更新情報

検索する

AKB48物語「チームA 4thリバイバルと初の研究生公演」

written by 岡田隆志

  Last Updated: 2008/05/24
本記事を無断で複製・転載することを禁じます。
copyright(c)2001-2022 Scramble-Egg Inc.

2008年4月20日からチームAの4th Stage「ただいま恋愛中」リバイバル公演が始まりました。

この「ただいま恋愛中」公演は2007年2月25日に初日公演が行われたのち、全国ツアーが間に入ったことや、絶対的な公演数が少なかったことから、劇場で見た人数も少なかったことやファンの方々のリクエストなどから再演となったようです。

私自身も「ただいま恋愛中」の劇場公演は初日1回限りしか見ていなかったので、1年と2ヵ月ぶりに見るチームAの公演が怖くもあり、楽しみでもありました。そして初日の夜の公演を見ることができましたので、その感想から述べたいと思います。

ひまわり組からチームAへ

以前、コラムでA 4th『ただいま恋愛中』は“ただいま再構成中”だと書きました。(初の全国ツアーとチームBの誕生

その中でステージの楽曲構成が“シングル曲からアルバム曲”になった印象を受けたとも書きました。その印象自体は今回見た感じでは言葉の上では同じなんですが、意味合いが若干違った発見をしました。

「ユニット曲の1曲1曲の完成度はすごく高いのに、続けて聞くとなぜかしっくりとこない」

要するに1曲1曲が完結していて、前後の曲とのつながり、ステージ全体の流れよりも、曲を優先してしまった、という意味で「アルバム曲」という表現は外れてはいなかったのだと思います。「楽曲群の完成度は高くない」と以前、コラムで書きましたが、そうではなかったのです。

さて、今回のステージから中西里菜、大江朝美も復活し、「チームA」のメンバーがステージに勢ぞろいしたことで、感慨にふけった古くからのファンも多かったようです。

私個人はというと、ひまわり組公演になったことでなかなか劇場で見ることができなかったメンバーが見られるようになったことがうれしかったことと、「チームAってこういうことだったんだ」といった妙な安心感や懐かしさを覚えたことがまず印象に残りました。

行きたいときに行きたいだけ劇場に行くわけにもいかないものですから、どうしても「ひまわり組」公演の中で核となるメンバーが多いときに足を運ぶことにならざるを得ないので、1年近く劇場で顔を見られなかったメンバーもいたわけです。

チームAだからこそ生きてくるメンバーとは

チームA、チームKが一緒に日替わり公演を行うことで得たことはたくさんあったように思います。まずはチーム間の何らかの距離感を縮めてAKB48としての一体感を作っていくこと、そしてファン層が特定のチームだけにつくことで起きる軋轢(あつれき)を少なくすることが挙げられます。

それよりも実質AとKとの実力差がなくなってきたため、メディアに出る仕事でチームのことをあまり意識せずに割り振っていけるようになったことがAKB48全体としては良かったように思います。

そんな中で、チーム内での存在感ではなく、AKB48の中での存在感、もっと広く言えばアイドルの世界あるいは芸能界での存在感を出していけるメンバーもちらほらと出てこれるようになりました。

前田敦子、大島麻衣、小嶋陽菜、小野恵令奈、大島優子あたりはAKB48を離れてソロとしても存在感を出していけそうな活動が見受けられました。それは演技そのものという話ではなく、AKB48ファンだけでなく一般のファンやインタビュアーに対してのトークの受け答えができる点で他のメンバーとはアドバンテージがあるように感じました。

ひまわり組ではその存在感を十分に発揮できなかったのに、チームAになって急激に輝きを増したと感じたのは篠田麻里子、板野友美の2人。チームKが混じった“濃い”水の中では自由に動き回ることができなかったんでしょうか(苦笑)。なんだかとても生き生きしてるように見えました。

「安心して見られる」というのは、自分の中での「チームAの見かた」がすでにあって、それに従って見ることである種の快感が得られることが分かっているからなんだと思います。

同じように「チームKの見かた」も「チームBの見かた」もあるのですが、「ひまわり組」はキャストがころころ変わることで見かたが安定しなかったり、自分の中での優先順位を試されているような気がして若干の違和感を感じながら見ていたように感じます。

初の研究生公演の意味

すでに「A 4thリバイバルは研究生公演のようなもので、研究生を見るのが楽しみ」という見かたをする人も少なくない中、チームAのメンバースケジュールの都合で2008年5月22日に初の研究生だけによる公演(チームAの藤江れいなのみ参加)が実現することになりました。

その公演を拝見させていただきましたけど、実際、劇場内はふだんにはない異様な熱気に包まれていました。

私の研究生に対するスタンスは、「研究生」という存在ができたときから決めていて、「名前は無理して覚えないし、フォローもしない」というものです。

それはなぜかといいますと、研究生をフォローする前にやるべきことは、正式メンバーをフォローすることだと思っているからです。

もう一つの理由として、まだ正式メンバーにもなっていない特定の子を持ち上げることで、いろんなところに期待やプレッシャーをかけたくないから、というのもあります。

ただでさえ生き残りが厳しい芸能界の中で、いつ正式メンバーになれるかわからないのに夢を持ち続けている研究生の気持ちを推し量ると大変なことには違いないのですが、実際問題、その先のほうがもっとずっと大変なので、妙に周りから持ち上げるのではなく、自然に認められていくほうがいいと思うからです。

というわけで、初の研究生公演の感想です。

終演後、スタッフの方に「どうでしたか?」と聞かれ「めちゃめちゃ面白かったです!」と答えました。

何が面白かったかって、みんな一生懸命、自分を出そう出そうとひたむきにやっているからです。たぶん、今のチームA、K、Bにはもう出せないものだからです。もちろん、それぞれのチームの最初の頃のみんなにはそれがありました。見てる側としては、その「ひたむきさ」を見て感動して応援しようと思ったに違いないからです。

だから「めちゃめちゃ面白い」んです。研究生といっても、オーディションから1年が経とうとしている研究生もいるわけで、特に問題もなく「ただいま恋愛中」の公演をこなしてしまっている底力を見せつけてくれました。

これならこういう公演も「あり」でしょう。たぶん“通な”ファンはこっちのほうが楽しいのかもしれません。

1分半ですべてが決まる

前出のように、私は研究生を無理して名前も顔も覚えないようにしているので、名前だけはよく知ってても顔と一致してないとか、顔は知ってても名前は知らない子たちが一堂にステージに立ったため、とても刺激的なものとなりました。

メインのキャストとして登場したらこちらも真剣です。顔と名前を覚えるのに必死です(笑)。必死でもないですけど。

以前、どこかで書いたことがあると思うんですが、私なりのグループアイドルの個人の判別方法は「ニックネーム」です。メモを取れる環境だったら、1分半以内に自分でしか分からない「ニックネーム」をその子につけます。

なぜ1分半かというと、オーディションやタレントスクールの発表会で1コーラス歌う時間がそのくらいしかないからです。その中で個人を判別する「コード」(個人を特定させるニックネーム)と、評価を決めなければならないのです。それはスクランブルエッグのスタッフ全員が持っている特技というか、必須の職人技です。

逆の言い方をすれば、そういう短い時間で自分を相手に印象づけられないタレントや予備軍は「存在しないもの」になってしまうのです。本当に厳しい世界です。

今回、藤井れいな+16人の研究生全員のニックネームを自分なりにつけたのですが、やはり覚えられやすい、そしてもうすでに定着しているニックネームは強いことがこういう公演でもよく分かります。

キャラの薄いと感じている人は自己紹介のコーナーだけでなく、MCのときには多少くどくても常に自分の名前を言うぐらいのことはする必要はあるでしょう。

熱心なファン(および専門家)はすぐに顔と名前を覚えてくれますが、たくさん人数がいたら覚えてくれるわけがありません。それはAKB48の正式メンバーにも言えることです。21日の「AKB48 ネ申テレビ」の制作発表に集まったとても多くの記者たちにいったい何人が記憶に残ったことでしょう。それを考えると、AKB48はアウェイ的な状況の中での自己アピール力がものすごく不足しているように思えてなりません。

マリリン、エース、夏子

話を戻します。一応、この研究生公演の出演者全員にニックネームを付け、判別しました。最初、ちょっとわかりづらかったんですが、個人的にはチームBを判別するよりは分かりやすかったように思います。

現時点では、研究生の状態で名前を挙げないつもりですので、特に印象に残った3名を私だけがわかるニックネームで紹介しておきます。もちろん、わかる人にはすぐにわかるかもしれませんが。

●マリリン
たぶんマリリンはAKB48にいなくっても成功するタイプかも。独特な存在感と、印象に残るルックスが女優に向いてるような気もします。

●エース
人気もすでにあるし、もしAKB48のオーディションに落ちていたらどこかのアイドルグループか、ソロのアイドルとして通用する即戦力系なので、当然キープしておくべき存在です。

●夏子
夏子はAにもKにもBにもいないルックスを持っているのと、歌声がなかなか良くて、AKB48には絶対必要な存在になる子です。

あとはAKB48の中に入れたら魅力的な子が2人ぐらいいましたが、上が詰まっているのでコメントはこのぐらいがちょうどいいところでしょう。

「AKB48 ネ申テレビ制作発表」とチームK 4th Stage

21日の「AKB48 ネ申テレビ制作発表」の記事を載せておきました。そこの最後の質問「好きな有名人に会えるとしたら?」 は実は私がしました。

その答えをご覧になってみなさんはどう感じたでしょうか。

この質問にはいろんな意味が込められています。

  1. (本人はさほど意識せず)好きなタレント名を挙げることで、メンバーそれぞれの趣味や、今まで生きてきた背景などを、簡単に多くの記者に知ってもらうため。
  2. 人を楽しませようとちょっと工夫した回答ができるかどうかのタレント性を試す瞬発力テスト。

これはひとつのオーディションです(笑)。こうやって見ると、いかにチームKが個性あふれたメンバーが揃っているかがよくわかるような気がしませんか?

そんなチームKによる4th Stage「最終ベルが鳴る」公演が5月31日より始まります。完成度が高かった「脳内パラダイス」から次はどういった展開になるのか、期待はふくらむばかりです。

夏にかけての展開もいろいろな方面から聞いてはいますが、それについてはまた別の機会に触れることにしましょう。

【追記】研究生公演の意味について追記したいことが出てきたのでブログのほうにまとめました。AKB48研究生公演がなぜ面白いかについての考察

AmazonでAKB48をサーチ

●関連記事

AKB48関連コラム

本記事を無断で複製・転載することを禁じます。
copyright(c)2001-2022 Scramble-Egg Inc.