2007年10月7日から2008年2月21日まで行われたAKB48チームBの2nd Stage『会いたかった』公演のフォトレポート(1)、フォトレポート(2)の続きをお届けします。(2008年1月25日 AKB48劇場)
★M12(E01)「未来の扉」
田名部生来、片山陽加
この曲の良さについて今まで触れる機会がなかったので、この場を借りて自分の体験と重ね合わせて述べてみようと思います。興味ない方は読み飛ばしてください。
前回のフォトレポート(2)で「だけど・・・」はあざとさがなく、過去の自分にタイムスリップできるノスタルジックな曲だと述べました。この「未来の扉」は、「だけど・・・」とは全く逆で、過去のつらいことは断ちきって明日だけを見て進みましょう、という歌です。
過去のつらいことや、今、思い悩んでいることが何なのかはこの歌詞には出てこないことがかえって聴き手に想像力をかきたてることになります。
たとえば受験のとき、転職で悩んでいるとき、大きな失恋をしたとき、人生の岐路に立ったとき、ひょっとしたら自殺まで考えて途方に暮れているときなど、このような場面で、「未来の扉」はきっと私たちに明日へのかすかな光を照らしてくれるでしょう。
私が初めてこの歌を聴いたとき、自分に抱え込んでいた迷いや苦しい気持ちから明日への扉へ背中から押してくれるような気がして、救われた気持ちになって涙が出そうになりました。それは何度聴いてもそうなのです。よほど私の気持ちと歌詞の世界がジャストフィットしたのでしょう。
そして、「古い足跡はどこにもない」「どんな悲しみも置いて行ける」「わだかまりの雲は そこにはない」と、過去のつらい思いはここで清算して、風や花や鳥や木々や空が自分を包み込んで明日を迎えられるような気持ちにさせてくれました。
少し現実的な話に戻りますが、先のことが全く見えないことが未だに私にはあります。この曲の初演のあたりは会社設立のことは考えてはいるものの、その先のことが全く描ききれてませんでした。また、もっと前のことで言うと、アルバイトをしながらも貯金が底をつきはじめ、自分の人生の先が全く見えなくなったことがありました。
もっともっと前のことで言うと、大学受験である程度手応えは出てきたものの、毎日毎日勉強漬けで、この先どこまで勉強をしたら受かるのかさえわからなくなって、毎日不安な気持ちになりながら、それでも前に進むしかないと思って勉強をしていたことがありました。
そんなとき、「未来の扉」に出会ってたらどんなに気持ちが楽になれただろうって思うと、この曲に出会えて救われた人は実はたくさんいるのではないかと思うわけです。
個人的には「風がそよぎ 花が揺れて~」の振り付けもやわらかくていいと思うし、「どこにもない」のメロディーが東京パフォーマンスドールの「Overnight Success」「Can't Stop the Music」の盛り上がる部分と似てるところがあって、過去のことを思い出しつつも、過去の思い出を乗り越えてAKB48と共に歩いていこう、という気にもさせてくれるんですね。
同じような意味あいの歌で「花と散れ!」があります(チームK 3rd『脳内パラダイス』公演アンコール1曲目)。こちらはもっと直接的に自分とぶつかって、砕けてもいいから自分を貫いて進め!と自らを鼓舞する歌です。「未来の扉」をチームKのマインドで表すと「花と散れ!」となるんでしょうね。いずれもよく出来た曲です。
★M13(E02) 「AKB48」
早乙女美樹、松岡由紀
★M14(E03)「スカート、ひらり」
渡辺麻友、柏木由紀
★M15(E04)「Dear My Teacher」
チームBは、チームK 2nd Stage『青春ガールズ』とチームA 2nd Stage『会いたかった』を演じることによって、チームBとしての特色をスタッフ、ファンともに見出そうとしていました。チームAの華やかさ、チームKの力強さとは違ったチームBなりの特色がこれら2つのステージによって見出せたように感じます。
そして、2008年3月1日より始まった、チームBのために作られたオリジナル公演『パジャマドライブ』は、彼女らが持っている魅力を存分に引き出したとても完成度の高い、そして彼女らの成長ぶりをステージを通してより一層確認できるものとなっています。
劇場でのステージを見るためには電子メールで応募して、抽選で当たらないと見られないのがつらいところですが、ファンクラブに入れば見るチャンスは多少増えるものと思われます。劇場で見る以外にも『AKB48 1じ59ふん』(日本テレビ)、『AKB48+10!』(CS371ch エンタ!371)などでも彼女たちの魅力が伝わるものになっていますので、そちらを参考にしながら気長に抽選の当たりを待つのが良いのではないかと思われます。(撮影・文 岡田)