AKB48の総合プロデューサーをつとめている秋元康さんが京都造形芸術大学の副学長をつとめているとともに、在学時から卒業後までAKB48の衣装デザインの一部を担当していることから、大学20周年を記念した学園歌(校歌)を秋元康さんプロデュースで制作することになり、その発表会にAKB48のメンバーがお披露目することになりましたのでその様子を取材してきました。(2010年9月19日 京都造形芸術大学 学内京都芸術劇場・春秋座)
参加したのは秋元才加、板野友美、大島優子、河西智美、柏木由紀、北原里英、小嶋陽菜、指原莉乃、篠田麻里子、高城亜樹、高橋みなみ、仁藤萌乃、峯岸みなみ、宮澤佐江、前田敦子、渡辺麻友(敬称略)の16人。
まずは記者会見の様子からお届けします。
千住博学長「おかげさまで晴れて校歌を持つことができました。そもそも秋元先生は学生、芸術と社会をつないでいくことをご自身の役割としてやっていらっしゃる人気のある先生なんですが、理事長と私がカラオケに行って秋元さんの曲ばかり歌ってたものですから、『そういえば秋元先生は作詞家なんだな』と思って、本学では指導者としての側面が強かったので、それだったら本学にぜひ校歌を作っていただきたいと理事長がお考えになって、今日の日を迎えたわけでございます。学園歌の歌詞というのは堅苦しくて教育的なものが多いんですけど、私たちの新しい校歌というのは、等身大の若者の心を詠みながら未来をそして自分の人生について明るく前向きに考えていこうというすばらしい歌詞です。多くの方に受け継いで歌い継いで広く人々を励まし、勇気づけ未来に向かう指針になってもらえたらと思います」
(※学長の千住博さんは画家で、作曲家の千住明さん、ヴァイオリニストの千住真理子さんのお兄さんでもあります)
秋元康副学長「京都造形大学は新しいことをやっていこうということで、いろいろなことを進めています。その中で僕自身考えておりますのは、とにかく現場で行動を起こしてみようということで、4年半前のAKB48が始まったときもこの京都造形芸術大学の学生のみなさんに衣装をデザインしないかとか、あるいは小道具を作らないかとか、いろんなことでアイデアをもらい、考えていただき、それをプロとして対価を払い、プロとして参加することから始まりました。ですからAKB48の衣装の多くはここの学生の手によるものになっているものもあります。そういう中で、僕はAKB48と4年半一緒にやり、彼女たちが中学生・高校生だった、まだ夢も定まらないところから一生懸命階段を登ってきた、そういったのもオーバーラップしたのもありまして、京都造形芸術の校歌を作ろうとしたときにまず目に浮かんだのが入り口の59段の階段です。
この階段は瓜生山のほうにずっと進んでいるわけですが、まずこの59段の階段を登るところから夢の先が始まるんだという歌詞を作りたい、そしてAKB48も間違ったことや失敗したことはたくさんありますが、彼女たちが偉かったのは立ち止まることがなかった、つまづきもしたし失敗もしましたが、歩き続けたことがすごく大事だと思うので、この校歌を作りました。これはもしかしたらまだまだ未完成です。これから10年、20年、学生たちが苦しいときやうれしいときに口ずさんで、10年後、20年後、あるいは30年後に完成するものなので、ぜひみなさま聞いてみてください。そして応援してください」
高橋みなみ「京都造形芸術大学には結成当時からお世話になっている学校で、その校歌を歌わせていただけるということで、秋元先生からたくさんアドバイスをいただきました。生きてることは動いていることだと、この59段の階段を登るように行動に起こすことが大切なんだと、そしてこの世代すべてにエールを送る歌だとお言葉をいただきました。私たちも聞いて歌って本当にすてきな歌だなと、勇気をいただける歌だと思いました。夢に向かって進んでいくみなさんに同世代の私たちが少しでも歌でお届けできればいいなと思っています」
以下は質疑応答の様子です。
――京都造形芸術大学の生徒さんの作った衣装についてどう思いますか。
大島優子「チームAが最初にステージで歌っている衣装からデザインをしていただいて、『この曲も、あの曲もなんだ!』っていうほどあって、デザインも飽きないものばかりで、この衣装があるから私たちがステージに立って歌がうたえているので、本当に力をいただいているように思いましたし、夢に向かって進んでいるのが衣装を着ることで頑張っていこうという気持ちになります」
――大学内での記者会見となっていますけど、前田さんの学生時代の忘れられない思い出は何ですか?
前田敦子「私は中学2年生のときにAKB48に入って高校卒業するまで今もAKB一色なので、すべてAKB48でした」
――もしAKB48に入っていなくて学生時代を過ごしているとしたら何をしていますか?
前田敦子「ふつうにアルバイトとかをしながら夢に向かって頑張っていたんじゃないかなと思います」
――具体的にどんなアルバイトを?
前田敦子「コンビニ?」
――みなさんにとって次の登るべき階段はどんなものでしょうか。
高橋みなみ「今、横から面白いことを言えとハードルを上げられているんですけど、なんですかねぇ。難しいなぁ……秋元先生なんですかね?」
秋元康「今それぞれ一生懸命階段を登っていると思うんですね。次の一歩はそれぞれたとえば高橋であれば歌手への道かもしれませんし、大島や前田であれば女優の道かもしれませんし、59段は夢に向かってみんなで登っていく階段で、そこから専門課程をそれぞれの道を通っていく、この59段の階段を登ることで足腰を鍛え、せれぞれの道に、ときには遠くときにはときには近くから声をかけあっていけるようなチームであってほしいと思いますし、そういうときに励まし合ってほしいなと思います。高橋さんこれでいいですか?」
高橋みなみ「本当にありがとうございます。困ったときには秋元先生が助言してくれていつも助かっているんですが、私たちまだまだなので、ひたすら突き進むことしかできないなと思っています」
――大学の校歌をアイドルが歌うということで、より身近にアイドルを感じることができるんじゃないかと思っているんですけど、そんななかちまたでは“困り顔”がブームを迎えそうなんですが、AKB48の大島さんと前田さんが雑誌で困り顔で注目されているんですけど(メンバー驚愕)、ご自身で困り顔だと思うことはありますか?
大島優子「私は自然に前を見ているだけで困ってないんですけど、なんでそんな困った寂しそうな表情をしているの?と言われることはあります。ふつうなんです」
前田敦子「困り顔ではないと思っていたので。雑誌とかでブームになっているって見ていたので、自分もどうやってブームに乗っていこうかと思っていたのでうれしいです」
――どういった心境で歌われるのというのと、NMB48のメンバーが明日決まることになっているのでその感想を。
大島優子「学園歌を歌わせていただくことは本当にうれしいです。自分が小・中・高と学生時代を過ごしていて絶対校歌は歌うじゃないですか。正直覚えていなくて、今回学園歌を歌わせていただくにあたってちゃんと見て考えて歌うというのを初めてやりました。自分たちの学生時代ももうちょっと考えて歌っていれば良かったなという悔いはありますね。NMBはおしゃべり上手、芸達者な方が多いと思われますので、しゃべりで負けそうですね」
関西地区で本格的な記者発表をするのは初めての様子でしたので、相当多くの地元テレビ局、新聞社などのマスコミが詰めかけました。ミニライブの様子は別記事でお届けします。(撮影・取材 岡田)
AKB48京都造形芸術大学学園歌発表会レポート(2) ライブ&学園歌贈呈式に続きます。