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AKB48 チームKと走った15ヵ月の軌跡

written by KEN

  Last Updated: 2007/06/08
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AKB48チームA、チームKの現在の公演が、6月下旬に相次いで千秋楽を迎えます。

7月からは、両チームメンバーを統合した「ひまわり組」公演がスタートする予定で、劇場公演としてのチームA、チームK体制は千秋楽をもって終了します。

これまでに(2007年6月7日現在)、私が観た劇場公演は67回、うちチームKが39回、チームAが26回、そしてチームBが2回とチームKが半数以上を占めています。

一つのユニットのライブを、1年あまりで40回近く観るという経験は、今までの人生にはなかったことです(笑)。そんな、私が人生で最も熱くなった(であろう)ユニット「AKB48チームK」を、千秋楽を迎える今、振り返ってみたいと思います。

【チームKの事実上の旗揚げ】

これまでのコラム、ブログ(KEN爺の小言(KKGT))で何度もコメントしたように、AKB48は、特別な才能を持った人ではなく、どこにでもいる、芸能界を目指す意志の強い人が集まったユニットです。

しかし、今振り返れば、チームAとチームKでは、その選考基準に微妙な違いがあったのも確かでしょう。

2006年2月19日、現チームKメンバーを選ぶオーディションの過程で、東京プリンスホテル内の広間を使って、ファンを抽選で集めての公開審査が開催され、私もファンの1人として参加しました(本サイト「AKB48追加メンバー選考公開オーディション」参照)。

審査員とのテレビ電話のやりとりでは、現メンバーを含めた15名ほどの審査参加者が紹介されましたが、本選合格者発表の際、秋元プロデューサーがテレビ電話で合格の連絡を入れたのが宮澤佐江ちゃん、夏先生が連絡を入れたのが秋元才加ちゃんでした。

宮澤佐江秋元才加
AKB48追加メンバー選考公開オーディション合格発表の様子(2006年2月19日)
(取材・撮影 岡田隆志)

両者とも順当にAKB48に加入、以来、チームKの「顔」としてユニットを引っ張っていくことを考えれば、両プロデューサーのこの人選こそが、実質的な「チームK」の旗揚げと言ってもいいかもしれません。

それでは、なぜ、秋元、宮澤といった、男性アイドルファンが求めているアイドル像とは微妙に離れた(と思われていた)2人を中心に据えようとしたのでしょうか?

おそらく、秋元プロデューサーを筆頭にしたスタッフは、当時の劇場の空気から、

「次のチームは、どうしてもこれまでのチームと比較され、ファンからつらい言葉を浴びせられるかもしれない」

と考え、プレッシャーに押しつぶされない「打たれ強い」タイプの子を選ぼうとしたのでは、と推測しています。

「打たれ強い」タイプとは、単刀直入に言って、思いきり気が強いか、思いきり天然かのどちらかです。気丈さと天然さが微妙に絡まり合うチームKのパフォーマンスは、メンバーの人選の段階から運命づけられたもののように思えます。

【「負い目」の連帯感から生まれた「転がる石になれ」】

一方、チームKは、ファンの気質も独特なものを持っています。

私を含めて、チームKの公演に熱心に通っているファンは、大まかに言って次の4パターンに分類されます。

  1. チームA公演のチケットが早い時間に売り切れるようになったため、当初は、まだチケットの売れ行きに余裕のあったチームK公演に通いつめるうちにのめり込んだ。
  2. 最初はチームA公演の間合いのつもりで通っていたのが、チームAメンバーを上回る「推しメン」が見つかり、のめり込んだ。
  3. 最初に観た公演がチームK公演で、そのままハマってしまった。
  4. チームA、チームK、どちらもまんべんなく通っている。

多分、私自身は(1)のパターンですが、どのパターンにしろ、1stステージの公演に熱心に通っていたファンの中には、チームAに必死なファンに対して「本当はAもフォローしたいんだけど…」という「負い目」のようなものを感じていた人もいるでしょう。

それは、1stステージで、先輩のセットをコツコツとこなしていたメンバーの気持ちとも合致します。

AKB48 チームK 第2幕「転がる石たちの青春群像」 でもコメントしたように、ちょうど1年前、野呂佳代ちゃんがステージの上で涙を流していたとき「もしかしたら、チーム内に相当な不協和音があるのでは」と感じたものです。直後に17人在籍していたメンバーの1人が体調不良を理由に脱退、新しいセットに慣れて絶好調だったチームAのステージを横目に見ながら苦しんでいたのは想像に難くありません。

秋元プロデューサーも、この時期に劇場に通った際「負い目」を抱いたメンバーとファンとの間に、不思議な「連帯感」が芽生えているのを感じとっていたのでしょうか?

そんな「連帯感」から生まれたのが、2ndステージの代表曲「転がる石になれ」にほかなりません。この楽曲は、チームKのスピリットを代弁すると同時に、ファン気質をも代弁、刺激(煽動)し、アンコール後に、この曲のイントロを聴いてファンがMIXを打つという、チームKの応援パターンを完成させたのです。

最近「空気を読む」というフレーズが安易に使われる風潮がありますが、劇場の空気を冷静に読んで次のユニットの方向性を決める、ユニットにふさわしい楽曲を作るという行為は、まさに正しい「空気の読み方」を我々に提示してくれているように思えます。

現在、この曲のスピリットは、チームBに受け継がれています。6月初旬現在、怪我人続出のなかで、どのようにして、チームBのユニットとしてのモチベーションを維持していくのか、「転がる石になれ」を通じて問われているような気がします。

【チームKの楽曲にハマるのは人生の必然】

私がチームKの公演に多く通い続けた理由の1つとして、チームAと比較して、私にとって耳になじむ楽曲が多かったという面も否定できません。

チームAの楽曲から想起されるのが、どちらかといえば、都会、アスファルトの中で生きる少女たちであり、サウンド的には、ブリティッシュロック、ユーロを基調にした「おしゃれ」系が中心だったのに対して、チームKは「雨の動物園」「僕の打ち上げ花火」「草原の奇跡」に代表されるように、自然、リゾートといったアウトドアで生きる少女たちをテーマにした楽曲が多く、サウンド的にも、アメリカンハードロック、ファンクなどの「土着」系が中心だったように思えます。

ブログ「KEN爺の小言(KKGT)」の表紙に
「『スクランブルエッグ』Webサイトのスタッフとして、北は北海道から、南は今のところ九州まで全国を駆け巡っている…」
と記載している通り、私は無類の旅行好きです(笑)。また、洋楽では、イーグルス、ジャーニー、ボン・ジョビなどのアメリカ系のバンドを熱心に聴いていました。これまでの趣味、嗜好から言って、チームKの楽曲にハマるのは人生の必然だったかもしれませんね(笑)。

7月からの「ひまわり組」公演は、さしあたって、チームA 的な楽曲、チームK的な楽曲をミックスした構成になると思います。その際、どのような詞の世界、サウンドが継承され、封印されていくのか、継承、封印の度合いが、今後も私が熱い思いで劇場に通うことができるかどうかのバロメーターになりそうです。

【野呂佳代が教えてくれたもの】

最後に、感謝の意味をこめて、チームK一推しの野呂佳代ちゃんについてコメントします。

今でこそ、彼女を堂々と「推しメン」と言える状況ですが、少なくとも、チームK公演を初めて観た段階では、ほとんどの人が「推せる」とは思わなかったはずです。

年齢、体型もさることながら、本人の後ろ姿に、どこか人生を背負った部分を感じてしまい、「半端な気持ちでは推せないのでは?」と気にはしつつも、あからさまに「いいよね~」と公言するのは躊躇がありました。

しかし、あえて年相応の部分をファン、メンバーにアピールして、本音を隠さないで話すことで魅力度がアップ。体型も徐々に締まっていきました。私自身、受けは狙っても(笑)、決して飾らないトーク、仕草に徐々にハマっていったような気がします。

昨年10月28日の聖誕祭前後に、彼女推しのファンの人を含めて何人かと話す機会がありましたが、意外にも、某ジュニアアイドルユニットのコンサートに熱心に行っている人が
「彼女みたいな年上もいいよね~」
と話していたのが印象的でした。

このように「ジュニアアイドル一筋」のファンが劇場に来て、23歳の女性が一生懸命アイドルしている姿を見て心を動かされたなら、彼女を筆頭にした「年長組」をAKB48に加入させた意味は大いにあるでしょうし、その評価は、同じ土俵(ブログなど)で交わされることによって、ジュニアアイドル偏重に対する「アンチテーゼ」ではなく、ジュニアアイドル(ファン)との「共存」という形で残っていくと私は思っています。

私自身「スクランブルエッグ」の取材を通じて、以前にも増して10代、それもローティーン以下の子を扱う機会が多くなっており、知らず知らずのうちに、年齢で物事を評価していないだろうか? と自問自答する日々が続いています。

そんなときにいつも思い出しているのが、昨年10月28日の佳代ちゃんの聖誕祭シーンです。20歳を過ぎて、誕生日を盛大に祝えるって何て素晴らしいことではないか! 野呂佳代ちゃんの存在は、芸能人を応援していくうえでも、芸能予備軍を発掘するうえでも、バランス感覚を失なってはいけないことを私に教えてくれているかのようです。

先日の5月29日、「office48」のサイトがリニューアルされ、佳代ちゃんは、Chocoloveの3人(中西里菜ちゃん、秋元才加ちゃん、宮澤佐江ちゃん)、折井あゆみちゃん、そして他の5人のチームKメンバー(梅田彩佳ちゃん、奥真奈美ちゃん、小林香菜ちゃん、佐藤夏希ちゃん、増田有華ちゃん)ともに所属が決まりました。

他の5人も、チームKのカラーを支えてきた個性派ばかりです。気が早いかもしれませんが、佳代ちゃんを含めた6人で、何かサプライズを起こしてくれそうな、しかし歌、ダンスの実力はしっかり備わったユニットが結成されることを期待したいですね。梅ちゃん(梅田彩佳ちゃん)も、「脳内パラダイス」公演にほとんど出演できなかったリベンジは果たしたいでしょうから。

6月22日の千秋楽まであと10日あまり、メールが当たらない限りは、劇場観戦はおろか、カフェ観戦も困難な状況ですが、この15ヵ月(1年3ヵ月)、有休も満足に取れない状況で、私なりに必死に劇場に通ってきましたので、悔いはありません。

今後は、ときどきは「ひまわり組」「チームB」公演に通いつつも、ライフワークである次世代の芸能予備軍の発掘に、再び力を入れていこうと心に誓う次第であります。たとえ、発掘した子がAKB48にとって強力ライバルになるとしても

奇跡のユニット、チームKに感謝!

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