AKB48は、2006年4月1日より、従来のメンバー20人を「チームA」、オーディションで選ばれた新メンバー17人を「チームK」とする新体制がスタートしました。
私は、4月2日に、早速チームKのお披露目公演に足を運び、その後数度公演を観戦しました。ここでは、チームKを観ての率直な感想、今後の観どころについてコメントしてみましょう。
【チームKから見える選考基準】
4月1日に発表されたチームKには、キッズ系ミュージカルに出演したり、メジャーオーディションで上位に進出した経歴を持つ人が何人か見受けられました。2月19日に行われた「AKB48追加メンバー選考公開オーディション」で、テレビ電話審査を受けていた人からも数名選ばれているようです。
しかし、実際のステージを観る限りは、チームA同様、極端に「場慣れ」した人や、歌、ダンスの実力が抜きん出た人は存在しませんでした。「Online Column - スクール生ウォッチャーから見たAKB48」でコメントした「鍛え甲斐のある人」「エース、4番打者は避ける」の2点は、選考基準として首尾一貫しています。
そうなると、逆に、AKB48に選ばれない(であろう)タイプというのも見えてきます。
例えば、
- ダンス・ボーカルユニットのメインで活躍しているタイプ
- ジュニア系雑誌のモデルに出てきそうな、長くて細い脚を持ったタイプ
- 顔立ちが年齢よりも大人っぽく見えて、整っているタイプ
- 同世代の女の子にとっての「カリスマ」になりそうなタイプ
などはその典型と言えるかもしれません。
上記のタイプは、決して特定の芸能人を指しているわけではありませんが(笑)、メジャーな事務所、レコード会社、音楽プロデューサーが、ここ10年来、一貫して追い求めている素材であることは間違いありません。
今さらながら、AKB48は「メジャーでは引っかかりにくい素材を、その道のプロがお膳立てしたステージで最高の輝きを見せることを目的としたユニット」であることが、チームKの顔ぶれでハッキリしたようです。
【許容範囲の違いが評価の分かれ目】
さて、最初からほぼ満員の状態で始まったチームKの公演は、ファンの間からは「やはりチームAのほうが……」「チームAの復活が待ち遠しい……」いう声が少なからず聞こえるなど、決して評判は芳しいものではありませんでした。
同じ演目で比較されるのも理由の1つですが、それ以上に、ファン自身が持っている「アイドル」の基準(=アイドル像)と、チームKの人選にズレが生じていることのほうが大きいかもしれません。
アイドルファンがこだわる「アイドル像」は、例えば年齢、身長、体型といったものから、しゃべり方、声質、(ステージから感じられる)性格まで多種多様で、一枚岩ではありません。さらに、自身のアイドル像に厳格に対応している人もいれば、「ルックスが良ければ」「好みのタイプならば」とアバウトに対応している人もいるのです(私自身はどちらかと言えば後者です)。
ぶっちゃけた話、チームAが、ファンの「アイドル像」に一定の配慮を払って選ばれたのに対して、チームKは、キャラクターが面白そうなら「何でもあり」的人選であり、それが、厳格な考えを持ったファンには「許容範囲外」と捉えられたのではないかと考えています。
とは言え、先に述べたように、ステージを演出している人たちは、その道のプロばかりです。チームAがそうであったように、チームKも、ステージで磨かれることによって「化けていく」子が大勢出てくるでしょう。むしろ、年齢を問わず、少々濃い目のキャラクターが揃っている分、チームKのほうが圧倒的に変化率が高いようにも思えます。
AKB48 チームKのライブは、ファンのアイドル体験のみならず、アイドル許容度まで測られているような気がします。パフォーマンスのレベル云々を論じるよりも、とにかくメンバーがどのように成長していくかを見つめていたいというのが私の率直な気持ちです。
【チームKの観どころ!】
まだ始まって日も浅いですが、さしあたって、私自身が「ここがチームKの観どころ!」と感じた点をいくつか紹介してみましょう(個人的願望も含まれています)。
- 声質のいい河西智美ちゃんが、いつ複数のユニットでのソロパートを任されるか。
- 大阪元気っ子の増田有華ちゃんが、いつ大阪弁以外の特技をステージで見せてくれるか。
- 野呂佳代ちゃんが、いつアンコールの「AKB48」を歌った後に、ヘトヘトにならずに、ファンに笑顔を振りまいてくれるようになるか。
- 福岡3人娘(梅田彩佳ちゃん、松原夏海ちゃん、チームAの篠田麻里子ちゃん)のコラボは実現するのか。
- 小野恵令奈ちゃんと奥真奈美ちゃんのユニット(仮:EREMANA)によるオリジナル曲は実現するのか。
チームKのこれからの活躍に期待します。