2006年2月19日 東京プリンスホテル
NTTドコモのテレビCMなどでおなじみ、AKB48(エーケービー・フォーティーエイト)の追加メンバーオーディション(「テレビ電話×AKB48」オーディション)がNTTドコモの携帯電話FOMAのテレビ電話機能を用いた公開オーディションとして開催されました。
今回の公開オーディションはAKB48劇場(シアター)で毎日公演を繰り広げ、2006年2月1日『桜の花びらたち』でデビューしたAKB48の追加メンバーの2次選考を全国5ヵ所のオーディション会場(北海道、関東、中部、関西、九州)にいるオーディション参加者と審査会場にいる審査員を携帯電話FOMAでダイレクトに結んで行う世界初のオーディションです。
今回のAKB追加メンバーオーディションには11,892名の応募(前回は7,924通)があり、そのなかから書類審査を通過した131名が参加しました。この日の公開オーディションの様子はNTTドコモのFOMAで生中継で無料配信され、54名が審査を通過し、2月26日に行われる最終審査を経てAKB48の追加メンバーとして採用されます。
今回生放送ということもあり、報道関係者向けに質疑応答やフォトセッションタイムがありませんでしたので、当日FOMAでご覧になれなかった方や、今後AKB48に参加したいと思っている方々のために実況中継風にレポートします。
会場は前の列は報道関係者、後ろは抽選で選ばれたAKB48ファンのみなさん(なぜかスーツ姿)。公開オーディションは番組風に進められ、司会2名、審査会場レポーター1名で進行されました。
写真左の大きい画面は審査会場のモニター、右の5つの画面はテレビ電話のオーディション(全国5会場)の画像が生で実況され、真ん中の携帯電話をかたどったモニターには5会場のうちのひとつがピックアップされ、実際のオーディションの様子が中継されます。(上・右写真の審査員は夏まゆみ氏)
公開オーディションでは名前、年齢、出身、PRなどが何人か紹介され、審査員席にはFOMA(携帯電話)が固定された状態で各会場とつなげていました。テレビ電話の画質でどのぐらいオーディションができるのか疑問点もなくもないですが、それは最後の審査員コメントを参考にしてください。
審査のあと、ファンお楽しみのAKB48のメンバーのうち7人が登場し、司会の人とのトークタイム。ファンサービスということで本サイトのいつものイベントレポート風にこの日に出席したメンバーを紹介しておきます。
高橋みなみ
板野友美
司会の人との質疑の一部を紹介します。
――テレビ電話オーディションでの応募者の表情を見た率直な感想を。
高橋みなみ「私たちがオーディションを受けたときの表情と似ていてみなさんの気持ちがよく分かります」
――どんな人がメンバーに入ってほしいですか?
板野友美「48としてシアターで一緒に頑張っていける素敵な女の子に入ってきてもらいたいです」
峯岸みなみ
小嶋陽菜
――どんな人がメンバーに入ってほしいですか?
峯岸みなみ「お互いに高めあったこれからのAKB48として一緒に一生懸命頑張っていける子に入ってきてほしいです」
――CMと同じような感じでオーディションをしたのですが、見ててどんな気持ちでした?
小嶋陽菜「私がオーディションを受けたときは審査員の方の前でやったのですごい緊張したんですけど、テレビ電話オーディションなので、その分リラックスしてできると思うんですけど、短い時間のなかでアピールしなきゃいけないので、すごい大変だと思います」
成田梨紗
前田敦子
大島麻衣
――CMではチアガールでオーディションを受ける役をしていましたが。
成田梨紗「はい、本当にチアリーダーをやってました。私は実際にテレビ電話オーディションを受けてないんですけど、やっぱりすごい緊張すると思います。笑顔でありのままの自分を出せるように頑張ってほしいです」
――今のシアターはどんな雰囲気ですか?
前田敦子「シアターがオープンして間もないんですけど、たくさんのお客さんが足を運んでくれて、満員になることもあって、そして公演中には、掛け声をかけてくれたり、ダンスを一緒に踊ったりしてくれて、すごく一体感がある公演になってます」
――新しくメンバーになられる方へメッセージを。
大島麻衣「私たちが今まで積み上げてきたAKB48というグループをもっともっと大きいグループにしていくために、そして、お互い高めあっていけるように、一緒に頑張りましょう。待ってます!」
審査が終わり、結果発表の前に秋元康氏、夏まゆみ氏の審査総評がありました。注意深くお読みください。
秋元康「審査会場に来てもらうのではなくて、こちらから出かけていくというオーディションも面白く、今回は5会場に集まってもらいましたが、将来はテレビのCMのように学校の部室とか体育館でできるといいですね。画面に出ている彼女たちのふだんの表情がとても面白かったです。質問よりも表情を見ていて、オーラであるとか、プラスアルファのようなものがにじみ出てくる人と、そうでない人を見ていましたね」
夏まゆみ「緊張した審査会場ではなく、ふだんの素朴な表情を見ることができたのでよかったです」
――審査していて選考に迷いはないのでしょうか。
秋元康「やはりファンの人たちは、あるいはアイドルの人たちは何か発信しているんですよね。だから迷うというよりも、発信がこちらにぴったりと届くか、それとも条件が違ってAKB48とは合わないということなのかなと思いますね」
――最終選考ではダンスも見られると思いますが、ダンスの経験者は少ないんですよね?
夏まゆみ「ダンスが得意な子は最初は選ばないんですよ。でも矛盾しちゃうんですけど、今回は例外を作ってみようかと。自分のなかで『ダンスができる子』のイメージをなんとか作り変えていきたいというのがありまして」
このあとテレビ電話と通して秋元氏、夏まゆみ氏からそれぞれ1名ずつ各地区の会場のテレビ電話を通じて合格発表がありました。合格した54名は26日の最終オーディションでさらに選考が行われます。(撮影・取材 岡田)
【取材後記】
FOMAのテレビ電話の画質はお世辞にも良いとはいえず、グラビアやモデルを選考するのにはまだまだ現実的ではないような気がしましたが、秋元氏が言うようにアイドルの素の部分のキャラクターやほんの一瞬見える笑顔やリアクション、表情や動きの変化を観察する分にはかなりいろんな情報をテレビ電話を通して得られることがわかりました。
そして、ようやくどんな点がポイントなのかというのもわかってきましたので、今後またオーディションがあれば参考にしていただきたいとは思いますが、正直、現状では“対策”というものはありません。AKB48の場合、“オーディション対策をしない”ことが最大の対策かもしれません。
ただ、シアターに来たことがあるか、『桜の花びらたち』は聞いたか、AKB48をどのように知ったかなどの質問は必ずされますので、それに対して正直で、はきはきとした受け答えはできるようにしたほうがいいでしょう。審査時間は短いです。今回の公開オーディションでは、メンバーの名前を言えた子が何人もいました。誰が人気があるのかも(笑)。
それにしてもAKB48のメンバーたちの姿を見て、撮った写真を見ていると“人に見られ”“スポットライトを浴び”“毎日のようにステージをする”ことで女の子はこんなにもきれいになれるのだというのが本当によくわかります。(岡田)