいが挙手。なぜできなかったのかを当てられて答えているうちに、自分ができなかった悔しさで泣き出してしまう場面もありました。
「さっき死ぬほど頑張るとか本気で頑張ると言っていたのに、それは全力なのか。全力でやっている人は誰一人としていない。今、変われるかという『覚悟』を見たかったのに、今のみんなにはその『覚悟』が全然足りない。AKBの選抜メンバーは振り付けを練習する時間もほとんどなく、急に振り付けが変わっても人前に立つ『覚悟』があるからできる。自分が変わる覚悟がないと変わっていけない。恥ずかしいとか考えてては何も変われない。今、変われないでいつ変わるのか」
といったような話があり、何度かやり直して少しずつ動けるようになってきた様子でした。
★ストレッチ
★リズムの取り方の練習
「RIVER」を使って16ビートでリズムを感じて表現する練習。
「ヘビーローテーション」を使って体重移動や基本的なステップの取り方の練習。
自分の身体が今どういう状態になっているのかを自分でコントロールできるようになるのが基本だそうです。
★「会いたかった」でグループワーク
「会いたかった」はオーディションのダンス審査で振り付けを教えてもらっていたようなので、それをまずやってもらい、3組に分けて踊ってもらうことに。
「会いたかった」を踊ってもらっている間にアンナ先生は一人一人をチェック。どういう基準かはわからないですが、4組に振り分けました。
振り分けられた4チームで、「会いたかった」をオリジナルなものに仕上げていくというグループワークが始まりました。「歌パートはオリジナルにとらわれず自分たちで分ける」「1ヵ所だけ自分たちのオリジナルなものを付け加える」という課題で、話し合って練習。持ち時間は20分。アンナ先生の審査のポイントは以下とのこと。
- 全員が歌っているか、全員振りが出来ているか
- 全員が曲の明るさ、歌詞の内容を表現できているか
- チームワークはあるか(誰か上手な人がいてもすごく下手な人がいたら評価が下がる)
- チームの個性が出ているかどうか
いよいよ発表です。
アンナ先生はチームとして何を大切にしたかというのをそれぞれ聞いたのち、候補者に印象を話しました。
全員が統一されていたのか、本気で自分たちがプロとしてパフォーマンスを見てもらおうとしているのか、AKB48のメンバーと比較して、今、何が足りないのかについてです。
「踊れてない人は自分が踊れてないのがわかっているのか、迷惑をかけているのがわかっているのか、また、全員が同じ気持ちになるためには踊れてない人に対して真剣に怒れるのか。中身がともなっていないから自分たちが楽しいだけで真剣味がない。それが見てくれる相手に向かって発せられていなければ学芸会になってしまう。
自分がどうしたい、とかではなく、これからあなたたちが行く世界は、見ている人を楽しませることができるか、見ている人を満足させられることができるかということ。じゃあ見ている人を満足させるためには、今、自分たちが何ができるのか、何をすべきなのか、常にその意識を持ってなければAKBのメンバーに入れるわけがない。
技術は後からいくらでもついてくる。技術の話ではなく、今の意識のままなら、怖くて選ぶ側も選べないよ。
だからものすごいスピードで意識を変えていかなければ、11月10日に選べれることはまずない。AKBを甘く見てはいけない。
死ぬ気でやるとか、努力するとか言ってるけど、そんな簡単にできることではないよ。
だから『本気になる』ってどういうことがよく考えること。
これから次のレッスンまでの間に時間があるけど、たいして変わらないで戻ってくる予想をしてます。なんとなく与えられたものをこなす感覚で来る、もしくはほとんどやらないか、だと思う。
でも、そういうものなんだよ。この中で本気で1日中そのことを考えて1日中死にもの狂いで頑張って、2週間後に戻ってくる子が1人か2人いれば十分なのかもしれない。AKBに入れる人間はたぶんそのぐらいなんだよ。もしくはゼロ。
もしドラフトで選ばれる人間になりたいんだったら、ほかの人たちがしないようなことをしてこなければ無理。ほかの人と同じ感覚で同じようなことをやっててはダメ。誰かが『ちょっと待って、違うんじゃない?』って言えないとダメなの。自分がちゃんとなければダメなの。そこがわからなければ無理だから。
今のレッスンしてる姿の全部が評価の対象になってて見られるんだから、そういう意識で毎日朝から晩までレッスンしたって間に合うかどうかわからないよ」
このあとクールダウンして2時間にわたるダンスレッスンは終わりました。
候補者たちは始まる前とは目つきが明らかに違っていました。ドラフト会議当日まであと1ヵ月と少し。彼女たちはどのように変わっていくのでしょうか。次のレッスンは2週間後とのこと。
レッスン後、マスコミ各社が囲み形式ではなく、何人かを指名して感想コメントをもらう流れになっていましたが、すでにそこで選ばれる子、選ばれない子が出てきています。
今回の「ドラフト会議」は初の試みです。今までの48グループオーディションとの一番大きな違いは、指名するのは女性、現役アイドル、現場のキャプテンであることです。大人が選ぶわけではないこと。どういう視点で選ばれるかは正直わからないですし、判断材料がどのぐらい渡されるかというのも現時点では不明です。
ドラフト会議自体、初めての試みですが、オーディションに参加している側にとってはアイドルになりたい、あるいはAKB48グループの一員として活躍したいという気持ちで受けてきているのは各グループの(研究生)オーディションに応募する気持ちと同じのような気がします。
次回のレポートは、29人参加者のソロカットをお届けする予定です。(撮影・取材 岡田)
AKB48グループ ドラフト会議 候補者 初レッスン密着レポート(2) 歌唱時写真 に続きます。
ドラフト会議オーディション候補者のブログも始まっています。こちらもチェックしてみるといろいろなことが見えてくることでしょう。
AKB48グループ ドラフト会議 候補者オフィシャルブログ「候補者日記」